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CNET Japan ブログ

全てはIPに乗って(1)

2004/04/06 19:15
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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みなさんはじめまして。
以前のBlog「SW's memo」からのお付き合いのみなさま、あらためまして。

ひょんなことから、CNET代表の御手洗さんとお話する機会があり、その後山岸編集長のお誘いを経て、本日よりCNET上にBlogを引越しすることとなりました。主なエントリはこちらになりますが、以前のBlogもクリッピングやCNETにそぐわないファイナンス系エントリなど残るものは自然と残ります。よろしければ同じくご愛顧ください。

などと経緯や前口上をいつまでも書いていても仕方が無いので、早速内容の方に。

※※以下、普段どおりの文体に戻します※※

内外問わず、更新されたら必ず内容をチェックするBlogやコラムが100前後あるうち、毎回楽しみにしているものの一つがWilliam GurleyのAbove the Crowdである。梅田さんのBlogでも度々取り上げられているのでチェックされている方も多いかと。

一番新しい論考の、All Things IP:the Future of Communications in AmericaをネタにIPネットワークの普及と周辺ビジネス、サービスに起きうる変化について。

コンピューターを接続することを目的として作られたIPネットワークが携帯、家電、車、設備監視端末、センサーなどあらゆるものを繋ごうと拡大している。住宅設備など産業的に遠いところにあるものはまだまだ夜明け前段階なものの、

What is most striking about the notion of a 45 megabit IP connection is the overwhelming universality of such an incredibly high-speed packet-based conduit. Into it melt all forms of media and communications - voice, data, video, and any other application or service you might imagine.

隣接市場となる通信業は固定から無線までIPがほぼ全て代替する可能性が出てきているなど手近なところから着実に侵食を始めている。

最終的にIP化の影響を受ける範囲は広範なものになるが、まずは目下動きのある音声と映像を中心に。

まず、音声通信から。

純粋な経済学的見地から考えると、

It is a common macro-economic understanding that marginal pricing will eventually approach marginal cost, assuming a competitive environment.

差別化の出来ない商品でマージン競争を開始すると、コスト構造が下がり続ける限り、競争により値段も同じく下がり続けることになる。結果、

voice should one day be absolutely free. Already, any two broadband users anywhere in the world can make wonderfully free voice calls using the peer-to-peer client from Skype.

P2Pでの音声通信を可能にしたSkypeを先端事例として、無料化の力がかかる。特に、データ通信が高速化して十分な転送量を持った状態になると回線コストは事実上無視することが出来るようになり、固定費のデータ通信にセットでバンドルされてサービスされる形が出現する。YahooBBであり、有線ブロードであり、各ISPがオプションサービスとして提供している通話サービスも基本的に同じルールに乗っかっている。

この無料化の方向性を妨げるのは大きく二つ。1:何らかの理由による競争の阻害、2:政府規制によるサービス開発のストップ。要するに、完全競争に近ければ近いほど無料化に突き進むことになる。後者について、米国内の状況を

Now, while voice should be free, that doesn't mean that it will be free. The two conditions outlined above are nontrivial. First and foremost, it is not at all clear that we have enough competition in the U.S. broadband market.

十分な競争が存在しておらず、

A poorly executed policy could in fact "increase" the long term pricing on voice services for all users (for example, would you really tax a free service?).

規制により長いスパンを想定した価格設定が行われていることで、急激に無料化が起きることはないとしている。

比較して日本はどうだろうか。

前者の競争環境については、ソフトバンクを筆頭に新規参入もあり維持されている。結果、YahooBBが売り込んでいる会員間無料の通話サービスから、有線ブロードを例にすると月額の基本料金が315円、市内通話4円から(4/12現在)という従来からすると半額以下のサービス体系が成立しているなど、ここ数年で価格は急激にダウンしている。

固定回線への接続料金などの障害はあって後者のポイントである規制の問題もあることから、じわじわといったところだろう。通信の安定性は最後は生活の安全や憲法問題などにも繋がってくる政治性を持った問題なので、単純に競争とコストというところだけでは結論は出ない。政治側での議論と意思決定の速度を考えると、数年で状況ががらりと変わるとは考えにくい。よって、既存インフラに依存する部分は全体コストからするとボトルネックのように残り続け、他の部分から価格が落ちていく状況がイメージされる。

後半、動画部分については明日にでも。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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