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運の良し悪しは自分で変えられる

2003/06/20 10:05
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umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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Fast Companyが、「The Luck Factor: Changing Your Luck, Changing Your Life: The Four Essential Principles (Miramax, 2003)」の著者、Richard Wiseman氏のインタビュー記事「How To Make Your Own Luck」を掲載した。Wisemanは、「teenage magician」としてロンドン、ハリウッドで活躍したという面白い経歴を持った、運についてのイギリス人(たぶん)研究者(37歳)である。この新著は彼の8年間の研究をまとめたものである。

考え方と行動が「運」を決める

「After conducting thousands of interviews and hundreds of experiments, Wiseman now claims that he's cracked the code. Luck isn't due to kismet, karma, or coincidence, he says. Instead, lucky folks -- without even knowing it -- think and behave in ways that create good fortune in their
lives.」

膨大なリサーチの結果、Wisemanは、運についての謎を解いた。運は、宿命や因縁や偶然によるものではない。運のいい人たちは、そうでない人たちに比べて、ぜんぜん違うふうにモノを考え、行動しているのだ。

彼は、「"Do you consider yourself unlucky, or lucky?"」(自分は運がいいと思うか、運が悪いと思うか)という質問をたくさんの人にして、

「Over time, we built up a database of about 400 people from all over the UK, all walks of life, who considered themselves especially lucky or unlucky. The people in both groups were saying, "I've no idea why this is the case; I'm just lucky" -- or unlucky. But I didn't believe that for a minute. I thought there was something else going on. So in the Luck Project, we've had them take part in experiments, interviewed them, had them keep diaries -- all sorts of things -- trying to piece together why you'd have one group of people for whom everything would work out well and another group for whom things would be completely disastrous.」

特に運がいい人と特に運が悪い人のデータベースを作った。インタビューを受けた人たちは、自分では理由がわからないと皆言ったが、「I thought there was something else going on.」と思い、研究を続けた。

「What I'm arguing is that we have far more control over events than we thought previously. You might say, "Fifty percent of my life is due to chance events." No, it's not. Maybe 10% is. That other 40% that you think you're having no influence over at all is actually defined by the way you think.」

人生の50%くらいをchance events(偶然の出来事)に依存すると考えるのはちょっと行き過ぎで、本当の偶然は10%くらいで、残り40%は、その人の考え方による。

リラックスして新しい経験を受け入れるオープンさが重要

「One way is to be open to new experiences. Unlucky people are stuck in routines. When they see something new, they want no part of it. Lucky people always want something new. They're prepared to take risks and relaxed enough to see the opportunities in the first place.」

新しい経験に対してオープンかどうか。これが重要。運の悪い人は、ルーチンにスタックしている。何か新しいものを目の前にしたときに、それに関わりたくないと思う。運のいい人は、常に、新しい何かを求めている。彼らはリスクを取る準備ができていて、はじめから機会を見つめられるだけ十分リラックスしている。

「But in the real world, you've got opportunities all around you. And if you're driven in one direction, you're not going to spot the others. It's about getting people to have various game plans running in their heads. Unlucky people, if they go to a party wanting to meet the love of their life, end up not meeting people who might become close friends or people who might help them in their careers. Being relaxed and open allows lucky people to see what's around them and to maximize what's around them.」

リアルワールドには、あなたの周囲を機会が取り巻いている。もし1つの方向だけにドライブされていたら、それが見つけられない。人はそれぞれ、皆、さまざまなゲームプランを頭の中に持っている。リラックスしてオープンであってはじめて、自分の周囲のそれが発見できて、その可能性を最大化できる。

「They'd have the same life events as the unlucky person, but they'd look at them entirely differently.」

という言葉に対して、インタビュアーは、それじゃあただのポジティブ・シンキングの話とどう違うのか、と質問する。

その答えは、

「There's more science to it -- as opposed to the classic "Just think positive, and you'll be successful." I think if you understand a little about where it's coming from, it's a bit easier to adapt into your life.」

ポジティブ・シンキングの話と関連は深いが、ただ「ポジティブに考えろ、道は開ける」と繰り返すのではなく、科学的な(統計的な)根拠を示すことで、そういう考え方を受け入れやすくなるだろう、と言う。

運の悪い人向けに、運がよくなる学校も始めているらしく、社員全員をこの学校に通わせる企業もある。

「In the sense of organizational culture and identity, I think that some organizations will be seen as lucky and successful and others will be seen as unlucky, in the same way that individuals are.」

偶然の幸運は必然

インタビューを読んで、正直なところ、それほどSurprisingな新発見はなかった。

でも、僕も、シリコンバレーでたくさんの人々と出会い、彼らの運や、自分の運について考えるとき、やっぱり運を引っ張り込むモノの考え方や行動パターンというのは明確にあるなぁ、と強く感じている。だからこのインタビューを読んでみようと思ったわけだが、この著者が語る「当たり前のことども」は、シリコンバレーに住む僕の感覚からしても、まったくもって真実なのである。シリコンバレーの場合、この運というものが、色々な意味で大きく増幅される場所なので、余計、そう感じるのかもしれないが。

ここまで書いてきて、パリ在住のコンサルタント、今北純一さんと「中央公論」2001年7月号誌上でやった対談「欧州の真の力強さとは何か」で、今北さんが語った「偶然と必然」の話を思い出した。この対談はウェブ上にはアップされていないので、僕の原稿ファイルから当該箇所を引用して、終わることにしよう。

「たとえば、私はもともとエンジニア的思考をする方なので、偶然というのは必然よりも格が下だという思いがもともとはありました。でも、ヨーロッパに来てから、偶然と必然というのは同格なのだと強く思うようになりました。人と人との出会いを偶然だと言う人がいるけれど、お互いに何かを持っているから出会いがあります。個人が皆、何かの信号を出している。総合的な信号です。皆が出している信号の何を掴み取るかが、ある個人の選択だということです。掴んでいこうとしている一本の筋が何か通っていると、やっぱり何か一本筋が通っている人には必ずわかるわけです。

だから、職業を越えて、ビジネスマン同士だけでなく、匠の世界を持つ職人、音楽家、作家、アルピニスト、思想家といった、知的冒険・精神的挑戦を命ある限り続けていく人たちとの間で、深いレベルのインタラクションが起こります。そういう選択肢の広さが、ヨーロッパの「懐の深さ」における基軸になっている気がします。ヨーロッパの生き方がいい事ずくめであるわけではありませんが、個人の生き方として私が気に入っているのは、自分の生き方は自分で決められるという意味での選択の自由度がすこぶる大きいという部分です。」

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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