最終更新時刻:2009年11月7日(土) 10時00分
-

Googleが横浜で大きいお友達1500人以上に無料でAndroidケータイの実機を配った話

公開日時:
2009/06/10 14:11
著者:
村上 福之

 某社のK氏に誘われてなんとなく行ったGoogle Developers DayというGoogleの開発者向けカンファレンス。名前と勤め先をWebフォームに書くだけで申し込める無料のカンファレンスだ。といっても、かなり大規模なものだけど。まぁ、Google Waveがどうとか、HTML5がナントカというイベントそのものの詳しい内容は他社サイトの方が詳しいので書きません(寝てたし)

基調講演でドコモの永田清人執行役員プロダクト部長が6月発売のHT03Aのプレゼンをした。単機種でCMを流すとか、キャンペーンサイトを始めましたとか、サポートプラン(2年縛り)で3万円(縛り無しで5万円)で発売など、さんざんドコモがアピった後、Googleから、すごいアナウンスがあった。全員にAndroidケータイを配布するとのこと。さっきドコモのエラい人がプレゼンをしたHT03AのSIMロックフリー版だ。しかも、ドコモの発売前に配るという暴挙にぼくは凍りついた。おかげで、その後のmixiの笠原社長のプレゼンはぜんぜん頭に入らなかった。ごめんなさい。

米国のGoogle IOという有料のイベントで配ったことは知っていたが、国内の無料のイベントで配るのはどういうことだろう。っていうか、1500人はいるのにいくらかかるんだ?

基調講演が終わったあと、adroid実機配布場所である受付は大混乱だった。パシフィコ横浜ホール会場の受付が大きいお友達でいっぱいになった。数百人もの行列ができた。そして、彼らの多くはiPhoneをいじりながら、行列を待っていた。Google社員が人員整理の声を荒げる。「数はありますのでー」とか「5時まで配布してますので、後ほど来ていただきますよう〜」などなど。しかし、ガジェット大好きな大きなお友達は、いますぐ触りたいので並ぶのだ。ぼくを含めて。

 

オリジナルの化粧箱入り。

 

 もっともっと、驚いたのは、その配布端末が単なるアメリカのHTC製品の使い回しではないことだ。ちゃんと日本語のブロシュアと保証書がついていた。

 

 

起動画面もgoogle Developers Dayのオリジナルだ。ドコモの名前はどこもない。 このイベント用のファームウェアということになる。 

 

 

当然、日本語に完全対応。kndroid氏によるとGoogle IOで配布したものはツヤ入り青だったが、日本で配布したものはツヤ消しの赤だ。しかも、google developers dayの文字が刻んである。HTCの量産品の使い回しではなく、このイベントのためのものということか。(他国のGDDイベントでも配るんだろうか?)

 

 

ドコモのSIMを刺すと、何もしていないのにデフォルトでMopera Uの設定やBizホーダイなどの名前が出てくる。会場のGoogleの人にSIMをさした場合の使用方法について、問い合わせても、何も答えてくれなかった。まぁ、そうだろうなぁ。シーリスの有山社長がソフバンのSIMを刺していたから、きっとソフバンでも使えるのだろう。 

 

 付属品もフルセットでついてました。Nokiaのケータイとかもそうですけど、イヤフォン変換プラグや2GBのSDカードまでついてました。普通のドコモのケータイより充実してますね。しかし、こんなイベントに来る大きいお友達の多くはUSB充電器もケーブルもSDカードも家にあるような気がします。 

 

さらに日本のTELEC(財団法人テレコムエンジニアリングセンター)の認証が通っている。SIMロックフリー品なので、ドコモとは別でこのイベントのために認証を通した可能性が高い。(と、いうことをAndroid勉強会の人たちが言っていた。)なので、DevPhoneと違い日本の法律的にアレなものはクリアしているモノということになる。すごい。。。

 

Androidは開発者から見れば魅力的なプラットフォームだ。しかし、後発であるためiPhoneの勢いに負けまくっていることは否めない。

AndroidはiPhoneよりも、「開発者から見ると」アドバンテージはかなり大きい。開発キットは無料だし、iPhoneはMacOSでないと開発できないが、AndroidはLinuxでもMacOSでもWindowsでも開発ができる。iPhoneの開発言語はアクの強いObjective-Cだが、Androidは勝手知ったるJavaだ。iPhoneのアプリは承認が通らないと配布できないが、Androidは承認も何も無くても配布できる。iPhoneはOSのコードは公開されていないが、Androidはかなりの部分が公開されている。

しかし、ここまで開発者にとって、アドバンテージがありすぎる環境だけど、普通の人にAndroidのアドバンテージを説明するのは難しい。つまり、通勤電車の中でメールをデコメをプチプチ打ったり、学校の休み時間に「くりのっぺ」で遊んでいる人たちや、着うたやiPodを一日中聞いている人たちや、寝る前にケータイ小説を読み始めて思わず夜更かしをしてしまうような方々にとって、Androidのメリットは説明しにくい。iPhoneのように音楽コンテンツが強いわけでもなく、ガラパケータイのように無数に対応サイトがあるわけでもない。そう、すでに既存のケータイにコンテンツがあふれまくっているけど、Androidはそこまであふれまくっていない。

ガラパゲータイでメシを食ってきた人間として、androidの不安なところはその点だったりする。技術としてはandroidはむちゃくちゃ面白いけれど、メシが食えるケータイかどうかはぼくはまだ、未知数だと思っている。

開発者にやさしいからと言うだけでプラットフォームがコンシューマに普及するかどうかはわからない。ぼくらはコンシューマで普及しなかった開発者に優しい優しいプラットフォームをいくつか知っている。Linuxとかね。

だからこそ、日本の無料イベントでAndroidを1500人に配ったのかもしれない。iPhone 3GSの発表の同日6/9という日付を狙ったのは、Apple信者をふるい落とすためなのかもしれない。それにしても、思い切ったサプライズだと思う。いくら使ったんだろう。

帰りにGoogleの上原氏が「いろいろ苦労したから、ヤフオクに売らないでねー。」と言っていた。ぞくっとした。ハイパー大企業のNTTグループのカタさはIT業界なら誰でも知っている。そんな中、ドコモの役員がプレゼンした直後にその製品のSIMロックフリー版を発売前にタダでばら撒くというのは、どんだけ交渉が大変だったか想像しがたいものがある。NECやパナソニックでそんな提案はまずありえない。それをやってしまうGoolgeもすごいと思うし、そんな仕事を任されたら担当者はキャベジンがいくらあっても足りないだろう。 

この開発者にケータイを無料で配るという戦略はぜひとも成功してほしいと切に思う。新しいプラットフォームが出るたびにタダで配るという商慣習が定着すれば、大きなお友達のサイフにもやさしいからね。

 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

CNET_ID

メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。