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成功する企業かどうかを測るものさし

2003/07/25 10:05
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シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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今日は企業経営の話をしよう。コンパクトにまとまっていて、しかもインパクトのある論考に出会ったのでご紹介しておきたい。ハーバードビジネススクール教授のNitin Nohriaら3人によって書かれた「4+2 = Sustained Business Success」である。企業成功のカギを、膨大な調査によって明らかにした研究成果である。

「Our findings took us quite by surprise. Most of the management tools and techniques we studied had no direct causal relationship to superior business performance. What does matter, it turns out, is having a strong grasp of the business basics. Without exception, companies that outperformed their industry peers excelled at what we call the four primary management practices - strategy, execution, culture, and structure. And they supplemented their great skill in those areas with a mastery of any two out of four secondary management practices - talent, innovation, leadership, and mergers and partnerships.」

これが結論である。成功企業は、(1)strategy, (2)execution, (3)culture, (4)structureという4つの点で圧倒的に優れていて、さらに、(5)talent, (6)innovation, (7)leadership, (8)mergers and partnershipsの4つの中の2つの点で優れている。だから、タイトルが、「4+2 = Sustained Business Success」となっている。

こういう膨大な調査を伴う研究結果を一言でまとめると抽象度が高くなりすぎ、とかく総花的になって、何が何だかよくわからなくなる傾向がある。抽象度の高いまとめ方の中にも、明らかに優劣があるのだが、このまとめは、なかなか出来がいい。

「The eight essential management practices we cite are not new, nor is their importance particularly surprising or counterintuitive. But implementing our formula for success is not as simple as it sounds. Companies can all too easily forget or ignore the basics, as we saw in the waning years of the last century.」

この8要素は決して新規なものではなく、むしろ基本的なことだが、企業というものは往々にして、基本を忘れたり無視したりするものだ。

その通りだろう。日本企業でも、この8要素すべてに優れた企業など、ほんの一握りしかいない。

成功のカギを握る8つの要素の行動原理

そして、このコンパクトな論考がいいのは、8つの要素のそれぞれについて、「a list of behaviors(行動原理) that support excellence in each practice」が付記されていることである。

(1)strategy<5個>, (2)execution<3個>, (3)culture<6個>, (4)structure<4個>, (5)talent<4個>, (6)innovation<3個>, (7)leadership<4個>, (8)mergers and partnerships<3個>で、計32個のbehaviorsチェックリストが出来上がる。

いくつか例として一読んでみよう。

この8要素を、戦略、執行、カルチャー、構造、タレント、イノベーション、リーダーシップ、合併・提携と、ただ訳してしまうだけでは、何だかわかったような気になって、当たり前のように感じられるかもしれないが、それぞれに付記されたいくつかの視点をひとつずつ読むと、その言葉の意味がはっきり理解できることだろう。

たとえば(1)Startegyの5つのbehaviors。

(1)-1 Build a strategy around a clear value proposition for the customer.

(1)-2 Develop strategy from the outside in, based on what your customers, partners, and investors have to say - and how they behave - not on gut feel or instinct.

(1)-3 Continually fine-tune your strategy based on changes in the marketplace - for example, a new technology, a social trend, a government regulation, or a competitor’s breakaway product.

(1)-4 Clearly communicate your strategy within the organization and to customers and other external stakeholders.

(1)-5 Keep focused. Grow your core business, and beware the unfamiliar.

「顧客にとっての明確な価値」のまわりに戦略が立案されているか。直感で戦略を立てるのではなく、外部(顧客、パートナー、投資家)の意見をきちんと取り入れた戦略になっているか。世の中の変化(新技術、社会トレンド、規制、競争者)に敏感で戦略を常にチューニングしているか。社内や顧客や関係者にきっちりとその戦略をコミュニケートしているか。フォーカスはちゃんと絞れているか。この5つ。

たとえば、(6)Innovationの3つのbehaviors。

(6)-1 Relentlessly pursue disruptive technologies to develop innovative new products and services.

(6)-2 Don’t hesitate to cannibalize existing products.

(6)-3 Apply new technologies to enhance all operating processes, not just those dedicated to designing new products and services.

イノベーティブな新製品・新サービスを開発すべくdisruptive technologiesをちゃんと追求しているか。既存製品を自ら食ってしまうような製品やサービス開発に躊躇してはいないか。新製品・新サービスの開発に目を向けるだけでなく、すべてのオペレーティング・プロセスを改善するための技術を適用しているか。この3つ。

読者の方にとって最も身近な会社を2つ(たとえば自分の会社と競争者、たとえば大好きな産業のトップ2社)選んで、この32項目でチェックしてみたらいかがでしょうか。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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