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37セントでiTunesの曲を手に入れる方法(他3本)

2004/02/09 09:17
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プロフィール

umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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[ゲスト] 村山尚武 Naotake Murayama
2月2日(月)〜2月10日(火)までの間、梅田望夫さんの代わりに村山尚武さんがゲストブロガーとして登板します。村山さんはシリコンバレーのあるベンチャー企業でBusiness DevelopmentのDirectorを務められており、ご自身でも「Sotto Voce」というBlogを運営されています。村山さんの経歴についてはこちらをご覧下さい。

今日もまた、複数のトピックを取り上げる。

他人との対話の中で自分の方向性を探す

金曜日に書いた「Search Fund」の話、ちょっと補足をしておきたい。

このエントリに対し、会長日記さんからトラックバックを頂いた。w

「それにしても「Inc.500の起業者に飛び込みで会ってもらい、自分のアイディアを話すと共にアドバイスを貰う」という荒唐無稽にも思える行為を実行した村山氏のご友人には頭がさがる。」

前回ついつい書き漏らしてしまったが、付け加えておきたいのは、この友人、やったことは「荒唐無稽にも思える」が、飛び込みを始める前にかなり入念な準備をしているということである。

まず最初に自分の「起業家としての適性」をプロのキャリアコーチを雇い、評価してもらっている。「適性があるかないか」という評価ではなく、自分のそれまでの経験や人柄の中から、何をアピールする事によって投資家や他の起業家と話の接点を作り出すか、どういう弱みがあって、それをどうカバーするか、といった建設的なアドバイスを受けることによって「自分を売り込む」戦略を立てている。

加えて、Search Fundによる投資対象候補のありそうな業界をいくつか洗い出し、それぞれにつき業界分析を行い、「どういうビジネスが投資対象として魅力的か、その理由は何か、投資したあかつきにはどういうやり方で投資リターンを上げるか」という理論武装を行ってから個々の面談に臨んでいる。

後者については、友人本人には確認しなかったが、決してその分析で相手を「説得」しようとしたのではなく、自分がただ情熱だけで走っている人間でなく、論理的な思考ができる人間であることをアピールすると共に、謙虚にフィードバックを求めるという「対話」を通じて、自分のアイディアを磨くことと、自分の「ファン」になってくれるようなネットワークを築く、ということを可能にしたのではないだろうか。

こういうアプローチを採ったから(また、採るような人柄であったからこそ)、途中で出会った人に逆に「一緒にやろう」と言わしめたのだろう。

「ビジョナリー」として自分のすばらしいアイディアに人を惹き付け、説得し、率いて行くタイプの起業家もいれば、こうやって「未完成」の状態から始め、他人との「対話」を通じながらビジネスを築くタイプもいるのである。そういったタイプの違う起業形態に応じて、ベンチャーキャピタルやSearch Fundといった資金調達手段が存在するのである。

この他、頂いたトラックバックへの対応。

ペプシとiTunes Music Storeへのトラックバック

ペプシとiTunes Music Storeについて書いた 第4回目に対しては、3本のトラックバックを頂いた。

まず最初はNeonsWiredSymphonyさんからのトラックバック。 ゲストブロガー第1回目に対し頂いた トラックバックに対し、第4回目でお応えしたところ、それを受けてご自身のブログでさらに議論を発展させている。これはぜひ本文をお読みいただきたいが、こういったやりとり、ブロガーとしての醍醐味である。

次はこれまた「会長日記」さん。「アップルのブランド力をペプシが利用するのは自然」というご意見である。私がこのキャンペーンの経済的関係がその逆だと思っていたのは、いかなアップルのブランドとはいえ、iTunes Music Storeが「儲けの出ない(?)」ものであり、iPodの売り上げ増を図る手段であるのならば、iTunesの利用者拡大にペプシを利用するのかな、と思っていたからである。ペプシが自分の飲料の売り上げ増大にアップルを利用する、というのは何か感覚的に納得がいかない(一般の人が「iTunesからタダで曲がダウンロードできるからペプシを買おう」と思うかどうかが疑問)。

私自身、ペプシを買ってみて「あたり」があるかどうかを試してみようと思いつつ(3本に1本なので、確率は高そう)、ペプシを1本買うお金で1曲買えてしまうこともあり(しかも、「あたり」は3本に1本なので期待出費は3倍)、いまだに購入には結びついてはいない。そうなると、何本もまとめ買いする(一本あたりの単価が下がるので)人を狙ったキャンペーンなのだろうか。

37セントでiTunesの曲を手に入れる方法

また、「裏編集後記」さんは、「ネットショップとポイント制度」というタイトルでこのキャンペーン、そしてキャンペーンの仕掛けを「違った趣旨で活用」するTuneRecyclerの話から想起した「ポイント制度の落とし穴」について書かれている。

「集めたコード番号をiTunes Music Storeのヘビーユーザーに30%ほど安く売れるとしたら…?」

ソーシャルネットワーキングの回で紹介したOrkutへの招待がeBayで10ドルでオークションにかけられている(「10ドルくれたら、招待してあげる」というもの)、などという話もあるので(こちらでは2ドルで売る、と言っている)、自分では使わない「あたり」のボトルキャップを何個も集めてeBayで売る、という話は十分あり得る事である。

本当にやっている人が既にいるかな、と思いeBayで「iTunes、Pepsi」で検索をかけたところ、なんと、Legal Music Download for 37c iTunes/Pepsi」というオークションがあったではないか!(興味のある方は自分で検索してみてください)

すわ、と思い読んでみると、「キャップの安売り」とは全く違うものであったが、それはそれで驚くべきことが書いてあった。

ペプシ社のサイトにある、このキャンペーンの公式ルール集の中に「ペプシ飲料の購入なしに、ボトルキャップについている『クジ』を入手する方法」が書いてある、というのである。引用、リンクは控えさせていただくが、実際にチェックしてみると、確かにそういう一条項がある。

ペプシ社の指定された宛先に手紙を出すと、「クジ」とキャンペーンのルールブックを送ってくれるそうである(ただし、「数に限りがある」と断っている)。アメリカの普通郵便の切手代が37セントなので、運が良ければ37セントでiTunes Music Storeから1曲買えてしまうのである(なぜこんなルールがあるのかは不勉強でわからないが、おそらくこういうプロモーションに関する規制があるのだろう)。

もちろん、この「クジ」が「あたり」であるとはどこにも保証されていないので、このeBayのオークションは少々ミスリーディングであるが、出品した人も、これは「情報提供であって、入札はしないで下さい」と断っているので、お金目的というよりは、「1曲99セント払うぐらいなら、eBayでCDが丸ごと、もっと安く買える場合もある」という記述もあるので、音楽の有料ダウンロードサービスに対する反発に基づく行動なのかな、と推察する次第である。

しかしながら、eBayにこうした情報配信機能があったとは。私のような検索をかける物好きはあまりいないと思うので普及範囲は大した事がないだろうが、やり方次第によっては、何か社会的なメッセージを伝える場合、下手な掲示板より効果的なのではないだろうか?

トラックバックに対応しているうちに、思わぬところで新たな情報を仕入れ、しかもこうしてブログの材料を得る事ができた。例としての適否はともかく、これまたブログを通じた「対話」の賜物である。

ScobleのBlogはマイクロソフト社員の壁を超えるか

土曜日に、嬉しい発見があった。

ゲストブロガー第1回で紹介したマイクロソフトのRobert Scobleのブログ第2回の冒頭に書いたように「お休み」状態にあったが、今日からエントリが復活している。しかも、装いも新たに、本人の写真入りである。

まずは、「Welcome back」と言わせていただきたい。

復帰宣言のエントリを読むと、今後の自分のブロガーとしてのあり方について休暇中にいろいろなことを考えたそうである。

「First, I can't be the geek aggregator anymore. It was killing me. Too much posting and too little saying anything. So, I'll be more selective in what I post here and what I say.」

これは、「ギーク」世界で起きている事を広くあまねく見聞し、紹介するaggregator(人間「はてなアンテナ」みたいなものである)、という立場に疲弊しきっていたこと、紹介ばかりして自分の意見を書かなくなっていたこと(そんなことはないと思うが)に気づいたので、これからは紹介する情報も、意見も取捨選択したい、という所信表明である。

土曜日一日のエントリを見る限り、これまでとさほど変わっていないような印象を受けるが、今後どういう展開をするのかが楽しみである。

Scobleによる土曜日のエントリの中で、興味深かったのは第3回で取り上げたGoogleによるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)であるOrkutを利用しての感想である。これまで意見を表明したブロガー同様、かなり批判的なことを述べている。

批判の論点はいくつかあるのだが、その中で以下のコメントについて、強い共感を覚えた。

「 I wish there'd be a way to tell Orkut "I know this person." Then later I could tell it whether or not that person is a friend, or an acquaintance, or a business partner, etc.」

ここでのScobleの主張は、Orkutが、「知っている=友人」という大前提を置いてしまっている事に対する不満である。知人が皆友人であるとは限らないので、まず「私はこの人を知っている」ということを指定し、それからその関係の中身がどういうものであるか(友人、単なる知り合い、ビジネス上のパートナー、など)指定できるようにしてほしい、というのが彼の考えである。

これは、自分が先週水曜日に書いた「(SNSに価値を見いだすのが難しいのは)人的ネットワークを活用する際に本当に重要な情報である、「線」の性質(関係)を把握できていないからではないだろうか。」とほぼ同種の考えである、と言って良いと思う。

またScobleは、Orkutの改善案として、以下のような「過激な」提案までしている。

「Here's an even more radical idea. Why doesn't Google and Microsoft sit down at a table. Yes, I know, we're supposed to be bitter enemies. Let's get over that. Let's sit down. Have a few beers. And come up with social software that can share contacts with each other. Let's announce it in a joint press conference. Let's get over our own lock-in strategies. Let's work together on social software so that our customers can go back and forth between our systems.」

マイクロソフトとGoogleの間にあるとされる「敵対関係」を忘れ、ビールでも飲みながら話し合って、お互い「囲い込み」はやめ、ユーザーが自在に行ったり来たりできるようなサービスを一緒に創ろう、ということである。

こんなことが実現する可能性はあまりなさそうだし、本当に実現したら他のSNSサービスはそれこそ立場が無くなってしまうであろう。

これは想像だが、こういうアイディアを堂々と世に問うていることの背景には、新生Scobleがマイクロソフトの「擁護者」という立場を越え(もちろん同社の利益も考えているのだろうが)、より世の中を刺激し、ウェブ上で建設的な議論がなされるように仕向ける「触媒」を目指している、ということがあるのかもしれない。

もしこの想像があたっているとすると、つくづく「スゴい人」である。

Orkutについては、私自身、自分のブログに書いたように、ご招待をいただいたばかりでまだプロフィールも完全に入力しきれていない。LinkedInからデータのインポートができれば楽なのだが…(このへん、Scobleの主張とはまったく同感である)。

そういった状況なので、まだ利用体験について語る段階ではない。

明日はいよいよゲストブロガー最終回。早いものだ。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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