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CNET Japan ブログ

日本企業こそBlogに対して戦略的取り組みを

2003/06/26 10:05
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umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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David WeinbergerがそのBlog「JOHO the BLOG」の中で、ボストングローブ紙のBlogに関する記事を引用している

「Consider: Every business needs to know what its employees know. Companies are crammed with experts on various topics whose knowledge goes to waste - because nobody knows what they know. Now give these workers an internal corporate blog, and encourage them to use it. Let them natter away on every topic that intrigues them. Harvest and index the results. You've mapped your workers' brains.」

どんなビジネスでも、自社の社員が何について知っているのかを知っている必要がある。会社は様々なトピックに関するエキスパートで一杯だが、その知識はゴミ箱行き。だって誰も、誰が何について知っているかを知らないんだから。社員に、社内Blogツールを与えて、それを使うべくencourageしたらいい。社員に、自分が面白いと思うことについて、しゃべり続けさせたらいい。その結果を刈り取って分類すれば、社員の頭脳をマップすることができる。

これはものすごく重要な話である。

日本企業は社員の知識を活用できていない

日本企業は、大変な才能と知識を持った人材で溢れている。僕は日本企業向けの経営コンサルティングが本業だから、仕事をしていていつもそう思う。社員の能力や知識が、ちゃんと解放されて、正しく活用されたら、日本企業はそれだけでずいぶん良くなる。

「Now give these workers an internal corporate blog, and encourage them to use it. Let them natter away on every topic that intrigues them.」

は、言うは易く、行なうは難し、の典型的なことだが、こういう発想で何ができるかを考え、何かを始めるのはとても大切だと思う。

日本企業はいつの日からか、ものすごい勢いで、高齢化と官僚化が進んでいる。

だから、情報の通り方がひどく悪くなった。

自分が知っていること、考えていることを、社内に向けて発信しても、結局あまりいいことが起こらなかった、という過去の経験から、「自分の仕事に関係ない余計なことについては沈黙していたほうが賢い」という刷り込みが行なわれている会社が多くなった。

特に誰から頼まれなくても最先端の技術動向に目を配り、自分なりの意見(自社内の技術開発の方向に批判的な考えも含め)をきちんと持っている一流の技術者ほど、官僚化が進んだ組織では疎んじられることがある。正論が、ある種の人々には耳障りに響くことが多いからである。

米国のビジネスマンもBlogに驚く

さてぜんぜん別の角度から、企業とBlogについて、「Conversation with Dina」から。

「Last night i had a wonderful experience. My husband who's a die-hard 'company man', a Senior Executive in a Multinational firm, who 'not-so-quietly' has been observing my preoccupation with blogging, surprised me. He's the kind of guy that wants to see 'immediate action' - a return on investment - a firm contract for instance, as a result of the time i spend networking online and blogging. The more 'intangibles' like learning, growing from connecting with people and minds across the world, accelerating knowledge and change as a result, don't make that much sense to him - its the way he's been conditioned by management school and the workplace.」

このBlog筆者の夫は、「a die-hard 'company man', a Senior Executive in a Multinational firm」で、妻が面白がっているBlogの意味をあんまりよくわからない。その理由は、ROIのような「'immediate action'」にしか価値を見ないタイプで、「The more 'intangibles' like learning, growing from connecting with people and minds across the world, accelerating knowledge and change as a result」、つまり、学んだり、世界中の多くの人やその考えに触れて成長したり、知識が増幅したり、その結果として変化したり、といったインタンジブルなことは、彼女の夫にとってはぴんと来ないから。これが米国のビジネススクールや職場を貫く考え方。共同体であるゆえの日本企業の問題とはまた違った、利益創出マシンであるゆえの米国企業の問題の一端が、このちょっとした話題から、垣間見える。

彼女は「Last night i had a wonderful experience.」と文章を始めているように、

「I shared with him some of the exchanges i've been having with many people across the world - connections made through our respective blogs. I also showed him a few blogs by people employed by large companies - let him have control over the mouse - it was really fascinating to observe how he got more and more absorbed in reading, clicking on links, reading some more ....」

彼女のBlog経験を、夫とシェアしようとする。大企業の社員によるいくつかのBlogなども夫に見せたところ、夫もけっこう面白がってのめりこんでいった。そして終わった後で、彼女は夫に3つの質問をする。

「- would he feel more comfortable now, having read his blog, approaching this person as a potential client , for business ?」

「- would he feel more comfortable interacting with his own colleagues - not just those working with him directly - but peers across offices countrywide and globally - if they had such blog-like spaces ?」

「- can he see how such connections - either with a potential client or with a set of colleagues - can indeed help accelerate growth ?」

すべての質問に対して夫は「YES」と言った。それが「wonderful experience」だったと彼女は言う。

実際に僕も似たような経験をしたことがある。

こうした分散型コンテンツの存在を知らない経営者たちに、質の高いBlogをいくつか具体的に紹介し、これらを読んでみたらどうかと勧めると、たいていの場合、知的にはかなりのインパクトを与えることができる。知らない人は、だいたい、みんな、驚く(問題はその後、その知的インパクトが、ああ面白かった、くらいで終わってしまい、特に具体的な戦略アクションに結びつかないことだが)。

先週の「新聞社はBlogムーブメントを自社の戦略に生かせるか」でもご紹介したGlenn Reynolds教授の言う「the spread of horizontal knowledge」という現象に対して、新聞社に限らず、あらゆる企業が戦略的に対応していくべき時に来ているのだと思う。

さて、余談になるが、火曜日の「PC技術の構造的転換を示す「遠心力」というキーワード」に、「Dragonfly's blog」のRyuhei Soさんからトラックバックをいただいた。

このBlogは、「ちょっと自分のキャリアを考え直そうかな。」という文章で終わっているが、これは連載を始めて最も嬉しいトラックバックの1つだった。

僕が本欄で書いている「IT産業や技術の大きな流れが向かっていく方向についての仮説」みたいな話から刺激を受けて、自分のキャリアをそういう大きな流れの中できちんと位置づけながら戦略的に考えていこうと思う若い人が、少しでも増えればいいなと思っているからだ。

あと、トラックバックついでに言うと、せっかくMovableTypeで僕の文章にリンクしていただいても、リンク先が僕の連載のトップ になっていると、MTの自動トラックバック通知機能では、こちら側に上手くトラックバックが入りません。

お手数ですが、トラックバックを飛ばすときは、それぞれの文章に固有なアーカイブのアドレス(トップページの場合、下のタイムスタンプをクリックすると固有のアドレスに移ります)の方に飛ばしていただければと思います。

トラックバックやコメントは皆、きちんと読んでいますし、できるだけそれを連載に反映したいと考えています。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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