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Jobsの復帰とiPod決算、そしてWozniak

2004/10/19 09:13
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シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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7-9月期決算発表で業績好調なApple Computer。今日は少しApple関連の話をいくつか。

まずはJobsの近況についてだが、「Steve Jobsにイノベーションを聞く」でご紹介したBusinessWeek誌のJobsインタビューについては、その長文バージョンがアップされていた。やっぱりこれはJobsが癌の手術から帰還して、仕事に復帰したあとのインタビューだった。

「フルタイムで完全に復帰するのですか」という質問に、Jobsはこう答えている。

「Yes. That was one of the things that came out most clearly from this whole experience [with cancer]. I realized that I love my life. I really do. I've got the greatest family in the world, and I've got my work. And that's pretty much all I do. I don't socialize much or go to conferences. I love my family, and I love running Apple, and I love Pixar. And I get to do that. I'm very lucky.」

なかなかいい言葉だ。自分の人生・生活を愛していることを改めて認識したと彼は言い、他の余計なことはせずに、愛する家族と、愛するAppleとPixarの経営に専心していく、と語る。

改めて、Jobsの今後の健康と活躍を祈念したいと思う。

iPodの可能性が数字で示された決算

さて、Appleの業績発表については、Washington Post紙の「iMac, iPod, iConquered」(要登録)を読もう。これはWashington Post紙サイト「Filter」という欄の記事であるが、この「Filter」という欄は、新聞社としてはなかなか画期的な試みで、その日のIT関連のビッグニュースを全米各紙がどう取り上げているかを、リンクと引用とコメントをつけて解説しているものである。この記事の中で参照・リンクされているものは、USA Today、LA Times、Wall Street Journal、New York Post、San Jose Mercury News、San Francisco Chronicle、Washington Post(自紙の記事も他紙と同格の扱い)、Financial Times、Business Week(いま冒頭でご紹介した記事)である。

まぁだいたい業績発表に対して反射神経的に書かれた新聞記事はどこのものも大差ないので、共通部分と差分をまとめて読めるのはありがたい。共通部分の解説が冒頭にあり、それから各紙の差分が書かれるというスタイルだ。Google Newsもこのへんまで自動化するところまで踏み込んでくれるともっと便利になるのだろうが、逆に本当に技術がそこまでいくと、ただでも軋轢が生じている新聞社、ニュースソースとの関係はますます難しくなるのだろう。

さて、Appleの7-9月の業績発表のサプライズは、なんと言っても、「iPodが売れて売れて仕方ない、しかも儲かっている」ということが数字で現れたことだ。

「For Apple Computer, will 2004 be remembered as a transformative year?

Yes, according to The Wall Street Journal, which said the Cupertino, Calif.-based company's fourth-quarter earnings "show how the company continues to change from a traditional computer maker to a digital-entertainment company, with a particular focus in digital music." USA Today concluded that "Apple has clearly become more than a computer company," while industry analysts told The New York Times that "Apple was transforming itself from a computer company into a digital music and entertainment company."」

2004年はAppleにとって大変化、大転換と年として記憶されることになるだろうと、この記事では冒頭で各紙のAppleに対するワンフレーズでの賞賛を紹介している。コンピュータ・メーカーからデジタル・エンターテイメント・カンパニーへの大転換という意味だ。

Appleの事業におけるiPodの存在感

Appleの発表によれば、昨年(2003年)同時期に比べて台数ベースで6倍の201万6000台のiPodを、3カ月で売ったわけである。4-6月期の86万台から比べても倍以上の伸び。売り上げだって5億3700万ドル。つまり3カ月で600億円規模。また、

「Apple is selling more iPods than its venerable line of Macintosh computers. The company shipped 836,000 Mac units during the quarter, compared with 2 million iPods. Only 860,000 iPods were shipped in the company's third quarter. 」

同じ時期にMac(コンピュータ)が83万6000台だから、AppleにおけるiPodの存在感がもの凄いということである。このペースでいけば、通年でのiPod売り上げは、まもなく3000-4000億円、ひょっとするとそれ以上の規模になるだろう。

「ひとつのハードウェア商品カテゴリーを創出して数千億円規模のビジネスを作りたい、あわよくば創出したカテゴリーで寡占的地位を占めたい」というのは、日本の大手総合電機、エレクトロニクス・メーカー各社が切望してやまないことである。しかし、AppleがiPodを始めたときに、果たして誰がそんな大規模なハードウェア事業の誕生を予期したであろうか。大型既存カテゴリーの新商品ではなく、新しいカテゴリーを創出しようとする場合、どんなものでも始まりは小さい事業なのだ。このシンプルな原則を忘れてはならないというのが、iPodから得るべき教訓だと思う。巨大化した日本の大手企業は、生まれようとしている小さい事業をバカにしすぎる。「えっ、売り上げ50億円? 年ですか? 月じゃないの? そんな小さい事業はうちではできないねぇ、もっと大きな話をもってこい」なんて思っている幹部が多いから、新しいカテゴリーの創出がなかなかできないのである。

Steve Wozniakのインタビュー

さて、Apple関連で最後にもうひとつ。共同創業者Steve Wozniakのインタビュー(第一部第二部)が、IT Conversationsというサイトにアップされている。本欄ゲストとしておなじみの「Sotto Voce」村山尚武さんが、こんなふうに紹介している。

「今週末はITConversationsにあったアップルの共同創業者Steve Wozniack氏が今月頭に行った講演(第一部、第二部)を聞き込んでしまいました。電子工学好きの小学生時代から、ハッカーとしての成長、いたずらにあけくれた高校・大学生時代、そしてアップルの創業にまつわる話を2時間近くにわたり「Woz節」とでも言う早口の熱っぽい口調で楽しく語ってくれています。目先の課題を、自分との競争というオタク的モチベーションで片付けて行くうちに、気がつけばアップルを始めていた(その陰にはもちろん、「商売人」のジョブズがいたわけですが)元祖「ギーク」の話ですが、文系人間の私にでも十分理解できる、しかも平易な英語で語ってくれています。」

Tim O'Reillyの講演を本欄で3日にわたって解説してから約1カ月がたつが、IT Conversationsというのはあのときと同じサイトです。「このIT Conversationsというサイトは英語学習に最適だ」というトラックバックをいくつかいただいたように、この分野に興味のある人にとっては、IT Conversationsはとてもいい英語教材であると思う。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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