既に多くの報道によって周知の通り、公開直前はずいぶんバタバタしたが、ついにGoogleが株式公開を果たした。
Googleとしては不本意な「85ドル」での公開となったためもあってか、公開直後から「買い」となった。初日終値は100ドル33セントであった。
公開直前の状況を踏まえて、英Economist誌は「Google’s IPO rollercoaster」という記事を書いていた。
「After a series of mistakes and unforeseen problems, Google got its widely watched share offering back on track this week. But it has had to cut the price sharply, lopping more than $10 billion off the company's implied value. Were the internet-search firm's founders just a bit too greedy?」
というリード文の最後でgreedyという言葉を使っているが、Google創業者の強気に、関係者すべてが振り回され続けた異例のIPOプロセスだった。
公開価格引き下げの原因究明は時期尚早
Googleが目論んだ「135ドル」という公開価格から「85ドル」まで下がった理由については、
「It is too early to judge the exact cause of this sharp fall in Google’s apparent value. Was it the mishaps on the way to flotation? Was it the recent weakness of dotcom shares in general? (The Nasdaq is down by almost 15% from its high in January.) Was it that Google’s innovative Dutch auction process—where investors who bid at or above the market-clearing price pay that price—was simply the wrong mechanism? (Certainly Wall Street’s bankers, who earn fat fees on more traditional flotations, would like to think so.) Or was it simply that, at up to $135 a share, Google was outrageously overpriced?」
それが単純に不運だったのか、ネット企業の株全体が最近下がっているからなのか、Googleが採用したダッチ・オークション・システムが問題だったのか、135ドルという価格予想がただ単に高すぎたのか、その判断は時期尚早として、この記事では留保している。この公開プロセスで関係者の間でどんな議論が行われて、何が争点になったのかということもだいたい想像がつくし、断片的な情報は僕のところにあれこれと入ってもくるが、しばらく時がたったところでいずれ総括したいと思う。
消えない資本構造に対する違和感
Googleは素晴らしい会社だと心から思うが、5月初旬に本欄で強く批判したGoogleの唯我独尊的経営思想、公開後も創業者だけが十倍の議決権を有する特別株式を持つ資本構造に対する違和感は全く消えていない。David Courseyが「Google: Pull the IPO and Start Over」の中で、
「The Google IPO, if successful, will create the worst kind of company, a quasi-public entity in which the founders shares have a 10-to-1 per share voting advantage over the shares you and I could own. That's wrong and is the sort of corporate governance we've come to associate with scandal-plagued companies like Adelphia. If Google wants to be a public company, it should be just that--and that means a share is a share, no matter who owns it.」
と今頃になって書いているが、Googleの2人の創業者は、これまでに公開したあまたのベンチャー創業者たちとは全く違う扱いを受けて公開したのだ(無理を通したと言うべきだろう)ということは記憶しておいたほうがいいし、公開企業Googleのこれからを考えていくときに、この要素は非常に重要だと僕は相変わらず考えている。それは、世界中から集まってきた「若くて飛び切り優秀な連中の生き様」の素晴らしさと、それとは裏腹の脆さや嫌らしさを、シリコンバレーで日々見続けている者としての直感ゆえだ。彼らが万能感を持ったときの姿は、美しくもあり醜くもある。
以上が、Google公開に際しての簡単な感想である。
また、85ドルであれ、135ドルであれ、100ドル33セントであれ、Googleの現時点での株価は、IT産業全体の中でGoogleが将来ものすごく大きな位置づけとなることを先取りしてついている価格だから、公開の熱気が少し冷めたところで、Googleの将来についてのきちんとした論考が出てくるのを待ちたいと思う。
長期的な視点のGoogle記事
今日は忙しくてあまり時間がないので詳述しないが、公開にまつわるあれこれではない少し長期的な視点でGoogleについて書かれた最近のものとしては、New York TimesのJohn Markoff「So Google Is Almost Public. Now Comes the Hard Part.」と、Tech Central Stationの「Remote Control」を参考文献として掲げておきたいと思うので、ぜひ読んでみてください。
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