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市場浸透の始まったWi-Fi携帯

2004/05/18 00:29
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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連載初回で音声通信のIP化について取り上げた。この時は、話の範囲は固定をイメージしてまとめていたが、当然ながら音声通信は固定だけに限らない。いまや端末数で言うと固定より携帯電話の方が多くなっていることから、Wi-Fiと合わせて無線の音声通信市場でどのようにIP化が進展していくのかは興味深く追っている。

どこが先んじるか、と見ているとモトローラが普及を強く促しうる製品を準備していると報じられた

Mobile phone maker Motorola Inc. plans to introduce a device that would seamlessly switch calls from cellular networks to cheaper Wi-Fi networks wherever they're available.

既存の携帯通信ネットワークとWi-Fiネットワークの両方を利用出来るハイブリッド端末である。
 
 
Wi-Fi携帯の現状
 
現状のWi-Fiは携帯を代替出来るほどにインフラが整っていない。セキュリティや安定性などの話以前に、まず通話エリア=ホットスポットが足りない。これでは、少々の価格差程度では代替の土俵に載ることさえ出来ない。

十分なホットスポットの確保とローミングの安定性が王道の解法になるが、当面の迂回策として二つ考えられる。
エリア限定など用途に縛りをかけたサービス体系とする
例えば、米IDTの始めた月額2ドルで利用出来るサービス。今後エリアを拡大していく予定としているが、当面はごく限られた範囲で提供されている。

携帯ネットワークと両方使えるサービスとする
今回のモトローラのアプローチであり、PHSと携帯のどちらも使えるDocomoのドッチーモも発想は同じである。場所場所で使いやすい方を切り替て使えば良い。

IDTの料金2ドルというコスト構造がそのまま全国区で成立するのであれば、キャリアにとっては致命的になる。10倍以上の価格差は少々の品質の差を越えてしまう。仮に安定性がさほど高くないとしても、品質の許容度の高くないユーザーはスイッチしてしまう。もしくは、完全にスイッチしないユーザーでもハイブリッド端末が一般化すると、適度に使い分けを行うことで顧客単価は大幅に下がると考えられる。市場の競争条件が根本から変わってしまうのである。

エリア単体でのコストが収支に合っているとすると、「来た町のスーパーは根こそぎ無くなる」と言われたウォルマート型の市場制覇のパターンが考えられる。つまり、一気に全体を制圧するのでなく、オセロが端からひっくり返っていくように局所的に完全な勝利を収めて、モデルを横展開させていく。行った先では絶対負けない、溶岩がゆっくりと流れていくかのように全てを飲み込んでいく。

子供向けに連絡用の携帯を持たせたい親や、市内のみにサービスしている会社の従業員連絡用など無消費は存在しているはずなので、狭い地域でそれなりのニーズはあるだろうと考えられる。ローエンドは完全に食われることになり、一つのエリアで対抗出来ないのであれば次のエリアでも対抗出来ないために局地戦の敗退の連続が全体にハ敗北に繋がってゆく。

とはいえ、そんな急な展開にはならない、というのが大筋の予測である。

The rosiest predictions estimate Wi-Fi phoning won't instantly be a big moneymaker. ABI Research predicts the Wi-Fi voice market will be just $20 million by 2009. By comparison, the five largest U.S. telecom companies had $188 billion in revenue and $18.7 billion in profits in 2003.

市場規模にしても、2009年までに$20 million。テレコム産業の大きいどころが売上で$188 billionという数値であることと比較すると、桁が違うため規模としては当面些細な動きである。
 
 
成長の予想されるサービス層
 
さて、Wi-Fiが本当に新技術として市場全体をひっくり返すか現時点では100%確定しているわけではない。しかし、代替技術として存在している限り、かつデータ通信市場で広がる限り二点確実と言える方向性がある。
 1:価格は下落する。恐らくどこかで固定料金にシフトする。
 2:取り扱いデータ量が増え、上位レイヤーのサービス層で競争が加速する。
1も2もDSL、ISPで起きていることである。IP化とネットワークの強化が起きると、ここまではセットと言っても良く、Wi-Fiでもサービスレイヤーでの開発事例が出始めている。

紹介されているのはVocera Communications Incの病院向けサービス。

Vocera's voice-activated "communicators" clip on to clothes, can be worn on a lanyard and act, in some ways, like a walkie-talkie. They track users by job title, so a nurse can say, "Get me a cardiologist" and the system will find the nearest one.

服にチップを縫いつけ(と、こうなると電話というよりは、ウェアラブルというカテゴリーに近づいていくが、些細な問題なので割愛)、音声指示でその場その場で必要な情報を指示し、手近な端末にて確認出来るようになっているという。データ通信との親和性が高く、コンピューターネットワークと直接繋げられることによって実現出来る、Wi-Fiの特徴を生かしたサービスと言えよう。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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