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20代をマネジメントに起用する米国球団

2004/10/25 09:00
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シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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10月はメジャーリーグのポストシーズン、日本シリーズと、野球ファンには大忙しの毎日である。

加えて、ライブドアだ、楽天だ、ソフトバンクだ、有線ブロードだと、ITやネットの人たちが急に野球の話をし始めている。心から野球を愛する人たちが真剣にやってくれているんならいいんだけれどなぁと、遠くから見ていて思う。

そんなわけで、今日は野球とITと球団経営とキャリアの接点みたいな軽いネタ。メジャーリーグの話ばっかりここのところ書いている個人ダイアリー(はてな)の方にこの話を書こうかとも思ったのだが、よく考えてみると本欄のほうに適しているかなという気がしたので、こちらで書く。

29歳でSan Francisco GiantsのCIOに

わがSan Francisco Giants(今年は最後の最後でポストシーズンに出られなかったけれど)の若きCIOの話である。

CIO Insight誌の記事が、San Francisco GiantsのCIO、Bill Schloughを取り上げている。

「Bill Schlough was named CIO of the San Francisco Giants at the tender age of 29. Five years later, he's helping his team lead the league in IT. If Schlough keeps it up, he might earn himself a spot in the Customer Loyalty Hall of Fame, too.」

Billは5年前、29歳のときにSan Francisco GiantsのCIOに就任した。

メジャーリーグは、マネジメントの若返りがものすごい勢いで進んでいる。

松井秀がいるから日本でも生中継されたボストン対ニューヨークのアリーグ優勝決定戦は話題になったと思うが、3連敗から奇跡の大逆転を演じたBoston Red SoxのGM、Theo Epsteinは弱冠30歳である。2年前、28歳でGMに就任したときにはその抜擢に皆驚いた。ただ、まぁ老舗球団のGMを20代でやるというのはアメリカでも尋常ではないキャリアだ。でも球団のCIOといえば、普通の若者にとっても、かなり等身大に近いキャリアになる。Bill Schloughはいま34歳。つまり30代前半の5年間、彼は老舗球団のIT化の責任者として仕事をしてきたわけだ。

この記事の彼のキャリアハイライトという部分を読むと、スポーツ経営が好きで好きで仕方ない人なんだな、と思う。

94年のワールドカップにかかわり、96年のアトランタ五輪にかかわり、98年にコンサルティング会社に入り、すぐに99年にSan Francisco GiantsのCIOになる。好きで好きで仕方ないことをしている人のキャリアっていうのは、羨ましく見える。

球団経営は若い人でもできる

たとえば読売ジャイアンツや阪神タイガースのCIOを20代でやるなんて、日本の年功序列社会からすれば考えにくい話だが、よくよく考えてみれば、球団経営のマネジメントスコープはそれほど広くなく、未経験でも何とかやっていけそうな、若い人にちょうどぴったりの仕事なんだ、ということがこの記事を読むとよくわかる。

「Schlough fields an IT division of eight who serve 150 full-time employees in three main areas within the Giants organization:

Operations (SBC Park itself, which also plays host to soccer, concerts and Monster Truck rallies during the off-season).

Baseball (the players, coaches and scouts, who rely, for example, on digital video to improve their hitting and pitching, or to assess promising talent).

Ticketing (ticket sales, as well as other aspects of customer service, including self-service kiosks that allow fans to print out their tickets before going through the park's old-fashioned turnstiles). 」

こういうタイプの仕事を、情熱を持った若い才能に思い切ってどんどん委譲するようになると、日本もぐんと活力が上がってくる。

球団がコンサルティング会社を雇う

記事の2ページ目からは彼のインタビューになる。

「どのようにしてこのCIO職についたのか」という質問に答えて、彼は、

「I was recruited by McKinsey & Co. They'd put together a study of how to grow the Giants from a $65 million company to $160 million over five years, and it included a CIO. They suggested the Giants create the position, and it was exactly what I was looking for.」

と語っているが、アメリカは、球団がMcKinseyなんか雇うんですねぇ。

San Francisco GiantsがMcKinseyを雇って、5年間で$65milから$160milに売り上げを伸ばすにはどうしたらいいかというスタディをやって、その提案にはCIO職を用意せよという話も含まれていて、その新しいポジションにぴったりおさまったというわけ。なかなかアメリカらしい組織と人の動きである。

この文章だけからはよくわからないが、前後の文脈からすると、彼は当時Booz Allenという別のコンサルティング会社に勤めていて、McKinseyのコンサルティングプロジェクト自身には関わっていないようだ。McKinseyがCIO職を球団に提案したあとに「人も探す」ことを引き受けて、そのプロセスでスポーツ好きのコンサルタントであるBillが、関係者のネットワークなどを拠り所に見出されていったのではないかと想像する。日本でも今、野球への新規参入ラッシュで、同じようなことが水面下でバタバタと起きているのかもしれませんね。

20代の未経験の若者でもできるマネジメント

ここから先、彼のインタビュー自身は実に「何てことのない」話が続く。興味のある人は読んでみてください。

その「何てことなさ」を感じてほしいと思うのである。

確かに世の中には、難しくて専門的で、相当の経験を積まなければできないようなマネジメントジョブも多い。

でも、実は20代の未経験の若者でもできる面白いマネジメントジョブは、想像以上に世の中に多いものなのだ。

そこを年功序列で埋めるから、会社の中で年は重ねたがもう情熱など磨耗してなくなってしまった人たちが、本来ならば面白くなるはずの仕事をどんどんつまらなくしている。そういうところを直すだけで、日本はぐんと楽しい場所になるはずなのである。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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