ケータイAjaxは、いろいろと大変なことになってしまいましたが、どちらにせよ普及まであと1年くらいはかかりそうな代物です。
それにたいして、既に普及している技術であるFlash Liteは、まだまだ活用されているとは言い難い。
iPhoneの凄さってなにかって言うと、実は描写の美しさと動きの軽快さに集約されていると思うんですよね。
一瞬で相手を魅了するUIの正体の大半は、スペックに現れない、美しさ、滑らかさ、楽しさ、気持ち良さ、といったことです。
ケータイでFlashを全面的に採用されたサイトというと、iモードを使っている人にはおなじみのiメニューというのがありまして、これはけっこう前に完全Flash化されています。
特に最近は端末の読み込み速度が上がっているので読み込み時間もさほどかからず、とても軽快です。
ケータイFlashといえば、間違いなく世界最先端を突っ走ってるのは坂本義親氏率いるORSO(オルソ)社。
ORSOはまだ社歴の浅い会社ですが、ケータイFlashの世界に先鞭を付けた坂本さんが立ち上げた会社で、DeNAのモバゲータウンのゲームの多くは坂本さんのチームの手によるものだったりします。他にも数多くの成功したサイトを手がけている、いわば花形クリエイターです。
世の中にケータイFlashを得意とする会社はいくつもあると思いますが、技術に偏っていたり、デザインに偏っていたりして、その双方のバランスがとれた会社というのは非常に少ないのが現状です。
そういうなかでORSO社は非常にバランスのとれた会社だと思います。
さらにいえば、彼らのセンスと技術のバランスは他社に比べて頭一つか二つ飛び抜けている。
「ケータイサイトってまだまだFlashで良く出来ると思うんですよ」
そう言って坂本さんが作って下さったサンプルのFlashテンプレートを見て、僕は冗談ではなく椅子から転げ落ちそうになりました。
まず文字が凄く奇麗。
これは彼らが独自に開発したフォントのアウトライン化エンジンによるものです。
しかも、この全ての文字要素、一見するとデザイン要素にしか見えないような文字要素までもが、全て動的生成であとから変更することが可能なのです。
また、書体の使い分けにも対応していて、明朝とゴシックが混在しているのがわかると思います。
実際に動いているところは、以下のページでビデオを見ることが出来ます。
フォントが変わるだけでケータイサイトは何段階もレベルアップしているように見えます。
しかも、iPhoneのようなダイレクトマニュピレーションではないので、サイト全体をごく自然な流れで追うことが出来ます。
しかも、既に普及している2004年以降のほぼ全ての端末で今すぐ使える、という点も大きな魅力です。
こんなにいいことずくめなのに、なぜこれまであまり使われてこなかったのか?
こういう技術を積極的に使ったサイトが少なかったのは、Flash端末が黎明期にあったことと、こういうサイトをメンテナンスするのが大変だったからです。
過激なまでに作り込まれたデザインを維持するには、一流のデザイナーが張り付いていなくてはなりません。けれども実際にはかなりの部分をテンプレート化できるはずです。
ところがテンプレートへの流し込みが複雑になり、それをきちんと操作できるUIを供えたCMSをゼロから構築するとなると、これも大変です。
その結果、この手のサイトは十分な予算を掛けられる超大手サイトに限られて来ました。
そこで今回、僕たちのZEKE CMSと組み合わせて普通のサイトを運営するのと同じようにこういう複雑なFlashを使ったサイトを構築・運営できるソリューションを開発することにしました。
僕たちはこれを「オデット・ソリューション」と呼んでいます。
「オデット」という名前は古典バレエに由来しています。
「白鳥の湖」でジーク(ZEKE)が見初めたのは、可憐で優雅なオデット姫だったからです。
これは僕が合唱部出身で、坂本さん自身が音大出身という共通点に少しだけ因んでいます。
Flash世代のクリエイターと、マシン語世代のエンジニアという、根本的に会話のプロトコルがなさそうなところでの数少ない共通点が音楽だったのです。
iPhoneに比べてフォントなどの面で今のケータイサイトは明らかに見劣りします。
特に最新のVGA端末と、iPhoneを比べて、ケータイの方が実は2倍の解像度であると主張しても誰も信じられないでしょう。それくらい、日本のケータイは文字のレンダリングが汚いのです。
また、従来のQVGA端末向けにデザインされたサイトは、VGA向けに有る程度レイアウトを作り直さなければいけません。それもかなりの手間になります。
それにくらべてケータイFlashは、QVGAでもVGAでも同じように表示出来るだけでなく、アンチエイリアスの効いた美しいレンダリングが可能です。
iPhoneをしばらく使ってみると、実はSafariはそれほど便利でないことに気づきます。
確かにPCのサイトをそのまま見れるのは便利なのですが、本文が横に長いサイトなどはやっぱり横スクロールしながら見るほかなく、iPhoneに最適化されたサイトとそうでないサイトの差が非常に顕著に現れています。
日本のケータイは、情報のブラウジングという点では依然としてかなり優れたUIを持っています。
残念なのは、それが古くからの因習やデザインへの無理解によって本来の性能がスポイルされてしまっていることです。
ケータイFlashを活用することで、こういう問題はまだまだ現実に解決可能であることを示して行きたいと思っています。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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