最終更新時刻:2009年11月7日(土) 10時00分
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財務分析と管理会計

公開日時:
2008/07/31 15:30
著者:
庄子 素史

たまたま他社の財務分析をする機会があったので、安全性分析の整理をしました。

?流動比率=流動資産÷流動負債

1年以内に換金性の高い資産で、1年以内に支払が発生する負債が返せるかどうか。

100%を上回っていることが重要です。

?固定長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)

固定資産は投下資金を回収するのに時間を要するので、返済義務のない自己資本か長期の返済でいい固定負債でまかなうべき。

100%以内が良く、70%前後が理想とされています。

?自己資本比率=自己資本÷総資本

自己資本が高いほど、安全性は高いと言われますが、前にも書いた通り無借金経営というのを胸をはって自慢できる時代は終わり、借金してでも成長できる場合には投資をすべきという考えが大半を占めるようになっています。自己資本比率は30%程度が理想かと思います。


ここまで財務会計をベースに分析してみましたが、あまり良い診断結果ではない。まぁ、ベンチャーだから仕方ないか・・・と思いながらも、管理会計を意識した分析をしてみることに。

管理会計とは、経費を変動費と固定費に分けることから始まり、それで全ての作業が終わるとも言えます。

分かりやすく例を挙げてみますね。

ある電卓メーカーが、電卓を1個販売するのに、必要な情報が以下。

?販売価格:12,000円

?変動費(原材料費など):9,400円

?固定費(労務費など):5,100円

となると、通常の財務会計のP/Lで判断すると、

?−(?+?)となり、製品1個あたりの利益は▲2,500円となります。

しかし、ここで経営者として、この電卓を販売中止にしていいのかと言うと、管理会計という見方をしてみないと分からない。

販売価格から変動費を差し引くと、2,600円という額が出る。変動費は販売したら必ず比例してかかるコストなので、残額の2,600円は限界利益と呼ばれます。

一方で固定費は、よほどの製品の増産をしない限りは、販売数を増加させても増加しないコストになります。

ということは、固定費は変わらないのであれば、限界利益の2,600円は固定費を回収していると考えることが出来ると思います。

大量に生産すれば、限界利益額も大きくなり、いつかは全社の固定費を吸収できるようになると思います。

ですから、この電卓メーカーの経営判断としては製造中止にするには早い、ということになろうかと思います。

無論、電卓製造に設備や労務費などを活用して、儲かる製品をすぐに製造できれば、電卓は止めて他の製品を製造すればいいのですが、設備機器の入れ替え、新たな人材の確保、新たな仕入先の発掘など、極めて新たなコストが生じる場合も多く、余計に固定費が増加するだけになります。

余談ですが、この固定費を回収できるギリギリのポイントを、損益分岐点と呼びます。

損益分岐点は、

固定費÷限界利益率

求められ、この場合は、

5,100円÷21.7%=23,500円

となりますので、販売価格が12,000円ですので、3本販売すれば固定費を回収して利益を生み出すことになります。

あとは、3本売るための営業計画、広告宣伝計画でいかに固定費となる販促費をかけるのかによって、損益分岐点が上昇しますので、自社の製品の限界利益を知った上で、適切な固定費を設定してみた下さい。

ポイントは製品1個あたりで計算することです。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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