最終更新時刻:2009年11月7日(土) 10時00分
1

「はてな」がWeb制作を「ものづくり」と呼ぶことにかなり違和感を感じるのはなぜなんだろう?

公開日時:
2008/12/31 04:10
著者:
村上 福之

今回はあくまで、個人的な感情論です。ごめんなさい。

Web制作が「ものづくり」と言われると、なにかくすぐったい違和感を感じる。なんでなんだろう?

Webってさ、CPUにいっぱいつながった既製品のハードウェアと、安定した電源と、豊富なメモリとハードディスの上に乗っかって、安定したブートローダが起動したカーネルとドライバとネットワークレイヤーの上に乗っかって、ビデオチップや速度のことも考える必要もない完成された描画環境と、MSやモジラが作ったブラウザという超リッチなアプリケーションレイヤーのさらに上の、モノの世界を考えなくていい世界がWebなんですよね

つまり、ぼくの中でWebってゴツゴツした砂利の上に分厚い分厚いフカフカの布団を何枚も何枚も敷いて、その上で飛んだり跳ねたりさせて頂いていると思っているんですよね。所詮、ブラウザの上で動く、絵空事みたいに思うことがあります。

電圧も電流もギアもモーターも摩擦も電波も温度も何もない世界なんですよね。なんか、Webってモノ作っているよりも小説とかマンガを書いている感じに近い気がする。phpはポエムに近い。Perlは散文かもしれない。javaが小説みたい。

はてなさんは、自分らでサーバーもサービスも組み立てているから、ものづくりと呼んでいるのかもしれないけど、なんか。。。言葉で説明できないけれど、違和感を感じるのは、なぜなんだろう?サーバー構築もサービス構築も「ものづくり」なのかもしれないけど、何か違う。なんか、Webを「ものづくり」と言うと、本当にモノを作っていただいている方々や、この分厚い布団を作っていただいた方々から見て、何か違う気がするんですよね。

今の自社のWebソリューションとかって、「ものづくり」って思ったことがない。

一応、昔メーカーだったし、デジカメやSDカード関連のドライバやファームを書いていた時期が長く、電気担当やメカ担当から「ファームウェア開発なんかモノ作ってないよ」といわれた時期もあったから、そう思うのかもしれません。

何より、開発者から見たWebサービスと「ものづくり」の違いは「モノ」ってお客さんがカネ出して買って、お客さんの所有物になって、家においてもらうのが大きい気がします

モノって作った機能で原価も売価も変わるんですよ。抵抗やコンデンサ一個増やすだけで直材原価が変わる世界なんですよ。モノはカメラや液晶の画素数でもダイオード一個でも値段が変わる。そして、その値段のカネをお客さんが払うんですよ。Webはバーチャルなんで、トラフィックが変わらなければ開発コスト以外は変わらない。そして、多くが無料サービスなんですよね。

「モノ」の場合、お年玉をためたのか、バイト代から捻出したのか、彼氏から買ってもらったのか、ヨメさんからの少ない小遣いをヘソクリしたのか知らないけれど、お客さんの大切な大切な大切なお金を出して頂いて買うんですよね。特にデジカメとか、パソコンとか、ケータイとかって何万円もするじゃないですか。バグとかあったらブチ切れますよ。Webみたいに「リニューアルしますた」じゃ、すまないんですよ。バグで製造がライン止まったり、リワーク(泣)とか回収ですよ。

その緊張感の差はすごい大きい気がする。だから、Web業界にくらべてメーカーの上司はコワい人が多い。品質管理部のオッチャンたちに、むちゃくちゃ怒られて僕は鍛えられた。一方、Web業界は軽い。なんか、ユルい。バグを出しても「あー、直しといて」という感じ。今はこっちに慣れてしまった。

いちばん違うのは、作ったモノが完全にお客さんの所有物になって、家の中におかれて、お客さんの生活の風景の一部になるんですよね。「モノ」だから。忘れられて机の奥にしまわれる「モノ」と、2度とログインされないWebサービスはなにか違う気がするんですよね。「モノ」はもうお客さんの「モノ」だからサービスを終了することもできない。Webはなんか都合が悪くなったらクローズできるのね。

一番分かりやすい例が、MacWorldのプレゼンだと思います。ジョブズがiTunesの新機能や新しいApple StoreのWebサイトの説明をしてるときは「早く次の話題になって欲しい」と思うけど、iPhoneやMacBook Airの話になるとすごくワクワクします。なぜワクワクするのかというと、後者は「ものづくり」だからです。...たぶん。

もう一度いいますけど、モノってお客さんがカネ出して買って家に置いてもらうのが大きい気がします。サーバー上の無料サービスを「ものづくり」って言われるとなんかモゾモゾする。それは、ぼくだけかもしれません。

09/01/07 追記

なんか、はてなのエラい人まで見ていてへこんだ。ぼくの感情論ブログなんか読む価値ないです。こういう考え方を持つようになったのは、以前、京友禅eeePCを作っていただいた林先生と「ものづくり」について話していたとき、「今の村上さんの仕事は、物作ってないですよね。」といわれたとき、すごい衝撃を受けたからです。多分、世間一般の人はWeb作っている人をモノ作っていると思ってないのかもしれません。

--------------------

09/01/01追記
以下、コメントより。

>「はてな」はおかしいいい気になってる

そうは思わないです。個人的には好きな会社ですね。

>ハードウェアも電源切れば終了だけど、形があるよね

ソフトウェア開発でも「ものづくり」っぽく感じるものも多いんですよね。OSとかドライバとか。あと、ゲームもなんかものづくりっぽい。けど、Webは「ものづくり」といわれると、なんかモゾモゾする。

>これからはものづくりにおけるソフトの重みは増していくはず。

そのとおりです。最近のメーカのデジタルデバイスの開発はソフト中心です。ただ、おっしゃるようにOS開発とかゲーム開発とかドライバ開発は「ものづくり」といわれてもしっくりきますが、Webは「ものづくり」と言われるとモゾモゾしてしまう。ぼくは、その境界は「CPUやメモリの限界と戦うことがあるか、ないか」だと思ってます。CPUとメモリはモノですから、それと戦う開発は、まだ「ものづくり」っぽい。CPUやメモリなどのハードウェアの物理世界の限界に接する機会が少ないと「ものづくり」っぽく見えないような気がします。設定ファイルやフレームワークの限界と戦っているだけなのは、なんかモノっぽくない。まぁ、どうでもいいオレ的主観論ですけど。すいません。

>

力の限り、同意です。

>ものづくりの範囲が狭いだけで、自分の言葉の定義に沿っていない
>だけだと思う。僕の感覚では「ものづくり」には小説や漫画をかくことも含まれる。 

たしかに、ぼくの範囲が狭いんでしょうね。。。orz。。。まぁ、人それぞれですよねぇ。なんか創作物とものづくりの境界線がぐにゅぐにゅしてきますね。

 09/01/03 21:26 追記

>とにかく結果を出せない「はてな」の役目は終わった
もし売り上げを結果と見るのなら、以下のURLで広告の売れ行き状況とか見れますです。
http://hatenasales.g.hatena.ne.jp/filelist?word=%E3%81%AF%E3%81%A6%E3%81%AA%E5%BA%83%E5%91%8A%E7%A9%BA%E3%81%8D%E6%9E%A0

>なぜ はてな は「ものづくり」じゃないのか?という論拠が
>「なんかモゾモゾする」
すんません。文頭に書いたようにただの感情論です。なんていうか「体操服のハーフパンツってセーラー服より露出が多いのに萌えないよね。」というのと同じくらい感情論です。

>はてなって成果出てるの?(笑)
広告の売り上げ状況に関しては↑のリンクで。
↓根拠のない株価の遷移は以下のエントリーがあてになるかどうか。。。
http://d.hatena.ne.jp/T-norf/20081031/HatenaCapital2

>だとしたら書籍化されて売られている小説は「ものづくり」
>なのかもしれない。オンライン小説は「ものづくり」ではなかったりして、、、。

ブログも問題発言するとすぐ消せるから、ものづくりではないのかもしれません。結構、魚拓とられるんですよね。。。

>それが一致しない以上水掛け論では。
感情論をなんか書いてみただけなので混乱させてしまったようで申し訳ないです。「ハーフパンツは萌えか?」とか「彼女がいるのに別の女性とお出かけするのは浮気か?」くらい水掛け論ですよねぇ。だから文頭に感情論と書かせていただきました。

>サービス上に見える情報が優れていれば、ビジュアルもUIもクソでも客はきますよね。
そうなんですよねぇ。アメブロは個人的にはすごいUIが使いにくいのにユーザーが多いんですよね。UIは「はてダ」やmixiやLDのほうが好きだなぁ。けど、寂しがりなので、アメブロでペタとアメンバーとかされるとうれしいんですよね...。

>ほとんどのソフトは「手に入るモノ」に対してよりもそういう利用価値に対してお金が払われているんです。

まあ、今はモノよりサービスなどの「利用価値」でカネを払う時代ですよね。松下の中村会長もよく言っておられました。

>ものづくりという概念とははてなはなじまないという説には直観的に納得できる

そうなんですよねぇ。根拠はないですけど「はてながものづくりっていわれてももなぁ」という話を聞いたので、なんとなく根拠もないけど、このブログのエントリーを書いてみたんですよね。プロパガンダかどうかはぼくには、難しくてよくわからないです。

>この前のヨドバシドットコムのリニューアルなんかがいい例というか悪い例。
なんかお金が動いてるサービスだと心配ですよね。無料サービスは検証がゆるいですね。まぁ、別に被害ないからいいと思うし、Webは検証うんぬんよりも、「勢い」の方が大事だと思ったりします。

 

LivdeDoor Clipより:
>僕もプログラムを「ものづくり」と呼ぶには若干違和感を感じるタイプ。でも、流石にある程度大きいサービスやってれば「もの」になるのかなぁ。金取ってるし。うん、ごめん。よくまとまらん。

 あー、たしかにそれは同意ですね。ある程度大きいとそう思うのかもしれません。けど、日本最強のWeb会社であるYahoo!が「ものづくりの会社です。」といわれると「違うだろ」って思ったりします。

 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

CNET_ID

メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。