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ネットワーク家電は顧客の用事を片付けているか?:製品市場の現状(1)

2004/05/03 21:55
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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我が家で物欲が高まっている。

ゴールデンウィークの5/3に、一日使ってBSフジにて「24」をそのまんま24時間放送するという思い切りのいい企画をやっていた。

生憎観ている時間は取れなかったため、録画しようかという話になったが家にはVHSのビデオしかなく、HDDレコーダーの類は持っていない。24時間だと普通のテープを使うと三倍速でも四本。録画中の差し替えも発生する。画質ももちろん三倍モード。そこまでやるほどの意気込みは湧かなかったので、追いかけで個別に借りてみようという無難な話に落ち着いてお流れとなった。しかし、出来るものであればせっかくなので24時間まとめて録りたかった。しかもテープを入れ替えたりとややこしい作業なく簡単な設定で。

もうひとつ。

観たい番組がない場合は、ストリーミングでBBCのニュースを良く観ている。米系テレビ局の番組を見ていることもあるが、報道系だとBBCがヨーロッパ系の視点を持ちつつアフリカや中東などなかなか普段目の届かないエリアの情報を届けてくれるので密かに重宝している(昨日は南アのマンデラ氏のドキュメントもやっていた)。

しかし、このストリーミングも便利なようで三年くらい前のノートPCで観ていたりするので使い勝手が良くない。画質はデータ量の問題もあるため、半分目をつぶるとしても、モニターとしてテレビを使いたい。音声もノートPCのものではなく、テレビと同じく、この際オーディオから流したい。

そんなこんなで物欲が高まっている。
 
 
ネットワーク家電に求められる「用事」
 
ネットワーク家電は消費形態もアーキテクチャーも各プレイヤーの役割もまだ定まっていない混沌とした市場となっている。しかし、最終的に何を実現すればいいのか、消費者が求めているものは大枠からじわじわと形になっているところはある。幾つかヒアリングを交えて、映像分野を中心に高まっている物欲=現在の市場ニーズを整理してみた。

1:「アナログVHS録画6時間まで」とか言わず違って一発で24時間録りたい。

2:録画したコンテンツは頭出しがMD並に楽なのがいい。巻き戻し時間なし。

3:ビデオテープもDVDも入れたりケースに収納したり片付けたりが邪魔くさい、画面上で検索してすぐ再生させたい。

4:BSとビデオとテレビの切り替えが面倒。テレビの入力切り替えて、BSのスイッチ入れて、ステレオ音声切り替えてとゴチャゴチャしている。統合したい。

5:PCで見てるストリーミングのBBC放送を、テレビで見たい。大きな画面でテレビもストリーミングも見たい。

6:ストリーミングで流される放送に録画機器を繋げたい。

7:字幕とか副音声とかの切り替えが出来て。録画時間は300時間ぐらい、本体に入ってて欲しい。

8:そんな感じのデカイ画面のPCをメインに置きながら、スピーカーもつないで音声もナイスで、ダウンロードした音楽もまとめて管理したい。

9:PC側とHDDレコーダー側のデータが分散するのが面倒。まとめたい。

市場全体を100%代表しているとは言えないが、気持ちは分からなくもない要望リストである。セグメントを切ると、単なる新し物好きではないところからアーリーアダプターとアーリー・マジョリティーが混じったくらいになるだろうか?
※用語参考:Goodpicでのキャズム論概説

これらの用事は部分的に解決されているところもある。1〜4については、検索の性能を高く要求しなければ出回っているHDDレコーダーでこなせている。2については、歴史の古い用事である。機器がバラバラに出される限りそう簡単には済まないだろう。

5〜9はニーズとして新しく、解決が難しい。まさにネットワーク家電の世界である。

出来る出来ないの結論から先に書くと、一般市場で普通に買えるもので、これらのニーズを十分に満たした製品(群)はない。しかし、HDDレコーダーのように部分的に解決されている用事はあり、各社それぞれのアプローチに「らしさ」が出ていて面白い。特徴的なものをピックアップしながらプロダクトの状況を概観していきたい。

ネットワーク「家電」

用事を片付けるのに必要な機能は
・ネットワークからのコンテンツダウンロード。ただし、インターネットと同等のアクセス範囲が求められている
・ダウンロードしたコンテンツの統合管理。機器が分かれるのであれば機器間のコンテンツ移動
・映像系のコンテンツをまとめて視聴出来るモニタ

の三つ。機能がどのように機器に振り分けられるのかはひとまず問わない。

まず、「家電」の二文字に注目して、総合家電メーカーの巨頭である松下と日立から見てみる。

松下のパナソニックサイトに行くと、製品カテゴリーが
 ・テレビ
 ・DVDレコーダー、プレーヤー
 ・パソコン
と分かれている。繋がるのは、テレビとレコーダー。いわゆるホームシアターの用途であり、PCは蚊帳の外に置かれている。一応、DVDレコーダーの外部コントロールをノートPCから行う機能は持っているが、あくまでモバイルノートとして普通に売り出されている(本筋からは外れるが、松下のノートPCは物欲リストに入っている)。また、ホームネットワーク用の機器も出ており、インターネットへの接続も出来るが、接続先の「Tナビ」のコンテンツはまだまだ小規模のケーブルテレビやデータ放送と同じくらいの位置づけである。

松下は表立って大きな動きはしていないのが現状となる。プラズマテレビや携帯、デジカメなど主戦場が多々あるため、あえてここまで出てきてはないというところだろう。

日立も同じような印象となる。製品カテゴリを見ると関連するのは
 ・パソコン・周辺機器
 ・AV機器
のふたつ。HDDレコーダーの位置づけとしては、ビデオが進化したものになる。PCの側ではPrius Deck HシリーズPrius Air HシリーズがPCにテレビ視聴の機能を付加したモデルがある。CS、BS等への要望が高くなく、PCでテレビを観るのに違和感を感じないのであれば、用事を解決出来ていると言えなくもない。

両社に共通するのは、満たそうとしている用事が
 ・テレビ放送を綺麗に受信して観るor録る
 ・ビデオ、DVDなどを綺麗に大迫力で観る
 ・自分のビデオで録った映像もたまには観る
というテレビ視聴を如何に映画館的世界に持っていくかを基本としたところである。画面の大きさ、映像品質、オーディオ機器との接続を含めた音響品質の向上が目標であり、情報端末としては捉えられていない。放送映像(=家電)の世界とPCの世界が切れているのはメーカーのサイトを見ていても良く分かる。繋ぐことを説明したページはおまけ的にしか存在していない。ネットワーク家電としては用事をこなしきれ邸内のが現状となる。

一回目はここまでとして、「ネットワーク」側であるPCメーカーとPC、ゲーム、AV機器と要素で言うと全て持っているソニーについては、次回に。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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