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RSS普及で変わるウェブ

2004/04/25 21:21
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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プロダクトやサービスを設計していると、あれもこれもと詰め込んで複雑怪奇なものに変貌してしまうことがある。ユーザーニーズと共に自然と成長してきたものならともかく、頭でっかちに考えて作ったものは意外と使いにくくて普及しづらい。当たり前の話であるが、裏側は複雑怪奇でも表向きはシンプルに出来ているもの、そもそもシンプルな作りだが応用性の高いものが出現当初は小馬鹿にされつつも普及し、一般に使われていくことになりやすい。

その「当たり前の話」をXML/RSSで再度実感しつつある。その昔、同僚が「言語としては簡単、すぐ覚えられる」とライトに捉えた議論をしていたが、なかなかどうして。影響範囲を考えるとJAVAよりもよほどインパクトがあるのではないか。

今更ながらであるが、RSSが何者なのかe-Wordsで確認すると、

Webサイトの見出しや要約などのメタデータを構造化して記述するXMLベースのフォーマット。主にサイトの更新情報を公開するのに使われている。

 RSSで記述された文書には、Webサイトの各ページのタイトル、アドレス、見出し、要約、更新時刻などを記述することができる。RSS文書を用いることで、多数のWebサイトの更新情報を統一的な方法で効率的に把握することできる。

とある。

HTMLから始まって映像コンテンツに普及しつつあるRSSだが、要は元コンテンツに対するメタデータとなる。RDBでいう属性が増えていっている状態なので、情報の取り扱い方にバリエーションが自然と出てくる。ペタンとしていたウェブの情報が立体的に立ち上がってきて、ごく簡単に書くと「やっとSQLを使える(かも)・・・」という風に進化してきているのがRSS普及の効果になる。

RSSは、基本技術として怒涛の進化を遂げているものというよりは、応用分野での動きが目に付く(もちろん、RSS間のバージョンの問題やAtomとの関係など動きはあるが、一旦割愛)。Blogの普及と大手メディアのRSS配信対応(日本では今ひとつ進んでいないが、米国メディアは標準的に備えているところが多い。コンテンツビジネスとしての捉え方の違いだろう)、Yahooの対応開始などメジャーへの階段を着実に上がっている。

極論すれば、RSSは電子化されたコンテンツがあれば何にでもつけられる。そうして、コンテンツの属性情報のみを取り出せて柔軟な形で流通させることが出来る。技術の規格でもあるが、メディアの一つの規格と捉えるのが多分一番本質を捉えた見方だろう。しかも、メタな構造を持っているため、どのような利用法が生み出されていくのか予測しづらい部分がある。おそらく、RSSリーダーなんて直接的な使い方は全然スタートラインであり、リーダー側が情報の出し手を判断して、アラートのレベルを変えたり取捨選択するようになったりというエージェントの方向性に向かった後に、読み手からのフィードバックをトラックバックのような仕組みで出し手が受け取って再帰的な影響関係に入るなど(後者についてはTechnoratiなどで萌芽が見られる)、技術の特性を十二分に吸収した利用方法が生まれてくるはず。ファイル属性で分けられている専門サーチが再編成されるくらいのことは平気で起きるのでは。

これから起き得る現象をJason KottkeはI think we should probably stop calling it syndicationの中でこのように描いている。

the newsreader can then display the content in these files in various ways that are helpful to the reader. It can tell you at a glance that you have 68 unread news items; it can aggregate items from several RSS files into a new "feed" (perhaps a feed on biotech); it allows you to skim literally thousands of different items from hundreds of different sources sliced and diced in a myriad of ways. RSS and Atom treat the items contained within a file as first-class citizens.

ユーザーは取得したRSSを再編集して新しいフィード情報として配信することが出来る。ニュースサイトで行われている情報のセレクションを相当程度自動化した形で個々人のレベルで実現できる。先に書いたものとはまた別の情報の評価市場の誕生である。

Blogにより既に顕在化しているところであるが、一次情報そのものではなく、一次情報が誰に語られているかの情報=誰により作られたフィードかが重要度を増す。「あいつが言うのだったら確かなんだろう」という話は別段今に始まったことではない。しかし、ウェブ上に定まった規格に準じて公開され、自由に流通し始めるとなると話はまた別になる。現物市場に先物市場とオプション市場が加わって金融の世界がごろっと変わったように情報流通の世界もごろっと変わっていくのだろう。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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