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次世代ソフト開発で各分野に広がるLinux、ペンギン恐るべし

2003/06/27 10:05
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umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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「水面下でのソフトウェア開発がどういうプラットフォームを前提に行なわれているか」という情報は、IT産業がこれから進んでいく方向を占うのに貴重な情報なのだが、その情報は得られにくい。その意味で、August Capital(シリコンバレーのベンチャーキャピタル)によるVenture BLOGの「The New Platforms」は一読の価値がある。

最先端のソフトウェア開発に関する情報が入るVC

「One of the nice things about being in the venture business is that one gets a large number of data points on what innovative independent software vendors are up to. In particular, it's interesting to watch what platforms they are developing on, as it is a leading indicator of which one the next killer app might pop up on. Circa 1995, if you were writing mass-market software, you were writing for Windows (client) or Unix (server). Circa 1998, if you were writing software, the server side was Solaris / Unix and the client side was the web browser.」

ベンチャーキャピタルとしてたくさんのスタートアップと会って、その開発計画を見続けているからこその情報。1995年ならクライアント側はWindowsでサーバー側はUnix。1998年なら、サーバーはSolaris/Unixでクライアントはウェブブラウザー。さてそれが今はどうなっているかという話である。

ただ、アンチマイクロソフトはシリコンバレーのカルチャーの1つとも言えるので、その点は割り引いて読んでいただいたほうがいいかもしれない。

(1) Server side business applications are mostly on Java, with a few on .Net.
サーバーサイドのビジネスアプリは、ほとんどJavaで、.Netは少ない。

(2) Appliances are all based on Linux -- it's stable, has the tools, delivers the performance and free is hard to beat when you're fighting for thin hardware margins. Microsoft is nowhere here.
アプライアンスは全部Linux。マイクロソフトは影も形もない。アプライアンスという言葉はいくつかの意味を持ち、時代とともにその意味が様々に変化していく難しい言葉の1つだが、今、この文脈では、ソフトウェアをビルトインしたサーバーハードウェアのことを言っている。セキュリティのソフトを開発している会社などは、自社のソフトをLinuxボックスにインストールして販売することが多く、そういう場合、ハードのマージンは皆無に等しいので、Linuxを使ってコストを下げるのは当然の戦略になるわけだ。

(3) The amount of development and IP going into making Linux secure, fault-tolerant, high-performance, clustered, etc., is staggering. If anywhere near this effort went into developing a stable, documented, easy-to-use GUI for Linux, Microsoft would have a real problem on its hands.
Linux強化(secure, fault-tolerant, high-performance, clusteredの方向)に向かう開発のボリュームは信じられないほどの膨大さだ。

(4) On the client side, the browser is still the first choice, although there is still quite a bit of Windows development going on -- in particular the sheer amount of R&D going into file-sharing technologies is very bad news for any media dinosaurs trying to steer clear of the tar pits.
クライアントサイドは、ブラウザが依然として第一の選択肢。ファイル交換に関わるR&Dボリュームも大変な量なので、大メディアにとってはバッドニュース。

(5) Windows CE is seeing some work. Entrepreneurs continue to ignore historical data and try to develop apps and services around next gen mobile phones. Anyone who's spent significant time in East Asia seems to be convinced that mobile phones are the next PCs.
日本や韓国に行った連中は皆、モバイルフォンが次のPCだと思って、次世代モバイルフォン用のアプリやサービスをWindows CE上で作っているが、それは歴史を無視している試みだ。

(6) If Solaris is still a viable development platform, it's certainly not obvious from here.
Solarisが意味のある開発プラットフォームであり続けるかはわからない。

(7) Palm and Macintosh development are mostly done by smaller outfits, out of the sight of VCs.
PalmとMacintoshの開発はほとんどが小さな会社で行なわれていて、ベンチャーキャピタルの視界には入ってこない。この話は、先週書いた「利益が出ている会社がなぜ「生ける屍」なのか」もあわせてご参照いただきたいが、PalmやMacintoshの開発を好きで続けていく企業はあるだろうが、ベンチャーキャピタルが期待するだけの成長はできないという意味である。

(8) ISV support for the game consoles is obviously huge, but done through traditional game developers and publishers.
ゲーム開発は、従来のゲーム開発企業によって行なわれている(ので、VCにとって新しい会社とはあまり出会わない)。

全般的にLinuxの台頭が目立つ

そして、彼の最終的な結論は、

「Predictions: most killer apps will emerge first via web-based GUIs (client side) unless they involve 3D graphics or heavy filesharing, in which case they're Win32 apps. Server-side killer apps will more easily emerge on Linux than on Windows. Some of the more interesting consumer-facing server apps are emerging just as quickly on Linux as on Windows (PVRs, online photo albums, music jukeboxes). Fear the Penguin, indeed.」

クライアントサイドは、3Dグラフィックスや重いファイル交換が関与する場合にのみWin32 apps。そうでない場合はweb-based GUIs。サーバー側キラーアプリはWindowsよりもLinux。「consumer-facing server apps」というのは、コンシューマー向けのネットワークベース・アプリのためのサーバーのことだが(PVRs, online photo albums, music jukeboxesなど。ちなみにTiVoに代表されるPVRも、クライアント側だけで完結するアプリではなく、サーバー側で色々な仕事をしている)、そこもLinuxの台頭著しい。

そう、まさに、ペンギン(Linux)恐るべし、なのである。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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