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Apple、Google、USAiに学ぶ、正解が見えない時代のリーダーシップ

2003/06/03 10:00
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シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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先週はサンディエゴのリゾートホテル「Four Seasons Resort Aviara, North San Diego」で、ウォールストリートジャーナル誌主催の「D: All Things Digital」というコンファレンスが開かれていた(5月27日-29日)。さすがウォールストリートジャーナルだけあって、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズら超大物スピーカーを集めた。

僕はスケジュール等の都合で出席できなかったのだが、出席したAugust CapitalのDavid Hornikが、その内容の一部をVenture Blogで報告している。その中で面白かったのは、「Great Executives Don't Have All The Answers」というBlogで、USA Interactive(以下、USAi)とAppleとGoogleの共通点について考察したものだ。USAiのBarry Diller、Appleのジョブズ、Google創業者のLarry PageとSergey Brin、それぞれのスピーチを聞き、刺激を受け、書かれたものだ。

この3社に共通するものとは何なのだろうか。

USAi、Apple、Googleの成功の鍵

「Barry Diller spoke of his experience building USA Interactive (soon to be simply the Interactive Corp.). While he said that his goal was to build (in reality, buy) the leading ecommerce company in the world using multiple distinct brands, he did not imply that he was a fortune teller or a visionary. He said that he bought companies that seemed to make sense and then work hard through trial and error to maximize the end user experience. He attributed his success to a combination of serendipity and curiosity.」

まずはUSAiのBarry Diller。USAiについては、「ドットコムに背を向けたままでいると現実を見誤る」でも少し触れたが、最近、その戦略が脚光を浴びている。意味がある、価値があると考えた会社を買収し、それからエンドユーザ経験をベストなものにすべく、「work hard through trial and error」した。成功とは「思わぬ発見をする能力」(serendipity)と好奇心(curiosity)の組み合わせだ。

「Steve Jobs made the same general observation. Apple's products are driven by its end users first and foremost. Jobs described the process by which Apple launched the iTunes Store (which received, to my mind, a disproportionate amount of praise). They started by learning from all the mistakes that had been made by Napster, PressPlay, MusicNet, etc. and then spent a lot of time and energy trying to figure out how to broker a compromise between the consumers (who wanted simple, permanent, high quality, portable digital music) and the record companies (that wanted safe and economic distribution). But even with all that education (thanks to those who came before them), Jobs made clear that the store would get better as both Apple and the record companies learned how to better serve their consumers.」

ジョブズは、「D」で、iTunesサービスをスタートするまでのプロセスについて話をしたようだ。Napster、PressPlay、MusicNetなどの犯した誤りのすべてから学ぶことからそのプロセスは始まった。コンシューマーは「simple, permanent, high quality, portable digital music」を欲しており、レコード会社は「safe and economic distribution」を欲しているわけだが、膨大な時間をかけて、その2者の妥協点を探った。でも、そういう机上の研究以上に、これから実際の経験を通して学ぶことで、サービスがよくなっていくに違いない。

「That isn't to say that Larry and Sergey don't think that Google has done a good job of moving search forward -- they do. But they don't think the job is done. When asked what they would do now that Google's search was so good, Larry and Sergey had the same reaction. Search isn't done. They both believed that Google's search has a long way to go yet and that it will continue to be informed by the needs of its two distinct sets of customers: the end users and the advertisers. New products similarly evolve from conception as a research project within Google's engineering group, to testing within some isolated piece of the Google world (such as Google Labs), to the ultimate launched as a Google product after a great deal of feedback and adjustment. It is this feedback loop that has helped Google build successful products to date and will likely continue to do so.」

Googleの2人の創業者は、「Googleのサーチエンジンは素晴らしいじゃないか、あと何をやるの」という感じの質問を受けて、「Search isn't done.」、まだ仕事はぜんぜん終わっていないんだ、という反応をしたらしい。Googleのサーチエンジンは未だ道半ばで、エンドユーザと広告主という2タイプの顧客からの全く異なるニーズをさらに理解して、サーチエンジンを磨き上げていくつもりだ。「a great deal of feedback and adjustment」がキーワードで、これこそがGoogle成功の秘訣。

3社に共通するのは解答を模索し続けるリーダーシップ

さて、ネット事業で時代の旬を生きるこの3社に共通するリーダーシップとは何だろう。

それは、自分たちは解答のない世界を生きているのだと明確に認識した上で、その解答を模索し続けるリーダーシップである。

ネット事業の歴史はまだたかだか10年であり、「ネット事業とは何なのか」、「コンシューマーはオンラインでどういう経験を求めているのか」、「利害が対立する複数の関係者によって成立する既存の業界構造を新しいものに作り変えるためには、どういう妥協点を見出して、その妥協点をテコにどんな新しい仕組みを作らなければならないのか」、そんな難問群に対する答えを、我々はまだ持ってなどいないのである。

すべての解答らしきものは仮説に過ぎず、その仮説を新製品・新サービスの形で世に問うことによって始めて、真のフィードバックが得られる。

そこから真摯に学んでいく以外に、ネット事業の成功はあり得ないのである。

そのことをきちんと認識して、大きなアンビジョンと高いハードルを自らに課す企業だけが、その不断の営みの中から、いつか成功のカギを見つけることができる。

それがこの3社から我々が学ぶべき共通点なのである。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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