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CNET Japan ブログ

ソーシャルネットワーキング体験記

2004/01/29 09:12
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umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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LinkedInは、出会い系ではなくプロフェッショナルネットワークにフォーカスしたSocial Networkingのスタートアップ。セコイアが470万ドル投資してバックについてはいるが、まだまだアーリーステージのベンチャーである。

1月6日「ソーシャルネットワーキングがブレークするには」でもご紹介したように、LinkedInですぐ仕事が見つかったという有効事例が出たりする一方、ビジネスモデル全体に胡散臭さを感じる人も少なくない。賛否両論が渦巻いている状態と言えよう。

ケースで疑似体験

今日は、このLinkedInにはまっている人の話から。

NOTHING.BUT.NET | Social Networking, Link by Link

「These hot new businesses are known as “social networking” companies. They are Web sites and software companies whose goal is to let you leverage your network of relationships by discovering existing connections of which you may not be aware. In a Valley desperate for the “new new thing,” social networking has even been declared the next revolution.」

まずはSocial Networkingについての要約がこれ。

そしてこの記事のここから先がけっこう親切に書かれていて、読むとLinkedIn疑似体験ができるようになっている。

まず最初の段階は、

「A week ago, a former boss of mine telephoned. He is in the process of moving and wanted ideas for how to “get connected” in his new locale. I invited him to join LinkedIn and then suggested he search the system for venture capitalists in his new area. Sure enough, he found the names of three people who might be helpful, including one especially interesting venture capitalist.」(元上司から連絡有。彼は引っ越しの最中で、新しい場所でつながるためのアイデアを求めていた。私は彼をLinkedInにInviteし、彼にその場所に居るVCをシステムでサーチするように勧めた。彼は3人のVCを見つけた。)

LinkedInでは、登録されているすべての人(今はだいたい15万人くらい)を対象にしたサーチができるから、場所や職業でサーチして、ああこの人に会いたいな、というターゲットをまず定めることができる。そして次の段階に入る。

「Next, my former boss requested an introduction through the system. LinkedIn doesn’t allow users to cold contact each other; instead, they need to be referred through a chain of mutual contacts (with the aim of keeping down the spam and maintaining users’ privacy). So LinkedIn sent his request to me, and I forwarded it to the person LinkedIn told me was the next link in the chain to the venture capitalist. Two links later, the VC received my former boss’s request. A week later, they had lunch.」(元上司が、紹介を求めてきた。LinkedInは、知らない者同士がコールドコールで連絡を取り合うことを禁じている。よって、LinkedInは私に彼のリクエストを送ってきた。私は、VCにつながる鎖の次の人へ、そのリクエストをフォーワードした。2リンク先でVCはリクエストを受け取り、元上司はそのVCと1週間後にランチをとった。)

この記事の書き手が元上司をinviteしたわけだから、LinkedInシステムに登録した瞬間の元上司のLinkedIn上のダイレクトリンクは、この記事の書き手しか存在しない。よって書き手がまずは元上司の「VCに会いたい」というリクエストをendorse(承認)してやる必要があるわけだ。

「I don’t know the VC in question. In fact, I don’t even know who does. But I do know Ross, a very well-connected CEO of a start-up in Silicon Valley. LinkedIn knows that Ross and I know each other because we told the system so. Similarly, LinkedIn knows who else I know and who else Ross knows.」(私はそのVCを全く知らない。でも私はRossという顔の広いベンチャーのCEOをよく知っている。LinkedInはRossと私が知り合いであることを知っている。LinkedInは私が他に誰を知っているかも知っているし、Rossが他の誰を知っているかも知っている。)

というわけで、LinkedInの指示に従って、Rossを手がかりに、知人の知人をたどっていくことで、目的にたどりつこうとするのである。知人の知人がendorseしてくれなければ何も起こらないが、endorseしてくれれば、どんどんつながっていく。

「In short, by building these kinds of links, a social networking site such as LinkedIn creates a vast web of relationships that link each individual to thousands of others through three and four degrees of separation.」

LinkedInは、個々の人と、3リンクか4リンク先までの膨大な人々とを結びつける関係のウェブ(蜘蛛の巣)を作っているというわけだ。

そして、この書き手のLinkedIn事始めがこちら。

「In total, I’ve sent LinkedIn invitations to nearly 70 people. As of this writing, my direct network consists of 45 people. Through them, I’m connected to more than 15,000 individuals. Of those who were new to the system when they accepted my invitation, most have started slowly, with an average of two to five connections each. About one-fourth of those who were new have just one connection (me), suggesting that they’re not actively seeking to build their networks but are instead willing to let others find them (through me). On the other hand, one friend who seems to be seeking actively now has 15 connections in just a couple of weeks.」

まずは70人の知人にInvitationを送ったという。LinkedInのユーザにならないですか、と。そのうち45人がLinkedInのユーザになった。つまり書き手のダイレクトリンクになった。それらの人々を通して今、書き手は1万5000人の人とつながっている。Inviteされた新しいユーザの中には、義理で入った人も多いから、そういう人のダイレクトリンクが大きくなるのはゆっくりしたもの。だいたい2人から5人くらいしかコネクションが登録されない。45人のうち4分の1は、この書き手以外にリンクがない。つまり招待は受けたが、それっきりという人だ。でも2週間以内に15コネクションくらい作ったアクティブユーザもいる。何となくリアルな話である。

実際に使ってみた

さて百聞は一見にしかず。僕も実験してみることにした。

幸い、Pacifica Fundの同僚Tim Orenと、仕事仲間の渡辺千賀からInvitationが来ていたのを思い出して、そのInvitationを受けることにした。

これで、僕のダイレクトリンクは2人。

そしてJTPA仲間の2人(彼らはたぶん渡辺千賀からのInvitationに義理でOKと言っただけなので、彼らのダイレクトリンクは1か2の状態にあった)にInvitationを出し、ついでにCNET Japan山岸編集長がユーザ登録しているのを発見してInvitationを出してみた。Invitationを出した3人は、数時間のうちに皆、そのInvitationを受けてくれたので、僕のダイレクトリンクは5人になった。

Tim Orenと渡辺千賀の2人は、たぶん遊び半分・実験半分で、けっこうたくさんダイレクトリンクを張っていた。Tim Orenは24人へ。渡辺千賀は21人へ。他の3人は、言えば、義理ユーザ、休眠ユーザである。

さてそれだけで、僕の4 degree先までのネットワークは何人になったでしょう。

答え。3万3104人。

これだけの人へ、一応、何らかの形でつながりの経路ができたわけだ。たぶんその大半は、僕のダイレクトリンクの5人のうち、たくさんリンクを張っているTim Orenと渡辺千賀経由のものと考えられる。

数千人のネットワークが手に入るということの価値

自分がダイレクトリンクを張る人を、「まぁ、自分が頼めば、その先のリンクを紹介してくれるくらいには、自分との間にトラストがある人」だけに絞って登録すれば、2 degrees of separationまではかなり高い確率で到達できるだろう。そして、そのもう一つ先、つまり3 degrees of separation先にも、「あいつが言うなら」くらいのことをその先に居る人が思えば紹介してもらうことができるかもしれない。3 degrees of separation先までの総数は、LinkedIn事始めから比較的簡単に、数千のオーダーにまではいってしまうのではないかと考えられる。

それがどうした? と思う人もいるだろうし、凄い!、と思う人も居るだろう。読者の皆さんはどうだろう。

LinkedInは今のところ誰でも無償で登録できて何をしても無償。そこから、「ほぼすべてのユーザは無償で、ネットワークから目的を持って価値を引き出そうとするユーザに課金」というモデルに、ある時期が来たらスイッチしようと考えているようだ。課金モデルが本当にワークするほど、このネットワークにリアルの価値があるのか、というところが最大の疑問ではあるが、LinkedInは、ユーザ・インタフェースも機能も、そこそこよく考えられて作られていると思う。

LinkedInについては、渡辺千賀Blog「ネットワーク:LinkedIn」、「LinkedIn2」にも、その感想が書かれているので、そちらもご参照のうえ、ぜひ皆さんも軽く実験してみたら面白いと思いますよ。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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