最終更新時刻:2008年10月10日(金) 23時50分

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ビジネススクールの立場からの大学技術事業化支援

公開日時:
2004/05/28 09:24
著者:
umeda
[ゲスト] 岡田正大 Masahiro Okada
5月24日(月)〜5月28日(金)までの間、梅田望夫さんの代わりに慶應ビジネススクール助教授の岡田正大さんがゲストブロガーとして登板します。岡田さんのプロフィールについてはこちらをご覧ください。

 私のゲストブログも今日で最終回だ。たった5日だったにもかかわらず、毎日エントリーし続けることがいかに大変か、ということを思い知った。毎日いかにバラエティに富んだものにするかということと、日頃の文章スタイルよりも敢えて一歩踏み込んで、賛否両論を惹起するような書き方をしようと試みたが、慣れないことはするものではない。意図した通りにはとてもいかなかった。

 最後ということで、私の本業に近いところでエントリーをしようとかねてから考えていた。私の専門分野である「企業戦略論」か、もしくは現在取り組んでいる「ビジネススクールの立場からの大学技術事業化支援」のどちらか迷っていたのだが、前者についてはバーニーのテキストやこれから出るであろう自著を読んでいただくとして、情報発信の機会の少ない大学技術事業化のテーマで最後のエントリーとしよう。

 私が大学技術のテーマに取り組むきっかけとなったのは、博士論文で大学技術の事業化モード(既存企業へのライセンシングか、研究者自身による起業か)を題材に、複数の企業戦略理論の実証を試みたことによる。

 各理論に基づく仮説を構築してウェブ上に調査票を作成し、電子メールで全米の大学研究者(特許発明者)にウェブ上の調査票にアクセスして答えてくれるよう依頼した。大学の情報システム部門で、この手のウェブベースの調査票設計と自動集計サービスを研究者に無償で提供してくれていた。この研究の重点は各戦略理論の妥当性の検証にあったのだが、たまたまその題材として大学技術の事業化を扱ったことから、大学による技術移転活動への関心を深めることになった。

学習の機会とマーケティングの補完

 日本へ帰国して後も、何かの機会で技術移転活動に携わろうと考えていたので、専門科目の一部として大学技術の事業化戦略を策定するプロジェクトを開始し、その一環として慶應の知的資産センター(IPC)との協働が始まった。IPCで特許化した大学技術の事業化案を3カ月間で作成するのである。ビジネススクールにとっては、生きた技術の実際を見ながらその事業化戦略を考えるという、またとない学習機会になるし、大学技術事業化の観点からは不足しがちな技術マーケティング機能、事業化戦略立案機能をいくらかでも補填できる。

 その後、理工学部の研究室と直接協働したり、SFC Incubation Village(SIV。代表国領二郎教授)経由で大学発ベンチャーを紹介してもらい、そこへの戦略提案を行なうなど、協働の輪が拡大してきている。さらに、既存企業の胸を借り、戦略立案の演習をさせていただくというプロジェクトも4年前から続行中である。こうしたプロジェクトだけで単位の取得が可能な「経営プロジェクト」というコースも新設された。将来の資金面からの支援サービスも視野に入れ、現役MBA学生たちやSIVのスタッフと議論を開始した。今後も理論と実践をバランスよく学べる環境作りを進めていくつもりだ。

 また、昨年度からは理工学部修士課程の学生に対し、各領域(生産、戦略、組織、マーケティング)のビジネススクールの教員が参画して、経営戦略と起業プロセスの実体験講座も開始した。理工系の学生に対し、ハイリスク・ハイリターンのキャリアに挑戦するための知識と気概を少しでも持ってもらおうという狙いである。幸いにも履修者数は開始した昨年度の20名から今年は150名超と、関心の高さをうかがわせる。

 最後のエントリーは私の活動報告のようになってしまった。今回のゲストブログは本当に貴重な体験だった。いつか私も自分のBlogを持ってみたいと思う。技術的にそれが容易なことは分かっている。だが、相当の覚悟がないと始められないな、というのも本音である。

 今回貴重な機会を与えていただいた梅田さん、山岸編集長、そしてトラックバックやコメントをいただいた皆様に感謝します。ではまたどこかでお目にかかりましょう。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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