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ネット企業には20年間目をつぶって投資できる?

2004/03/02 09:39
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シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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Fortune誌最新号で、テクノロジー株の投資信託(Mutual Fund)の話が出ていた。「Wee Web Wonders!」(米国版Fortune誌定期購読者限定)である。2002年初め、Barry Randallというファンド・マネージャーが、金持ちの投資家からの依頼で、「"forget about for 20 years."」、つまり20年間、ただ黙って目をつぶって持ち続ける銘柄を10個選んで、ポートフォリオに組んだ、という話だ。

頑強なビジネスモデルこそが永遠

さて、Barry Randallは、どういう基準を定めて、どの会社を選んだのか。

2002年初の依頼だから、20年といえば、2022年初である。何だか想像もできないほど先、という気がする。Barryがまず「"What is everlasting?"」(何が永遠なのだろう?) と自問したというが、そうだろうな、とうなずける。そしてその自問の末、

「And it wasn't a "patent portfolio," he concluded. "It wasn't management - it was basically a business model that was robust enough to withstand stupid managers or unexpected external events."」

パテントでもなくマネジメントでもなく、ビジネスモデルだ、という結論に達したという。長い歳月の中ではダメな経営者が登場する場合もあるだろうし、予期せぬ環境変化もあろう。でもそういうことにも耐えられるだけ頑強なビジネスモデルを持つ会社をこそ選ぼう、と彼は考えた。

ではその頑強なビジネスモデルって何?

結局、Barryは、オンライン・サービスを営むネット企業を選んだ。基準は3つ。

(1) Their inventory - mostly information - had to be gathered online

(2) Their customers had to need no other software than a browser to do business.

(3) Firms with growing revenues and positive operating cash flow.

選んだ会社の内訳は

そして、選ばれた10社のうち半分は、Amazon.com、eBay、Doubleclick、TMP Worldwide、Yahoo。よく知られている会社。

そして、あとの5社は、あまり知られていない公開企業。

1社目が@Road (NASDAQ NM:ARDI) である。時価総額約6億ドル。

2社目がConcur Technologies (NASDAQ NM:CNQR) である。時価総額約4億ドル。

3社目がCostar (NASDAQ NM:CSGP) である。時価総額約7億ドル。

4社目がTALX (NASDAQ NM:TALX) である。時価総額約3億ドル。

5社目がWebsense (NASDAQ NM:WBSN) である。時価総額約6億ドル。

新興5社のビジネスモデルの特徴

それぞれの会社のYahoo FinanceでのBusiness Summaryでのさわりを、5社続けて引用してみることにしよう。

@Roadは、

「At Road, Inc. integrates global positioning system (GPS) technology, wireless communications, transaction processing, software applications and the Internet to enable companies to efficiently manage their mobile workers with location-relevant and time-sensitive information.」

Concur Technologiesは、

「Concur Technologies, Inc. is a provider of corporate expense management solutions. Its solutions are designed to automate and streamline business processes, reduce operating costs, improve internal controls and allow businesses to apply greater intelligence to their spending patterns.」

Costar Groupは、

「CoStar Group, Inc. is a provider of information services to the commercial real estate industry in the United States and United Kingdom. The Company has created a comprehensive, proprietary database of commercial real estate information on 50 United States markets, as well as London and the United Kingdom. Its online commercial real estate information services includes a leasing marketplace, a selling marketplace, sales comparable information, data hosting for clients' Websites, decision support, contact management, tenant information, property data integration, property marketing and industry news.」

TALXは、

「TALX Corporation provides services that enable both large and mid-size corporations, as well as government agencies, to outsource the performance of business processes that would otherwise be performed by their own human resources or payroll departments.」

そして、Websenseは、

「Websense, Inc. provides employee Internet management (EIM) products that enable businesses to analyze, report and manage how their employees use computing resources at work, including Internet access.」

である。

この5社に共通するのは、顧客企業の特定機能のアウトソーシングに特化していること。そして皆、顧客ベースを広げることで、当該領域の情報が自己増殖的に集まる仕組みを作ってビジネスに仕立て上げている企業である。これがBarryの定義した「頑強なビジネスモデル」ということなのだろう。

興味のある方は、全部、公開企業なので、ネット上で情報には不足しないでしょうから、お調べください。

あなたならどの会社を選びますか?

さて、今日、この記事をご紹介したのは、読者の皆さんに、同じような思考実験をしてみたらどうか、と提案したかったから。

公開企業(主として日本企業、もちろん世界中の企業から選んだっていい)の中から、「20年間、ただ黙って目をつぶって持ち続ける会社を10社選んで、ポートフォリオに組んでみる」という思考実験を。そのとき、どんな基準で「20年間という永遠にも近い時間に耐えて成長する会社」を定義し、具体的にどの会社を選ぶのか。

うまく当たれば、今100万円投資したものが、20年後に100倍以上、つまり1億円以上になって戻ってくるなんてことだってあり得る。マイクロソフトで儲けた人は、必ずしもマイクロソフトに創業期から勤めてストックオプションをもらった人達ばかりではない。マイクロソフト公開の直後に株を買って、現在まで持ち続けた人の儲けも同じように大きい。ちなみにマイクロソフトの公開は1986年だから、まだ20年も経っていない。Googleの公開時時価総額を仮に1兆円になると仮定したとき、10社の中にGoogleを入れる人はどのくらいいるかな?

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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