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Google:ローカル検索に見るFunctionからDataへの転換

2004/04/16 12:10
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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お隣にエッセンシャル・サーチエンジンがありつつも、サーチの分野からひとつ。

サーチの分野で個別用途に特化した検索機能の開発が進んでいる。画像、動画、RSSなどファイルやデータタイプをベースにした技術オリエンテッドなものから、ニュース、ショッピング、番号検索、就転職など用途別に絞られたものなど、様々な可能性が試されている。
※サーチの領域についての概観は「サーチの近未来」というテーマで複数回に渡って取り上げています。

元気な領域の一つとしてGoogleを中心にサービスリリースが続いているローカル検索がある。まずは検索技術そのものを提供し、続いて広告配信をローカル検索に合わせて提供し始めている。競合のYahooでもストレートに切り口を地図としてサービス提供されている。
 
 
このローカル検索についてEsther Dysonが「Google locle」(間違いなくlocalのスペルミスだとは思うが、Blogなので目くじらを立てずに)で面白い指摘をしている。

まず、基本的な確認としてAdWordsの使い方は随分と広がる。

Google’s experience so far with AdWords, and its ability to automate the advertising process for small businesses, portend a sea change in the accessibility of the Net to local advertisers.

地域展開している広告主は無駄な広告予算を投じなくて良くなり、同時にユーザーにとっても自分に欲しい広告が表示される可能性が高まるので双方にとってメリットを生みうる。

今回のサービスリリースは開拓余地のあった地域広告への参入とビジネス的に捉えるのが一つの見方だが、技術的に捉えると、検索広告のマッチングパターンの多様化の走りだとも考えられる。国ごとにサービス範囲が区切られていることを一旦脇に置くとAdWordsは「キーワード」という切り口のみでこれまでサービス展開してきている(登録言語によって区切りが付いているので、細かくは言語+キーワード)。しかし、今回のリリースで「キーワード+地域」と属性が加わっている。

Right now, you can specify geographic targeting. Someday soon, perhaps, you’ll be able to specify targeting by opening hours, or by language spoken, or by other criteria. For now, that information is used only for targeting rather than displayed…

より高い精度で、広告主と利用者を結びつける可能性を広げており、

consider Google’s AdWords system a subtle mechanism for metadata collection

キーワードの裏にあるメタデータを積極的に利用していく方向が見えつつある。そのうちPersonalized SearchとAdWordsの組み合わせなどもより洗練されていくことだろう。
 
 
メタデータ、属性として加えられていくのものとして、浮かぶのがすぐ隣のコマース。

Currently, most “commerce” searches are for products and the establishments that sell them. But unless you’re ordering online, those two searches are generally separate.

検索からの流れだとFroogleからのトラフィックで発生した取引を追うのが一つ。とはいえ、その場で購買に繋がらない場合はCookieで追うしかなく、かつリアルの店舗に行ってしまうと今のままでは捕捉出来ない。

しかし、RFIDにより、個別在庫をネットワークが捉えられるようになりつつある。

There are few listings for what’s on sale at an individual store. But soon, it could make sense for a store to make limited access to its inventories available online, so that people could know exactly where to buy things.

サーチの後どこで買ったかを追えるのか、そもそもプライバシー的に追って良いのかという問題はあるものの、例えばローカルサーチと組み合わせると、ある地域の検索需要と実販売データを突き合わせることが可能となる。

こうして集まった精度の高い情報は検索履歴と呼ぶよりももはやマーケティングデータと呼んだ方がしっくりくる。

Google could sell anonymous data about those queries to merchants who wanted to stay in stock or pre-order based on what looks hot, or to manufacturers, fashion mavens and so on. .

価格をつけて販売するかどうかは別としても、広告配信の精度は更に高められることとなり、売れ筋のトレンドを追え(what looks hot)流行の震源地(fashion mavens)まで細かく追えてしまう。更に話を進めると、この震源地が人の場合、人から人へ伝わる様子(Gmail)と人のネットワークの形(Orkut)までも突き合わせ出来るとなると、何が見えてくるのだろうか?
※この文脈でのGmailの使い方はかなりプライバシーで引っかかることから実現はしないだろうが。

Googleは機能を優れた提供して機能の優位性で勝負するタイプのビジネスモデルでこれまで成長してきていた。技術に注力する基本姿勢はOmid Kordestaniのインタビューにあるように、これからも変わることはないだろう。

しかし、蓄積したデータを元にした事業構造に転換を図れる体制が出来つつあることは、Amazon、eBayが進めているような顧客データの蓄積量で勝負するような競争をも同時に仕掛けられることを意味している。サーチエンジンの利用シェアを考慮すると、舵を切ったあとのポジション固めは早く進むのではないか。
 
 
〜〜
少々追記的に。
ロケーションサービスを推し進めていくと、プライバシーの問題は再度指摘されるだろう。Future Nowのログを追っていると丁度該当するエントリがあったので少しだけご紹介したい。

「There is no one-size-fits-all solution to privacy」、「Our technology puts the user in control of who gets their information and under what circumstances.」というBell Labsのディレクター、Rick Hullの言葉を引きつつこうまとめている。

My sense of the Bell Labs project is that it reflects something a little more sophisticated: the recognition that identity and privacy exist in a dialectical relationship, and that one of the great challenges we face with location-sensing technologies-- and indeed, a whole host of pervasive computing technologies-- is developing tools that let us be creative with the ways we project our identities in public, without accidentally eroding privacy.

個人の位置情報に限られたものではないが、情報を収集蓄積するコストが低まるに連れてプライバシーの問題は高まる。patrickWebでも何度と無く取り上げられている、オプトインやオプトアウト、ID管理や認証などユーザーの個人情報をどのように管理運営していくのかは当面の間重要テーマと言える。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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