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Bulkfeedsとギークコミュニティ

2004/11/24 06:47
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プロフィール

umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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[ゲスト] 宮川 達彦 Tatsuhiko Miyagawa
11月19日(金)〜11月25日(木)までの間、梅田望夫さんの代わりに宮川達彦さんがゲストブロガーとして登板します。

宮川さんのプロフィール:1977年9月神奈川県生まれ。東京大学理学部卒、2000年に株式会社オン・ザ・エッヂ(現 株式会社ライブドア)入社。2003年9月より執行役員Chief Technology Architectとして、Blogを中心とするWebサービステクノロジーのエバンジェリスト活動や社内WebアプリケーションフレームワークSledge(オープンソースで公開されている)の開発などの活動を行っている。PerlコミュニティではCPANモジュールの登録などを積極的に行っており、Shibuya Perl Mongersのリーダーとしてテクニカルトークなどのイベントを定期的に実施している。個人で運営しているWebサイトに、ニュースコンテンツのメール配信やRSSフィード配信を行うBulknews、RSSフィードの検索エンジンBulkfeedsなど。いくつかのBlogを運営しているが、メインはhttp://blog.bulknews.net/mt/

前回に引き続き、もう1つ実験的に運用しているサービスBulkfeedsについて紹介し、こうしたテクノロジー主導のサービスとギークコミュニティの関係について考察してみます。

RSS検索エンジンBulkfeeds

Bulkfeedsは、2003年10月から運用しているRSSの検索エンジンサービスです。Blogのブレイクスルーとともに、配信されるRSSの数が爆発的に増えたのは前回も書いたとおりですが、そうした情報の氾濫から自分にとって必要なものをうまく抽出するには、検索エンジンの存在が不可欠です。当時日本国内のRSSを検索あるいはディレクトリのような形で紹介しているサービスはいくつかありましたが、どれも自分の利用目的にはあわず、当時から英語圏向けに展開されていたSyndic8Feedsterのような検索サービスが必要だな、と感じていました。

Bulkfeedsは国内のPingサーバや各BlogホスティングサービスからRSSの更新情報を収集し、独自のデータベースに保存し、それらの記事を時系列に検索することができるサービスです。12月からは記事の全文検索を開始し、日本国内のBlog検索エンジンとして(26日からゲストブログを担当する)伊藤直也さんのFeedBackとともに「ギークコミュニティ」ではちょっとした話題を集めることになりました。

Bulkfeedsの裏側

ここでBulkfeedsがどのようなシステムで運用されているか、簡単に紹介しておきましょう。BulkfeedsはいわゆるIntelアーキテクチャのハードウェア1台の上に、Apache,mod_perlそしてMySQLというソフトウェアを利用して実装されています。1日のページビューは約5万、RSSやJavaScriptを利用したフィードへのアクセス数は15万程度で、1台のハードウェアでダイナミックに配信する形としてはちょっと限界を迎えているかもしれません。様々なキャッシュなどのテクニックを利用してチューニングを施していますが、近々ハードウェアなども含めた増強についても計画しているところです。

ソフトウェアの実装には、スクリプティング言語であるPerlを利用しています。筆者がもっともなじみのある言語であることはもちろんですが、RSSやWebサービスのAPIに必要なライブラリが充実し、また言語そのものがそれなりに「枯れて」いるために、安定して運用できることも選択理由の1つです。

エッジなサービスとギークコミュニティ

Bulkfeedsの利用者はIPアドレスベースで5000から数万と予測できますが、こうしたユーザの獲得にはとくにプロモーション活動を行ったわけではありません。自分のBlogでサービス開始の告知を行い、またBlogやインスタントメッセンジャーを通して寄せられたフィードバックをもとに、サービスの拡張をして、それをまたBlogを介して告知する、といったスパイラルがそこにはありました。

Bulkfeedsで最も特徴的なサービスにSimilarity Searchというものがあります。技術的な詳細はここでは割愛しますが、BlogのテンプレートにちょっとしたJavaScriptコードをコピーすることで、自分のBlogエントリと似た内容のエントリに自動的にリンクを生成するというサービスです。このサービスを告知したエントリには170を越えるTrackbackが寄せられています。もちろん170という数字はそれ自体、それほど大きな数字ではないにしろ、この170個のエントリを掲載しているBlogの読者の数を考えれば、さらに倍々となって換算することができるわけです。

サービスとGeekとのポジティブスパイラル

このように、サービス自体はテクノロジーセントリックで、ある意味ニッチといえなくもない領域でも、それを「面白い」と感じるgeekのコミュニティにうまくアピールし、そこからのフィードバックがさらにポジティブなスパイラルを生み出す、というのはかなり有効な方法論ではないかなと思います。また、こうした方法であれば、巨大な企業の展開するサービスに、個人や小さな企業が、そのフットワークの速さも含めて対抗できるスペースがあるともいえるのではないでしょうか。

今回は私が個人で展開しているBulkfeedsを題材に紹介しましたが、海外では似た事例として、サーバサイドのRSSリーダを提供しているBloglinesがWebサービスAPIを公開することにより、クライアントサイドのRSSリーダを開発しているFeedDemonNetNewsWireといった小さな企業とアライアンスしています。また、RSS関連の検索サービスを提供しているFeedsterTechnoratiが、どちらもWebサービスAPIを公開し、そのAPIを利用した開発者向けコンテストを実施してギークコミュニティの関心を集めようとしているのも、こうした本質をよくわかっている事例として面白いのではないでしょうか。

今回は、テクノジー的にとがったサービスと、それを利用・プロモートする手助けとなるGeekコミュニティの関係について考察しました。最終回となる明日は、これをニッチでない大企業が行うために、今回のゲストブログのテーマでもある「アルファギーク」とどのように共存すべきかについて考察したいと思います。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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