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CNET Japan ブログ

Google Newsに対抗するTopix.net

2004/03/19 09:28
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シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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先週月曜日に正式にローンチしたTopix.netは、なかなかよくできていると思った。Google News対抗のニュース・アグリゲーション・サイトである。Topix.netのキャッチフレーズは、「Pick your topix, get the news」というわけで、テーマ別にニュースが自動編集されるところが売りである。

「One site, 3,600 sources, complete coverage for over 150,000 topix」(Topix.net)

「Search and browse 4,500 news sources updated continuously.」(Google News)

は、それぞれのサイトのトップページに書かれているサマリー。今の時点での情報ソースの量は3600対4500と、若干Google Newsのほうが多いが、ここは囲い込みようがないから、おいおい同じになっていくだろう。第1のポイントは、Topix.netが、Googleがやっていないテーマ別分類にフォーカスして、予め用意した15万のトピックスごとに、ニュースを自動編集してくれるところである。第2のポイントは、アメリカならではの部分かもしれないが、地域単位でのニュース・アグリゲーションである(郵便番号ごとにニュースが自動生成される)。

15万分野に渡る自動編集フィルター

A Whole Lot of Topix」が、

「Topix.net offers 150,000 pages of highly categorized content as opposed to news.google's eight」

と表現する「15万ページ対8ページ」の違いとは、Topixが15万テーマ分だけ異なるページが自動編集されるのに対して、Google Newsが予め用意しているカテゴリーは「Top Stories」「World」「U.S.」「Business」「Sci/Tech」「Sports」「Entertainment」「Health」の8つだけだという意味である。Topix.netのほうも、トップページのいちばん上には、大カテゴリーとして、「Front」「Local」「Business」「US/World」「Health」「Sci/tech」「Life」「Entertainment」「Sports」「Offbeat」という10個の分類があるから、見た目は変わらないのだが、そこからが違う。

たとえばBusinessのセクションにいくと、左側に、インダストリーの一覧表が出てくる。数えてみると113個ある。ホットなところでは、Search engines, social softwareなんてのから、ConsultingやらFood ScienceやらFurnitureまで、かなり細かく網羅されて、それぞれのテーマをクリックすると、「Search engines industry news」、「Social software industry news」、「Consulting industry news」、「Food Science industry news」、「Furniture industry news」といったページが出てくるという仕組みになっている。

また、トップページの右側には、話題の人物一覧、話題の会社一覧もあり、予めたくさんの人名や会社名も用意され、クリックするだけで、マーサ・スチュワート・ニュースやら、トヨタ・ニュースやらができあがる。

またたとえば、「Sci/tech」の下のトピック一覧からは、「数学のニュース」やら、「天文学のニュース」やら、「人類学のニュース」やら、「そういう切り口が用意されているのなら見てみようか」という気にさせるたくさんのニッチ・キーワードで、ニュースが自動編集される。ユーザ・インタフェースもなかなかよくできている気がするので、興味のある方はぜひお試しください。トピックを見ていくと、思わぬテーマに自分が関心を持っていることがわかったりして、面白い。細分化されたカテゴリーニュースの利便性はけっこう高いような気がするのだ。

AI技術を活用

技術的には、「Topix.net Takes Local Search A Step Further」の

「Furthering the user experience, the topical news pages are conveniently sorted into categories through an intuitive Artificial Intelligence (AI) engine that determines where each story belongs. This patent-pending categorization engine operates at a higher level than other sites’ search technologies, which are keyword-based.」

が簡潔にまとまっているが、このAI技術が本当はどれほどのものなのか、ちょっとサイトを見た限りではわからない。ここで圧倒的な差別化ができていないとすれば、似たようなサイトはすぐに真似して作れてしまうわけだが、実際のところはどうなのだろう。

「"We're connecting people to the most relevant news about their work, life and interests," said Rich Skrenta, chief executive officer of Topix.net. "With 150,000 micro-focused news pages, we connect advertisers with targeted audiences in a completely new way."」

と語る創業者兼CEOのRich Skrentaは、CNET Japanの「ウイルス誕生20周年、その歴史をふり返る」という記事にも写真入りで紹介されている。さらにネットをぶらぶらしていたら、ResourceShelfというBLOGで、Rich Skrentaのインタビューがみつかった。けっこう面白いことを話している。

「In 1998 we did a project called NewHoo, which was acquired by Netscape/AOL, and is now called the Open Directory Project (DMOZ.org).」

先週の川野さんのゲストブログ「世界に広がる人力分散システム」でも取り上げられていたOpen Directory Projectを、もともとはやっていた人なのですね。そういうところから「細分化されたカテゴリーニュース」という考え方がつながっているのだろう。

「The goal for Topix.net is to make a web page about everything -- every person, place, and thing in the world -- constantly machine-summarized from the Internet. Since the web can be a messy place, surfing a well-constructed encyclopedia based on live content from the web would be a win for users.」

最終的なゴールは、ウェブ上のすべてに対して、このAI技術を適用し、雑然としたウェブ世界をライブ・コンテンツの「well-constructed encyclopedia」に変身させることだ、と言う。

「Rather than starting with a full web crawl, which has 4 billion+ pages, we started with news, which has 4,000 sources, and is very dynamic and high quality content. We don't cover everything in the world yet, but we do have every place in the US, every sports team, music artist, movie personality, health condition, public company, business vertical, and many other topics.」

そして、その手はじめに、対象を全ウェブサイトではなく、ニュースソースにしたのだと。

「Expanding beyond the US to full worldwide coverage is something we'd like to do. We're also looking at adding personalization features to the site, and using our categorization technology to apply to content beyond just news.」

米国ニュースから世界のニュースへ、パーソナライゼーションへ、そしてニュース以外へ、というのが今後の機能拡張についてのプライオリティのようである。少し詳しい技術的な説明については原文をどうぞ。

Google Newsのその後は?

さて、そういえばTopix.netが競争を仕掛ける相手たるGoogle Newsは、そのスタート時からほとんど進歩していないよなぁ、と思う。Google Newsはもちろん便利だ。でも先行者の得を活かして徹底的にいいものにして競争者の追随を許さずに逃げ切ってしまおう、というような覇気が見えない。AlwaysOnが、Google創業者Sergey BrinのGoogle Newsについてのダボス会議での発言を拾っているが、ぜんぜん本気でやっている感じがうかがえない。

3月5日の本欄「IPOでGoogleはどう変わる?」では、Googleの20%自由研究ルールについて取り上げた。Google Newsも、話題のOrkut(ソーシャル・ネットワーキング)も、20%ルールの中から生まれた新規事業ネタである。いただいたトラックバック

「今の会社は、比較的自由研究を容認するカルチャーがあるようで、自由研究をやっても何も言われません。が、実際にその自由研究をビジネスに反映する際に色々と問題が伴います。例えばその自由研究の結果新規事業もしくは新規サービスを立ち上げたいとなると、初期投資が必要になる事が多々ありますが、基本的に新規投資コストというものが存在できません。ということは、最初に金がかかる事は駄目となります。これで、自由研究が無駄になる確率は50%くらいになります。どうも金を使うこと=悪という物凄い恒等式が存在しています。で、残りの50%は新規投資が必要ないものになりますが、自ずと将来的なビジネスボリュームは小さくなります。というか、ビジネスプランを立てて数年でどうこうという議論が存在しません。スポットスポットで一発勝負というのが逆に支持されます。(略) Googleも今はいい感じですが、これからどうなるか分かりません。」(「パンダを喰らう」)

で、こんな重要な指摘があったのだが、まさしくその通り。カネを大してかけずにできるところまでは、日本企業でもいろいろなトライアルが行なわれている。しかしその成果をもとに、しっかりとカネをかけて大きな事業に育てるところが難しい。ただそんな難しいことについての勝利の方程式は、実はGoogleにもないのだということが、Google Newsを見ているとよくわかるし、Orkutのこれから(あるいは、楽天のエンジニアがボランタリーに始めた日本版ソーシャルネットワーキング・Greeのこれから)についても、そんな観点からも注目してみたいと思う。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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