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日本企業が社内情報を生かせるようになるには経営的な課題が多い

2003/06/30 10:05
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umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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先週木曜日の「日本企業こそBlogに対して戦略的取り組みを」に対して、たくさんのトラックバックやコメントをいただいた。

この毎日更新連載も今日でちょうど3カ月。3日・3月・3年とよく言うが、長続きの第2ハードルまではどうやらたどりついたようである。そこで、というわけでもないが、今日は英文紹介をお休みして、いただいたトラックバックに刺激されて考えたことを書くことにしたい。

なんて書くと、また「今日はネタを探す時間がなかったんだな」なんてどこかのサイトで書き込みされそうで楽しいが、まあ息抜きに違うこともしてみようということです。

Blog的な原稿ゆえにフィードバックが集まった

先週木曜日の原稿というのは、「コラムという視点から見ると実は落第点に近いがBlogならOK」というタイプのユルイ文章で、その不完全さゆえに、少し俺も突っ込みを入れたいぞ、という気分を読者の方々が抱き、そしてその結果いただいたコメントが、逆に僕にとってはたいへん刺激的で面白かった。もちろんテーマがBlogだったということもあるが、トラックバックやコメントが多かった理由と、文章のユルサは少し関係があるように僕には思えた。

コラムを書くときというのは、かなり真剣に文章を武装する(突っ込みの余地を少なくすべく時間をかけて知恵を絞る)のだが、特にこの文章はその武装をいっさいしないBlogっぽい原稿にしてみたのだった。

それは、「日本企業こそBlogに対して戦略的取り組みを」なんて立派なタイトルがつくコラムを、僕はまだ書く自信が全くないから。
だから、「こういう発想で何ができるかを考え、何かを始めるのはとても大切だと思う。」なんて曖昧なことしか書いていない。

断片的に伝えたいことがあったので書き始め、起承転結もない文章だけどまあいいか、という風にして書き終えたもの(ちなみに、この連載では、僕が文章部分を編集部に送り、編集部がタイトルや小見出しをつけるのがルールになっている)だったが、それがかえって良かった。

社内専用のBlogにすべきか、外部に公開すべきか

さて、まずARTIFACT( - 人工事実 - )からのトラックバックから。

「このコラムだと、どうも外部に公開するのが前提みたいなんで、自分の考えている「社内情報共有システムとしての社内Weblog」とはちょっと違いますね。」

実は、文章を書いている僕の頭の中では、「社内情報共有システムとしての社内Weblog」をイメージしていたのだが、そうはっきりは書かなかった。逆に言うと、「外部に公開するのが前提」という意識は全くなかったのだが、その点はきちんと表現できていなかった。

でもこのトラックバックを読んで刺激されたのは、社内に閉じた情報共有システムとして企業がBlogを考えるべきなのか、それとも、外部に公開する「本物のBlog」をこそ考えるべきなのか、果たしてそのどっちがうまくいくんだろうか、という問いだった。

現時点での僕の直感は、社内に閉じた世界でやってもうまくいかないのかなやっぱり、むしろ思い切って、最低限のルールだけを決めて、社員に実名で外部公開原則のBlogを自由に書くことを奨励していくほうが面白いのではないかな、という感じ。

ARTIFACTも、

「外部に情報を発信することを評価するシステムにならない限り、社内で情報発信しようなんて人は出てこないんでしょうねえ。」

と最後に悩みを書かれているが、やはり、日本企業がまたまた閉じた空間で何かを始めようとしても、「いつか来た道」になってしまうのではないかなという懸念は、僕も強く共有する。

Blog以前の経営的課題

Cyberblocksからのトラックバックでは、

「社員の知識を共有化しようって動きは、ここ数年来の流行り言葉的には、ナレッジマネジメントだとかなんとかいう言葉で語られ、あるところでは実行されては来たけれど、ここで書かれている話にしても、結局その知識だとかってものを理解する努力や能力無しに、上位に位置する社員というか、経営側などがその知を発揮させるような取り組みは出来るはずがない…。」

と、日本企業の問題点を指摘している。だからタイトルも「Blog以前の問題だったりもしますけど…」。

これにも全く同感。日本企業の病弊はBlog以前の問題です。全くその通り。ただ、でもそこに某かの風を通すというか、砂地に水を撒くようなことかもしれないけれど、Blogが何かのきっかけにならないかなぁ、と、いまのところ僕の問題意識はそんな程度なのだ。

eNaturalからのトラックバック

「若い頃は志を持ち、それこそ世界を変えてやろうと燃えている。しかし、結局は、何も変わらないどころか「あまりいいことが起こらなかった」という現実に直面する。全くもって悪循環です(そりゃ会社ですから、個人の思い通りにばかりはいきませんが、なんとか個人の思いを表明・伝えるうまい仕組みがあれば、ということです)。」

にも、そうだよなぁ、と同感した。この「志」を、ほんの一部の例外を除き、ここ10年、日本企業はちゃんと活かすことができていませんね。

日本企業は若手の発想を生かせていない

Dragonflyからのトラックバックも、20代の若手の発想を日本企業が活用できていない現状をこう指摘する。

「特にちょっとしたITを使って仕事の質改善みたいなことを気づけるのは20代の若手になるんだと思うが、まずそのポジションの人が新しい仕事の仕方を提言できる仕組みになってない企業がほとんど。また、仮に提言できても責任ある立場の方が全くもってIT音痴なことが多いので、その仕組みは採用されない。」

そして、CAPSCTRLDAYSからのトラックバックは、タイトルが、「blogのよいところは分かるし、社内の問題も分かるけど、blogがそこをズバーンと抜け出してくれるようには、ぜんぜん思えないのよね。正直。」となっている。

そうだなぁ。確かにBlogが「ズバーンと抜け出す」起爆剤にはならないな。それだけのパワーは持ってないな。

「ここで述べられている問題提起と、情報発信(ツールは何であれ)の重要さはよーく分かるんだけど、「encourage」こそが本当の肝であって、情報発信のツール自体はそんなに肝じゃない。「苦情は社長へ直接メールでどうぞ!」なんつっても、送らないでしょふつう。だからといって「苦情はblogでどうぞ!社長
も読みます!」ってのもなぁ……。」

この指摘も、本当に的を射ている。

本質を見失ったまま使えば悪影響も

そして最も厳しいのは、Maeda Masahiroさんからのコメントだ。

「日本企業ではちょっと理想論に近いかもしれないですね…。個人的にはそういう変革がおこってほしいと思うんですが、むしろ全く逆の効果を生み出すように思えます。」

「今の高齢化した日本企業、そして私自身もそういう衰退期にある企業にいるから分かるのですが、こういうツールの本質を見いだすことすらできなくなってしまっているのでうまく使えないだろうと思うのです。」

「そうした人たちがとる行動…つまり保身に走りつつ流行の情報ツールを取り入れる、結果としてblogを作らせた挙げ句「出る杭を打つ」という結果になるでしょう。」

うーん、実に鋭い。そういう会社やそういう中間管理職の姿が目に浮かぶ。でも、もう少しましな会社も多いと思いますよ。

いま、日本企業に勤める若い人たちが、色々な意味で苦しんでいるんだなぁ、ということを強く実感しました。

いただいたインプットを頭に入れて、僕もいろいろと考えて、またいずれ何か書くことにします。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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