お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

IPOでGoogleはどう変わる?

2004/03/05 09:30
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
ブログ管理

最近のエントリー

Wired誌最新号(3月号)は、Googleの大特集「Googlemania!」である。本連載では、Googleについて昨年からたびたび取り上げてきたので、これまでに取り上げた内容とかなり重複するけれど、IPOを控えたGoogleの今を切り取る、という意味での総括としてはよくまとまっている。あと、遊び心がいろいろと入っているので、興味のある方は、読んでみるといいと思う。

GoogleのIPOに対する熱狂

メインの記事は、マイケル・マローンによる「Surviving IPO Fever」。

「Every few years, a rising superstar goes public in a blaze of headlines, speculation, and envy and in the process mints a few billionaires whose improbable success sways the next generation of risk-takers to jump off similar cliffs. In the most exceptional cases - Intel in '71, Apple in '80, Netscape in '95 - a hot IPO can even burn a hole in the zeitgeist, creating an entrance for a fresh batch of products, companies, and visionaries to spill out on society, changing it forever.」

とあるが、GoogleのIPOは、インテル(71)、アップル(80)、ネットスケープ(95)以上の大興奮を巻き起こすだろう。近づいてくるのがわかってくると、何だか少し怖い気がしてくるというのが、実感だ。GoogleのIPOからしばらく、シリコンバレーはどんな雰囲気になるのだろうかと。関係者はなおのことであろう。

ところで公開を間近にすると、企業経営は変貌を遂げる。

「Once a company registers with the SEC, business as usual ceases. The days of easy improvisation are over. The already overburdened and understaffed senior management team gets cut in half. Team A deals with underwriters and attorneys, revises the prospectus - vetting every word 50 times - and embarks on a grueling 20-city, five-continent road show. Team B hangs back to manage the unmanageable. "I was the guy who got to stay home," says Jeff Skoll, eBay's first employee and former president. "Even with all the management on hand, the company was growing too fast. Now it was absolute bedlam. An emergency would land on my desk, and before I could respond to it, another emergency would appear."」

このパラグラフは、SECにファイリングした瞬間から変貌していく雰囲気を、よく表している。

4 Scenarios for the Future of Google」は、遊び半分の記事だが、Googleは公開後、(1)ネットスケープみたいになる、(2)ヤフーみたいになる、(3)eBayみたいになる、(4)マイクロソフトみたいになる、の4つのシナリオがあるという。さて、読者の皆さんは、どのシナリオに賭けますか?

Google対マイクロソフト

Google vs. Gates」は、

「Every few years, a new rivalry emerges in the tech world - Apple and Microsoft, Netscape and Microsoft, Oracle and Microsoft. See the pattern? Now it's Google and Microsoft.」

産業界の新しいライバルとしてのGoogle対マイクロソフトのまとめ。これに関連しては、シアトル・タイムスの「Microsoft not ready to battle with Google」も合わせてご参照。そして、「It's an Ad, Ad, Ad, Ad World」は、サブタイトルが「Forget the search business. Today Google's all about advertising.」とあるように、Googleの広告ビジネスモデルの解説だ。昨日ご紹介したGoodpic「GoogleのAdSense広告戦略は、新市場型破壊による”イノベーションの解”か?」には、この文章の解説も含まれている。また、Googleのインタフェースを4人のデザイナーに自由にデザインさせる「"How Would You Redo the Google Interface?"」なんて企画もある。

Googleから新しいアイディアが生まれる秘密

さて、Google関係でちょっと面白かったのが、CEOのシュミットがつい最近やった2つの講演を、それぞれ聴いた人のBlog。1つはスタンフォードでの講演を聴いた「Sotto Voce」による報告。

「(Googleをはじめとして)イノベーションが大学から生まれるのは、”Young people who are too foolish to stop”(自分のアイディアを盲目的に追求する思慮の足りない若者)が大勢いるからだ」

というのが、シュミットの発言で気になった部分だったそうだ。

もう1つがUCバークレイでの講演。こちらは英語で書かれたメモ「The sayings of Chairman Schmidt: Eric Schmidt of Google on Orkut and other topics at Berkeley」なので、正直なところ全部の細かいニュアンスは僕にもよくわからなかった。ただ、まず笑ったのは、シュミットのジョーク交じりのこの発言。

「Google cares a lot about power and temperature. Google servers use more than 10 megawatts of power. Fires are a big problem. Sometimes I think that Google's fundamental mission is to move air from one server rack to another server rack. Running a data center is a lousy business. Every data center we have been in has gone bankrupt.」

の中の「Sometimes I think that Google's fundamental mission is to move air from one server rack to another server rack.」の部分。

ときどき、Googleの基本的ミッションは、サーバーラックからサーバーラックへ空気を入れ換えることじゃないか、と思うことがあるよ。

そして、もう1つは、話題沸騰・Googleが実験を開始したソーシャル・ネットワーキング・Orkutについてのこの発言。

「Orkut is an experiment by a 28 year old man named Orkut looking for a social life. My engineers are obsessed with it -- I don't see what it has to offer a married man in his 40's like me.」

うちの若いエンジニアは皆、取り付かれたようになっているけれど、40代で既婚の自分のような男にとっては、何の役に立つのかぜんぜんわからないよ。

さて、そのOrkutについて、Google創業者たちは、TEDコンファレンスでこう言っている。

Google Founders Keep 'Top 100' List of New Ideas」に詳しいが、Googleは、社員に、自分の20%の時間を自由に使って新しいことをさせていて、そこからOrkutが生まれたわけで、Orkutみたいなものはこれからもどんどん生まれてくるだろうと。

「Google's co-founders Larry Page and Sergey Brin, addressing a technology conference in Monterey, California, on Saturday, said they encourage their employees to pursue their own ideas and projects. The company tracks the results with an internal list known as the "Google Top 100," they said.

"For 20 percent of your time, if you're working at Google, you can do what you think is the best thing to do," Page, 31, said.

Google News and Orkut, a recently launched online social network, are two products to have emerged from the top 100 list, said Page, who was speaking at the TED conference, an acronym for technology, entertainment and design.」

この20%という部分は、「シリコンの谷は、いま」の上田ガクさんが語る

「僕の働いてきた会社では、メインのプロジェクト以外に常に自由研究的な課題を決めるように言われます。それは仕事に直接関係無くてよく、例えば僕の場合は、「インターネットで日記をつけるシステムが色々あるけれど、それの更新情報を集めてくる技術が面白そうなので、それを使った簡単なシステムを試作してみたい」というものにしています。もちろん、これは仕事時間中にやることで、たまに時間を取ってメインの仕事を中断して、その「自由研究」をやります。これも一応は仕事ですから、定期的に自由研究がどう進んでいるのかを話さなければいけません。「こういう発見があった」とか「こういう考え方が新しくて面白い」などとみんなに紹介したり、試作システムを社内で公開したりしなければなりません。この自由研究を全然やっていないと、評価の時に怒られてしまいます。真面目一辺倒ではダメなんです。」

の、「自由研究」というところに相当する。社員皆の「自由研究」が集積することで、新規事業ネタの「Google Top 100」ができている。勢いのある会社は違う。この雰囲気を、株式公開しても持続できるかどうかは、要注目である。

さて、来週(回数はまだ決めていないのだが)は、ゲストブロガー第2弾ということで、シリコンバレーの川野俊充さんに、フレッシュな視点でのBlogをお願いすることにした。彼の「Abacus::blog」によれば、最近サンフランシスコで開かれたギークたちが集う「CODECON」にも参加されたようで、次世代を担うシリコンバレーの若いギーク友達も多い人である。どうぞお楽しみに。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー

個人情報保護方針
利用規約
訂正
広告について
運営会社