最終更新時刻:2008年10月10日(金) 23時50分

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BulknewsとRSSの現在・未来

公開日時:
2004/11/22 08:21
著者:
umeda

[ゲスト] 宮川 達彦 Tatsuhiko Miyagawa
11月19日(金)〜11月25日(木)までの間、梅田望夫さんの代わりに宮川達彦さんがゲストブロガーとして登板します。

宮川さんのプロフィール:1977年9月神奈川県生まれ。東京大学理学部卒、2000年に株式会社オン・ザ・エッヂ(現 株式会社ライブドア)入社。2003年9月より執行役員Chief Technology Architectとして、Blogを中心とするWebサービステクノロジーのエバンジェリスト活動や社内WebアプリケーションフレームワークSledge(オープンソースで公開されている)の開発などの活動を行っている。PerlコミュニティではCPANモジュールの登録などを積極的に行っており、Shibuya Perl Mongersのリーダーとしてテクニカルトークなどのイベントを定期的に実施している。個人で運営しているWebサイトに、ニュースコンテンツのメール配信やRSSフィード配信を行うBulknews、RSSフィードの検索エンジンBulkfeedsなど。いくつかのBlogを運営しているが、メインはhttp://blog.bulknews.net/mt/

今日は私が実験的に運営しているRSS関連のサービスについて紹介し、その経験からみた視点で、RSSの現在形・そして今後の展望といったものを考察してみたいと思います。

BulknewsとRSSの魅力

まずは、私が個人で運営しているサービス、Bulknewsについて、経緯なども含めて簡単に紹介したいと思います。

Bulknewsは、2000年の9月から運営している「メタ・ニュースサイト」です。Web上にあるさまざまなジャンルのニュースサイトから新着ニュースを収集し、サイト上にリンクとして一覧表示、またユーザ登録すると新着記事をメールで通知するサイトとして運用を開始しました。その後、あるカンファレンスでRSSというXMLフォーマットの存在を知り、収集したサイトのRSSフィードを配信しはじめたのが2000年の12月です。当時RSSをクライアントサイドで読むためのソフトウェアはほとんど存在しておらず、CMSソフトウェアのphpNukeXOOPSの前身)や、Slashcodeなどを経由して、サイトに新着ニュースを貼り付けている人がぽつぽついる程度でした。

それから4年が経ち、このBlogをホストしているCNET Japanをはじめ、各社ニュースサイトがRSSの提供を開始しています。2003年末からのBlogのブレイクスルーと同時並行して、RSSというデータフォーマットがマーケットでも大きな存在感を持ってきたことは間違いないでしょう。実際、MicrosoftのLonghornや、AppleのSafari RSSと、オペレーティングシステム上の情報配信のプラットフォームとしても、RSSはそのスタンダードの地位を獲得しているようにも見えます。

オープンスタンダードとしてのRSS

米Yahoo!の提供するMy Yahoo!のベータ版では、RSSによるニュースフィードをマイページの新着ニュースソースとして追加できるようになっています。これは技術的には目新しいことはありませんが、これまで外部のサービスプロバイダからのニュース提供によってコンテンツの価値を高めてきた Yahoo! のような会社が、 RSS というオープンなデータフォーマットを My Yahoo! のコンテンツのオープンスタンダードの1つとして採用したというのは革命的であるという考え方もできるかと思います。

そして、コンテンツあるところに必ず広告の需要あり、ということで、RSS内への広告の挿入が最近はホットな話題としてとりあげられているようです。Yahoo! のリスティング広告を担当する Overture も、RSS フィードの加工サービスを提供している Feedburner と提携してRSS内への広告挿入の実験を開始したというニュースが報道されています。またコンテンツマッチング広告配信を提供するKanoodleは、すでにMoreover, FeedsterやTypePadとの提携を発表しています。このあたりの分野は当分の間、USでも日本でもアツい分野になるのではないでしょうか。

RSS = Really Simple Syndication

RSSを利用するメリットは、ユーザ・配信側ともさまざまにあげることができますが、技術的に考えた際にもっとも特徴的であるのはそのシンプルさではないかなと個人的には考えています。実はRSS には各種バージョンがあり、その略語も様々あるのですが、RSS 2.0 がその略として採用している "Really Simple Syndication" という言葉が、その性質を最もよく表わしています。実際、上述した通り2000年に私がこのRSSをはじめて知ったときには、「こんな単純なフォーマットで新着情報の伝達ができれば、どんなに面白いことか」と半分あきれつつも、興奮したことを覚えています。

もちろん、シンプルであるがゆえの問題点はいくつかあります。最近では、RSSを購読するユーザによるトラフィック占有の問題や、RSSを利用したBlog検索エンジンへのSPAM行為などが挙げられます。この問題については次回のBlogで扱う予定です。

RSS のアプリケーション: Podcasting

今回は、RSSのシンプルさを活かしたアプリケーションの例としてPodcastingを紹介したいと思います。PodcastingはiPod の Pod と Broadcasting の Castingをあわせた造語で、RSS 2.0 の仕様を策定した Dave Winer と、MTV の元VJである Adam Curry などが中心になって世に広めている仕組みです。Podcasting を利用すると、ブロガーたちは自分の考えていることや、気に入ったBGMなどを組み合わせたラジオ番組のような音声データを、Blogのエントリに添付ファイルとして作成することができます。そして、それらのPodcastingを購読しているユーザは、iPodderなどのソフトウェアを使って、自身の購読しているPodcastingの新着ファイルを、自動的にiPodに転送することができるわけです。

実は、これを実現する仕組みはそれほど難しいものではなく、RSS 2.0 の仕様に記載されている enclosure (添付ファイル)という規格を利用して、Blogのエントリに mp3 や AAC といった音声フォーマットを添付する、というだけのものです。RSSのファイルの中に enclosure で音声ファイルを見つけたらそれを iTunes/iPod に転送する、というだけの仕組みを "Podcasting" なんて名をつけて騒いでる、なんて思うのが普通なのかもしれません。ただ、これも RSS = Really Simple Syndication がもたらした一種の革命と考えることもできないでしょうか。ネットでラジオ放送のような番組をブロードキャストして、ユーザがiPodなどのハードウェアデバイスにダウンロードして転送して聴くとなれば、データを提供する側、ダウンロードする側にそれぞれ大きな敷居があったのは事実でしょう。これを RSS というシンプルなデータフォーマットの上に実装することで、誰もがその敷居をまたぐことがなく実現できたことは注目すべきことなのではないかな、という感じがします。

Bulknews の運用を開始した経緯から、RSSのもたらしたもの、そしてRSSが今後どのようにこの業界にインパクトを与える存在になるか、について考察してみました。次回は、私がもう1つ試験的に運営しているRSS関連のサービスBulkfeedsについての紹介と、そうしたカッティングエッジなサービスとギークコミュニティとの関係について考察してみます。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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