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オープンソース現象の新たな可能性

2003/10/01 10:05
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シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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本欄6月10日「Googleの現代IT産業における意義を50代、60代の人に伝える」に続き、3カ月に1回書いている産経新聞「正論」欄9月19日付けで、新しいのを書きました。

オープンソース現象の新たな可能性」。

産経新聞社からは、僕の個人サイト・アーカイブへの原稿転載を許可してもらっているので、そちらにアップしました。

オープンソースを単にIT産業内のトピックととらえずに、その不思議さの本質として、2つの点に注目した。

1つは、「何か素晴らしい知的資産の種がネット上に無償で公開されると、世界中の知的リソースがその種の周囲に自発的に結び付くことがある」ということ。もう1つは、「モチベーションの高い優秀な才能が自発的に結びついた状態では、司令塔にあたる集権的リーダーシップが中央になくとも、解決すべき課題(たとえそれがどんな難題であれ)に関する情報が共有されるだけで、その課題が次々と解決されていくことがある」ということ。

1つ目の話と、本欄9月8日、9日に「無償公開で世界に広がるMITの授業」、「MITの試みはノーベル賞に値する?」でご紹介したMITのオープンコースウェアの思想とを結びつけ、2つ目の話と、本欄5月12日「天才社員が支えるGoogleのマネジメント手法」で書いたGoogleの組織原理の話を結びつけた。

やや強引だったかな。

この産経新聞「正論」は、「何だかよくわからないけれど最先端では変なことが起きているのだな」ということだけが一般の人に伝わればいいと思って書いているので、まあいいや。

MITのオープンコースウェアの気になる点

さて今日は、このMITのオープンコースウェアについて若干フォローしておきたい。

9月8日と9日は、Wired誌の「MIT Everyware」というオープンコースウェア礼賛記事をご紹介したこともあって、オープンコースウェアを美化しすぎたきらいがあったかもしれない。もちろん僕はこの試みが素晴らしいものだと思っているから、最初はそういうご紹介の仕方をしたのだが、今日は逆に、気になっている点を補足しておきたい。

実は、Slashdotの「MIT Everyware」への投稿群を読んでいたら、こんな意見があった。

「So far though, there are very very very few complete courses on OpenCourseWare.

When I say complete courses, I mean complete with lecture notes, assignments, readings, and most importantly the video of the actual class lectures.

Just having the lecture notes...basically just PDF's that outline very very briefly what was covered that day, isn't really the same as taking the course. (中略) I just wish they had more video lectures like Linear Algebra or 8.02 Electricity and Magnetism. But I also understand that it's a tremendous effort to get this all on Web...AND be totally free.」(by ScottGrant)

「OpenCourseWare is a lot of hype because it has the name "MIT" attached to it. I suggest anyone, especially the people currently posting about how great it is to get a system of education online, to click on the article description link and try browsing a few classes. Virtually every university has about the same content (basically just pdf slides of class lectures) in their class webpages, such as my power electronics class at the university of south carolina [sc.edu].

Now, there are a few courses in OpenCourseWare that have videos of lectures, more organized readings and problem sets...but they're very few. If every course was published in that format, then I'd be impressed.」(by TrekkieGod)

僕も全く同意見なのでここに引用したわけなのだが、最大の課題は、オープンコースウェアで公開されている授業の内容が、まだまだ大したことないということなのだ。

このくらいの内容であれば、TrekkieGod氏が指摘するように、他大学でもコースによってはもう既に公開されている。特にビデオ講義がものすごく少ない。ScottGrant氏が言うように、ビデオを全部撮ってアップするのは、ものすごく金と時間がかかるのはわかっているわけだが、MITもこれだけ大々的にオープンコースウェアをPromotionするならば、2000科目全部にわたって、ビデオも含めて、もっともっと充実した内容をアップせよ、と僕も思う。カネが足りないのならばもっと資金調達せよ、と思う。

もう1つの意見として面白かったのは、

「success depends on the emergence of online communities to support individual courses.

However I also think the success depends on improvement to the courses based on the community response.

Isn't this the philosophy all open-source, open-standard etc are based on?」(by stonebeat.org)

「それぞれのコースにオンラインコミュニティが生まれることが成功のカギ」というWired誌の議論に対して、「コミュニティのレスポンスをベースにコース自身の内容が改善されていくことこそが成功のカギではないか、それがオープンソース、オープン標準の哲学なのではないか」という意見。これも実に的を射た意見であると思う。

ただ、ウェブサイトというのは時間をかけてじっくりと進化していくものでもあるから、2006年から2007年にかけての完成まで、MITオープンコースウェアの今後の展開には注目し続けたいと思う。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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