最終更新時刻:2008年9月5日(金) 19時48分

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押さえておきたい注目トピックス

公開日時:
2003/07/31 10:05
著者:
umeda

今日は、IT産業界のちょっとした小ネタなどをまとめてご紹介しよう。

AlwaysOnが優れた企業を表彰

まずは、7月15日から17日にAlwaysOnが開催した「AO2003 Innovation Summit」で、GoogleとSalesforce.comとAppleのiTunesが、それぞれ以下の賞を獲得。

「AlwaysOn named Google the "Company of the Year" and the "Consumer Technology Company of the Year" at its AO2003 Innovation Summit at Stanford University last week. Salesforce.com won the AO "Business-to-Business Company of the Year" award, and Apple Computer won the "Top Innovation Award" for its new iTunes music service.」

極めて妥当な評価であるが、サプライズはなかった。

この「AO2003 Innovation Summit」に先駆けて6月末に発表された「AO100」というリストは、未公開有望企業トップ100社のリスト。内訳は、Business Software分野で45社、Connectivity分野で28社、Devices分野で14社、Media分野が6社、Web Service分野が7社となっている。GoogleはMedia分野。Salesforce.comはBusiness Software分野に分類されている。IT産業におけるIPO候補リストといってもよく、URLも付記されているので、資料としても有効。

AOL技術回帰の一方で、技術者出身の経営者が減る

AOLがMerrill LynchのCTOだったJohn McKinleyを「chief technology strategist」に迎えたことに関連して、Kevin WerbachがこんなBlogを書いている。技術を軽視してきたAOLが方針転換をしたのだという意見のあとが面白い。

「The Internet companies that have thrived while AOL faltered -- Microsoft, Amazon.com, eBay, Google -- have two things in commons. They are deeply technology-driven, but they see technology not as an end in itself but as a platform. Maybe I'm reading in too much, but this could be the direction AOL is going.」

AOLがつまづく一方で成功した企業として、Microsoft、Amazon.com、eBay、Googleを挙げ、この4社に共通するのは「deeply technology-driven」だが, 「they see technology not as an end in itself but as a platform」と総括。AOLもMcKinleyを雇ってその方向に向かうのではないかと分析している。

Hewlett-PackardのCEO、Carly Fiorinaのシリコンバレーでの講演会(7月21日、Churchill Club主催)に、1200人の聴衆が詰め掛けた。Fiorina人気は依然として衰えを見せていない。サンノゼマーキュリーニュースの記事「Fiorina optimistic despite slow recovery」からIT産業の景気動向についての発言を抜き出せば、

「We see signs of stability, pockets of growth, more optimism, but we don't yet see a sustained recovery.」

「Fiorina predicted that as technology recovers, the industry will grow at a rate of two times the rate of growth of the gross domestic product, not five times, as during the boom.」

となる。底は打ったが、急激な回復や、大きな成長は望めず、これからも予断を許さないという状況が続くということであろう。

Forbes誌の記事「How To Run A $72 Billion Business」では、

「One more sign that Hewlett-Packard's Chief Executive Carly Fiorina is right about Silicon Valley going through a historic maturation: When Paul Otellini takes over as chief executive at Intel next year, there won't be a single engineer in charge of a major Valley company. Fiorina and Otellini both hold master's degrees in business, as does Sun Microsystems' Scott McNealy. Over at Cisco Systems, John Chambers has a sales background; and while Oracle's Larry Ellison started out programming, he's more of an entrepreneur than a techie. To the north, even Microsoft (nasdaq: MSFT - news - people ) is run by Steve Ballmer, who cut his teeth in marketing at Procter & Gamble (nyse: PG - news - people ). Just like in the oil business, or in Detroit decades ago, the professional managers have arrived, pushing out the wildcatters and the tinkerers.」

Intelがおそらく来年、Paul OtelliniがCEOとなるだろうから、シリコンバレーにはテッキーをトップとする大会社はもうなくなる。MicrosoftだってBallmerにトップ交代してかなりの歳月がたつ。これはIT産業成熟の象徴だとForbes誌は言う。

MSのお金の使い道は?

Microsoftは莫大なキャッシュをどう使うべきか。そんな議論も盛り上がっているが、David Courseyは、そのコラム「What Microsoft should do with all that cash」の中で、

「SO WHAT should Bill and Steve do with these wondrous resources? My suggestion: Start over.」

「In short, we need a new Microsoft OS that's actually easy to use, runs easy-to-use applications, and adapts itself to each user's specific digital environment--the other computers, phones, music devices, video gear, still cameras, etc., with which most of us surround our PCs.」

「There's ample precedent for this. Apple has, after all, started over twice--once in 1984 with the original Macintosh and again more recently with the Unix-based Mac OS X. Of course, many would say Apple's whopping 2.3 percent market share would be more than ample argument against starting over.」

Appleは、MacintoshとMac OS Xで、二度、start over(初めからやり直す)をやっているが、Microsoftも今こそそれをやってくれ、と主張している。

本連載で何度かご紹介した、Gordon BellのMylifebitsプロジェクト(「MyLifeBits」、「ゴードン・ベルの続き」、「天才ゴードン・ベルのMyLifeBitsプロジェクト」)について、John Robbが、こんなBlogを書いている。

「This project promises to provide a PC-based organizational system for all the digital data a person accumulates during a lifetime.」

「I do however recognize the problem it is trying to solve: how do we make sense of the gobs of information we are going to store in our 1 Tb computers in 2006?」

2006年には1テラバイトのHDDを我々は普通に持つようになるわけだが、一昔前には想像もできなかったディスク容量と、我々はどう付き合うべきかという研究である。Microsoftのこのプロジェクトのオフィシャルサイトによれば、

「Gordon Bell has captured a lifetime's worth of articles, books, cards, CDs, letters, memos, papers, photos, pictures, presentations, home movies, videotaped lectures, and voice recordings and stored them digitally. He is now paperless, and is beginning to capture phone calls, television, and radio.」

とのこと。

My Life in a Terabyte」によれば、Gordonの生涯の記録を全部デジタル化しても、「So far, Gordon's lifetime collection amounts to less than 30 GB of storage and 12 GB of this are CDs.」、つまりまだ30GBにしかならないという。デジタル化されたものの一部は、彼の個人サイトで閲覧することができる。

Apple並のブランド力とMS並みの競争力を持つGoogle

本連載の7月22日「AmazonがGoogle対策から立ち読みプロジェクト第2段を計画」の中で、Steven JohnsonがGoogleの課題について書いたエッセイとBlogを少しだけご紹介したが、彼がそれを書いたあとの後日談をBlogに書いている。

「As I was sifting through the many responses to the Googleholes piece (which have been much more thoughtful and probing in the comments area here, thank you very much), I kept thinking to myself that there was a quality to the tone of the comments -- particularly the angry comments -- that reminded me of something. I finally figured out what it was: they share the very same how-dare-you-suggest-any-imperfections outrage with the responses I've received anytime I've written anything vaguely critical about Apple.」

彼がGoogleについて書いたものに対して寄せられたコメント(特に怒りのコメント)は、何かに似ているなぁ、と思って考えていたら、Appleについて書いたものに対して寄せられたコメントの雰囲気に似ていると気がついたとのこと。とてもよくわかるなぁ。

そして彼はこう書く。

「But thinking about the two companies together made something clear to me about Google's extraordinary position right now. They have the fanatical brand devotion of Apple, and the market dominance of Microsoft. That's a powerful combo, one you don't see very often.」

Googleの現在のものすごいポジションというのは、Appleと同じような「ブランドへの愛情」を人々から受けつつ、Microsoftのようなシェアを維持しているゆえであり、こういうパワフルな2つの組み合わせというのはそうなかなか現れない。

読者の方からのフィードバック

そして最後に、最近いただいたトラックバックやコメントの中から2つほど。

7月22日「AmazonがGoogle対策から立ち読みプロジェクト第2段を計画」へのTatsuh氏からのコメントでは、先行するサービス、O'reillyのSafariについて教えていただいた。ありがとうございました。

「ここ数ヶ月、O'reillyのSafari(http://safari.oreilly.com)というオンラインブックサービスを利用していますが、非常に便利です。登録されている1600あまりの本の中から一括してテキスト検索、検索にかかった章の初めの部分が読め、自分が必要としている本かどうか容易に判断できます。

登録されているのは、O'reillyの発行している書籍(ほとんど全部)はもちろん、ピアソン(Addison-Wesley, Prentice-Hall, Que, Samsなどが傘下)も多く、Microsoft Press少々などとコンピュータ関係書籍としてはかなりのカバー率と思います。(Business関係で登録されているものとしてはFinancial Timesの経営本がありますが、数は少ないです)

こちらの購読方法はちょっと変わっていて、月額定額支払いで、書棚に5冊(料金によって10冊、15冊)まで登録でき、最低1ヶ月は書棚に置いておかなければいけない、というものです。コンピュータ書籍のように、問題解決のためにリファレンスをひくように調べる、というときに使いやすい購読方法といえそうです。アマゾンの行おうとしていることの先駆け的サービスともいえそうで、「今、体験してみる」にはいいかもしれませんね。」

また、7月23日の「デスクトップLinuxが盛り上がるとすれば」に対して「わんこ日記」よりいただいたトラックバックで、「日本人としてみて重要なものを足したい」とのことで書かれたコメントは参考になるので、ぜひご参照ください。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

2

コンサルタントの山崎です。
今回のテーマは『押さえておきたい注目テーマ』。
世界的な景気低迷、通信はじめIT業界の失速、
テロ恐怖や戦争、SARS問題など足早に多くの社会不安
に包まれたのは記憶に新しいです。

変化の数と速度が著しい今日にあって、
顧客企業はIT投資を縮小する傾向にあります。
投資対象も、これまでのCIO決断よりはむしろ、
業務面・経営面からのTCO、ROIが重視されています。

ここで注目したいのは、多くのマスコミや業界の専門家
が関心のある「Google」、「Salesforce.com」、
「eBay」などの新興企業でなく、やはり、ガースナー会長
から経営を引き継いだパルミザーノ会長の米IBMの
経営戦略だと切に実感しています。

その中でプライオリティー一番は、『On Demand』。
単なるユーティリティーモデルのソリューション、
サービス提供ではない点だ。
多くの人は誤解しているだろう。
米ガートナー・グループの言葉を借りれば『RTE』
(Real Time Enterprise)。現在、個々の企業システムは
独立しているが、ネットワークを介して、JavaやJ2EEによってデータの橋渡しをする。このプロトコルはSOAPである必要性はない。UDDI経由でデータを受け渡すわけだ。結局、プラットフォームはメインフレームであっても、UNIXサーバやWindowsサーバであっても全く顧客は意識せずにビジネスに専念できることを意味している。

この橋渡しのキーアプリケーションが『Websphere』である。だから、企業個々のミドルウェアが何であっても構わないわけだ。このインターフェースを構築する際に、
PwCC(PricewaterhouseCoopers Consulting)を買収した経営コンサルティングのスキルが役立つ。
将来的にはビジネス・グリッドが代替技術として置換するだろう。ゲームの世界ではPSXを使ったセル・コンピュタが市場を先行すると予想される。

つまり、市場は成熟段階にあったにもかかわらず、
IT業界の再編成の封印を開いたのが米IBMというわけだ。
IBMの戦略は『On Demand』以外にも、
・『Autonomic Computing』
・『戦略アウトソーシング』
・『AMD Opteron搭載サーバによるインテル攻撃体制』
・『BPO対策:より経営上位のコンサルティング・サービス』
・『ミドルウェア戦略(Tivoli,DB2,Websphere,Rational,etc.』
・『Linux戦略によるマイクロソフトつぶし』
・『10年後のIT社会構想に基づく経営判断』
・『顧客問題解決アプローチによる研究開発』
・『ホールプロダクト価値創出』、など
新しい改革が次々に実施されているからだ。

これからも継続して情報収集と分析を行っていきたい。
米IBMのアプローチは要注意が必要だからだ。

  山崎牧雄 on 2003/08/16

1

いつも、大変興味深く拝見させていただいています。
というわりに、古い記事(7/14)へのコメントですが。

PCのコモディティ化の歴史になぞらえて、ソフトウエアについてもコモディティ化が起こるのかと考えたことはありました。
その際に思ったことは、なぜPCはここまで標準化が進んだのかということです。それは、PCはソフトウエアプレーヤーに過ぎないということだと思います。自由度や嗜好性の部分を全てソフトウエアに持ち込み、PCのハードはソフトプレーヤーとしての標準化された規格に価値が見出されていたということと思います。
CDプレーヤーは、コモディティ化されたと思いますが、コンテンツ(音楽)はコモディティにはなりません。
それと同じ部分もあるような気がするときもあります。

ただ、ビジネスソフトウエアの部分は、ビジネスモデルが標準化されると、ある程度コモディティ化されるかもしれないと思います。

エクセルは普及しました。それは、エクセル上にプログラミングの余地が大きいからだと思います。エクセルは、コモディティであるが、各自の作成するスプレッドシートはそうならない。

それでも、コモディティ化される部分もあるだろうとも思います。

あまり、整理できていなくて、すいません。
いつも、楽しみにしております。
ありがとうございます。

  廣岡康雄 on 2003/08/14

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