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SolarisとJavaの神様ビル・ジョイが次に目指すものは?

2003/09/11 10:05
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シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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Sun MicrosystemsのBill JoyがSunを退社する。CNET Japanの速報記事には、

「Sunの関係者によると、48才になるJoyはじっくりと次の進路について考えているところで、特に明確な計画があるわけではないという。」

とある。これはSun側への取材による記事だが、Bill Joyはどうもベンチャーを起こすらしいと、皆が半分期待をこめて、あれこれと書いている。

Financial Timesの「Silicon Valley veteran eclipsed at Sun」では、

「On Tuesday Mr Joy told the FT he might launch a small start-up company with possible backing from John Doerr, a Sun director and venture capitalist.」

クライナーのJohn Doerrに資金を出させてベンチャーを起こすかもしれないと、FTの記者に話したという。

優秀で小さなチーム

Wall Street Journalの「Sun's Joy, Eminent Programmer And Co-Founder, Is Moving On」では、

「Mr. Joy said that he is inclined to work in the future with a smaller group of six to eight engineers, and that he has talked with venture capitalist John Doerr of Kleiner Perkins Caufield & Byers about potentially investing in a venture. But he also cited the possibility of working with an established company, such as search-directory Google Inc. or chip makers Intel Corp. and Advanced Micro Devices Inc. "I don't rule out doing something quickly if something spectacular comes along," he said.」

6人から8人の小さいエンジニアのグループで仕事をしたい。クライナーのJohn Doerrとベンチャーへの投資可能性について議論した。でも、GoogleやIntelやAMDのような大手と共同で何かをすることも選択肢の1つ。何かspectacular(素晴らしい)話があれば、それに乗る可能性もある、ということのようだ。

New York Times「Sun Microsystems' Co-Founder and Chief Scientist Resigns」で

「"I've always thought of Bill Joy as the finest computer scientist of his generation," said Eric E. Schmidt, chief executive of Google, who worked with Mr. Joy both as a fellow graduate student at Berkeley and as a technology executive at Sun.」

と引用されているように、GoogleのCEO、Eric SchmidtはBill JoyとはUCバークレイ時代からの長い長い付き合いだから、もう何か面白い構想について議論が進んでいるのかもしれない。

ところで、FTの記事とWSJの記事に共通するのは、「small」という単語。Johnの中では、間違いなくコアエンジニア6-8人からなるドリームチームのイメージができあがっているのだろう。Bill Joyがイメージしているのは、そのドリームチームで、何か新しいプロジェクトを興そうということなのではないかと思う。

ハイテク産業のプロジェクトにはベンチャーが一番

アメリカのハイテク産業において、何かプロジェクトを始めるとしたら、ベンチャーを興すのが色々な意味で最もわかりやすくて効率もいい、というのが常識である。

プロジェクトというのは、大企業の中でもできる。会社など作らなくても仲間たちと週末に集まって何かを作るのもプロジェクトだ。大学と共同で会社組織など用意せずに何かを始めたっていい。

しかし、そのプロジェクトを大きく成功させるためには、「失敗しても返さなくていい」資金をある程度以上集め、エンジニアだけでなくあらゆるタイプの人材を必要なタイミングで調達しなければならない。そしてリスクを取ってカネを出した人、人生のある時期を突っ込んで知恵を出した人や汗をかいた人皆に、納得感のあるルールのもとで、仮に成功した場合の報酬が分与されなければならない。そうしなければ新事業創造なんて大変なことの成功確率は上がらない。米国、特にシリコンバレーにおける30年強のベンチャー創生の歴史ゆえに、そういう意味での納得感あるルールを提供するインフラができあがってきた。だから、ベンチャーを興すのが色々な意味で最もわかりやすくて効率もいい、ということが常識になっているのだ。

だから、WSJ記事で「he is inclined to work in the future with a smaller group of six to eight engineers」、つまり少人数のグループと一緒に働きたい、という話から、いきなりベンチャーキャピタルの話になっても何の違和感もないのである。

Wired News「No Joy for Sun Microsystems」では、

「"I have decided the time is now right for me to move on to different challenges," said Joy in a statement.」

とある。その「Different challenges」とはどんな分野での新しいプロジェクトになるのであろうか。

次のプロジェクトは?

San Jose Mercury News「Sun Micro co-founder to leave」によれば、

「While Joy said he isn't in any hurry to launch a new venture, funding would not be a problem. Joy said that John Doerr, also of Kleiner Perkins and a member of Sun's board, would probably invest in a venture he started. "I think Scott would invest and I think Andy Bechtolsheim would invest," he said.

One area that concerns him is network security and the large number of viruses circulating the Internet.

"The Net is plagued with viruses and worms and unreliable software," Joy said. "I'd like to work out something . . . Windows has some enormous flaws in it."」

Bill Joyは新しいベンチャーを立ち上げるのを決して急いではいない。資金調達だって何の問題もない。John Doerrは投資するだろうし、SunのCEOのScott McNealyも、Sun共同創業者のAndy Bechtolsheim(ちなみにこの人はGoogleへのシードマネーをエンジェルとして投資した人)も投資するだろう。

領域としては、ネットワークセキュリティとネット上に溢れる膨大なウィルスをどうするか、というところがBill Joyの関心がいま強いところのようだ。「ウィンドウズには欠陥が多すぎる」という最後のコメントは、Sun魂の表出であろう。

「I'd like to work out something.」というBill Joyの言葉に大いに期待したいと思う。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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