メインフレームつまり大型汎用機が主だったころ、日本ではIBMに続いて富士通、日立、NECなどがこれと競った。なおNTTもDIPSという汎用機を持っていた。
当時は高額なハードで儲けるのが中心で、極端に言えばソフトはおまけ的な扱いだった。受注競争でこれに拍車がかかった。日本では、いまだにソフト軽視の傾向がある。
ユーザー企業のいうことを何でもきくという慣習もここで生じた。いわれた通りのカスタム・ソフト、仕様のあいまいさや変更に何とか対応する、といった悪しきpracticeである。
こうして、ユーザー企業を甘やかす+メインフレーム・ベンダーが主導権を得るという、一件矛盾した構造が出来上がった。甘やかされたユーザーは、ベンダーへの依存度を高め、ある種 言いなりになる傾向を強めた。おかしなものだが、相互に言いなりになり、非効率な情報システムと非合理的なビジネス慣習ができていったのである。
ユーザーの力の無さについては先(その1)に述べたが、SIer(システム・インテグレーター)とその業界の力を弱めることにもなった。
業界構造としては、メインフレーム・ベンダーのIFHNそしてNTTグループが圧倒的な市場シェアを持ち、これにNRIなど中堅企業数社が続き、それ以下は小規模な事業者が無数に存在するというTop5以降はfragmented(分散した)である。しかし、Top5も自社でサービスを完結することは難しく、多数の下請けを使っている。
Top5でも、上記のようなユーザーとの関係であり、顧客リレーションはあるが本質的なSIの実力では、ワールドクラスとは言えない。特に日系はインドなどオフショアの活用では遅れている。グローバル競争が加速する中で、チャレンジは大きい。
中堅クラスでも規模は十分ではなく、大型プロジェクト一つで企業の業績が左右されてしまう。となると、受注も難しくなる。あるSIerの友人が、「もっと早く業界再編が進むと思ったが、全然進まないねぇ。その間に収益性は低下を続けているのに。」と語っていた。規模で劣るクラスの企業も、手をこまねいているのか、抜本的な手を打つ企業はほとんどない。
IT戦略という面の課題も多い。弱いユーザーと言われたとおりのベンダーでは、戦略は成立しない。企業戦略からのITへの戦略的要請が示せないユーザーに対して、どうしても自社の論理でERPなどさもありなんというソリューション(こうなると解決策というより商品だが)提案となってしまう。
まさに日本の「アキレス腱」である。
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