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情報革命こそが次の十年を牽引する?

2003/12/04 10:10
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シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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サンタフェ研究所のブライアン・アーサーの久しぶり(だと思う)の論考「Why Tech Is Still the Future」がFortune誌に掲載された。この論考は、サブタイトルが

「It seems almost irresponsible to say so, in this sober post-bubble age. But the information revolution really is leading us into decades of prosperity. An essay by one of the country's foremost economic thinkers,」

となっているように、情報革命こそが次の十年を牽引すると、かなりオプティミスティックなトーンとなっている。

冒頭の部分のみ無償で読めるので、そこまでをたどっていこう。

以下の第一段落にエッセンスが凝縮されている。

「The strength of the American economy over the next 20 years depends largely on our ability to keep our productivity growing. And productivity grows when a large set of novel technologies changes business practices and creates new industries. Interest rates, deficits, Federal Reserve policies?those will all make a difference, of course, but they won't be the driving force. That force will be technology and its ability to transform the economy. It's too early for biotech and nanotech to transform anything?their time has not yet arrived. So the main hope for future economic golden eras remains that tarnished cluster of technologies we call information technology.」

1) 次の20年のアメリカ経済の強さは、生産性向上を続けられるかどうかにかかっている。

2) 生産性向上のカギは、新技術がビジネスプラクティスを変えて新産業を創出できるかどうかである。

3) 経済のドライビング・フォースは政策ではなく、技術と技術が経済を転換させる能力にある。

4) バイオとナノテクは時期尚早である。

5) 将来の黄金時代を築く希望は、IT産業なのである。

IT産業は本当に成熟化したのか

この文章の次に、ブライアン・アーサーも言及しているように、2003年という年は、IT産業が成熟してしまったのかどうか、ということが初めて広く議論された年であったように思う。僕も本連載では、このテーマをたびたび取り上げてきた。

「Does information technology still have the oomph to power the economy? Its critics tell us no?that the computer's days of greatness are over. "The IT buildout is much closer to its end than its beginning," says Nicholas G. Carr in a recent article in Harvard Business Review. "The opportunities for gaining IT-based advantage are already dwindling." And Oracle's Larry Ellison declares that the IT industry "is as large as it's going to be."」

議論が沸騰する遠因になったのは、オラクルのラリー・エリソンが繰り返しいろいろなところで「IT産業はもう成熟してしまったんだよ」と発言したことだったが、ハーバード・ビジネス・レビューに「IT Does not Matter」という論考が発表されたことが、議論沸騰の直接のきっかけとなった。

IT Does not Matter」は、リプリント(7ドル)がアマゾンで買えるが、著者Nicholas G. Carrのサイトに、きわめて簡単な要約がある。一言でいえばIT成熟論である。

「In this article, published in the May 2003 edition of the Harvard Business Review, I examine the evolution of information technology in business and show that it follows a pattern strikingly similar to that of earlier technologies like railroads and electric power. For a brief period, as they are being built into the infrastructure of commerce, these "infrastructural technologies," as I call them, open opportunities for forward-looking companies to gain strong competitive advantages. But as their availability increases and their cost decreases - as they become ubiquitous - they become commodity inputs. From a strategic standpoint, they become invisible; they no longer matter. Seeing IT in this light reveals important new imperatives for the corporate management of information technology. In brief, executives need to shift their attention from IT opportunities to IT risks - from offense to defense.」

この「IT Does not Matter」の要約を頭に入れた上で、

「If you see the digital revolution as the adoption of digital devices or the buildout of its Internet infrastructure, you would have to agree. But…」(もしあなたがデジタル革命をただのデジタルデバイス普及やインターネット・インフラ構築としか見ないのであれば、カーのIT成熟論に賛成するしかない。しかし・・・)

に続く、このブライアン・アーサーの「Why Tech Is Still the Future」全文を、ぜひ読んでみてください(編集部注:この記事はFortuneの購読者限定ですが、米国/カナダ以外のFortune購読者はオンラインサービスを利用できません。洋雑誌を扱っている書店などで紙の米国版をお買い求めになることをおすすめします)。

では僕はどうかと言えば、今年一年いろいろなことを考え続けてきた今、じつは、このブライアン・アーサーの論考の結論よりもさらに強く、IT革命のこれからに対して強気になるに至っている。強気というのは、景気が回復していまのIT産業のプレイヤーが単純に元気になるだろう、という意味ではない。まだ追求されていないITの可能性が次の十年でさらに究められていくに違いないという予感ゆえの強気なのであるが、特に来年以降のこれからの連載で、そのあたりも少しずつ議論していこうと思う。

今日はやや短いですが、ではまた。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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