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中年期を迎えても若さを失わないマイクロソフト

2003/05/14 10:00
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シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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マイクロソフトは、ニューオーリンズで開かれた「WinHEC(Windows Hardware Engineering Conference)」で、次期Windows「Longhorn」を初公開した(日本版記事)。

これに関連して思い出したのが、少し古いが、2月末の「シアトルタイムズ」がかなり力を入れた「Microsoft at Midlife」という特集記事である。地元紙であることもあってそう批判的な記事ではないが、最近のマイクロソフトを概観するにはよくまとまっており、ゲイツのインタビューも、バルマーのインタビューも掲載されている。マイクロソフト28年の簡単な年表を見ると、確かにこの特集のタイトル「中年期を迎えたマイクロソフト」というのも実感が湧く。

Longhornの開発責任者はまだ33歳

なぜ今頃この特集記事を持ち出したかというと、「Part 4: Putting their brand on a new breed: Longhorn」の中で、「Longhorn」の開発責任者がまだ33歳だということが描かれていたのを思い出したから。

その「若さ」が本稿のテーマである。

「Longhorn is the code name for a radically new version of Windows designed to be a foundation of Microsoft's business in the coming decade. More than 2,000 of the company's engineers are rushing to finish the project by late 2004.」

Longhornの開発は2000人以上のエンジニアが投入されている大プロジェクトであり、

「"It's a phenomenal step forward and very ambitious," Chairman and Chief Software Architect Bill Gates said of Longhorn. It's "my big-time focus now." The new operating system is expected to be a key weapon in Microsoft's battle against low-cost software based on freely shared code. Although various versions of Windows run more than 90 percent of the world's computers, software developers are increasingly drawn to open-source software such as the Linux operating system.」

ゲイツも最も力を入れている。このプロジェクトを率いるのが、弱冠33歳のChris Jonesなのである。

「Heading the development team is Chris Jones, a 33-year-old vice president who also led development of Windows XP. He's a Stanford graduate with boyish looks that belie a Gates-like intensity and purposefulness.」

彼はこんな人である。

スタンフォードのmathematical and computational sciencesを学部で出て、マイクロソフトにすぐに入社。PublisherのProgram Managerからキャリアをスタートさせ、20代でいくつかの製品のProgram Managementをやり、「general manager and group program manager for Internet Explorer」できっと頭角を現したのであろう。今は、

「As corporate vice president of the Client Group in the Windows Division, Chris Jones is responsible for developing the next generation of Microsoft Windows desktop operating systems, for both home and business users. As part of this role, he manages the development of the Windows user interface, Web client technologies, DirectX, and printing and imaging components.」

というポジションにつき、2000人のエンジニアを統括する。寝食を忘れて、製品開発のプレッシャーと戦いながらも、そのことを心から楽しむだけのエネルギーがまだあり余っている年齢だ。

スタンフォードに学部で入る学生は裕福な家庭に育つ優秀なお坊ちゃんが多いが、写真を見れば、そんな雰囲気が本当によくわかる。スタンフォード出身のNFLのクォーターバックの写真だよ、と言ってもきっと通用するだろう。

彼がマイクロソフトに勤めて12年間、異常な量の仕事をし続けてきたのは想像に難くない。ハーバード出身の元お坊ちゃんであるゲイツ、バルマーからすれば、滋養豊かにすくすくと育った自分たちと全く同類の若者と感じ、そういう連中の能力が著しく高いことを自分の経験に照らしてよく知っているのであろう。

若者をきちんと処遇し責任を与える米国IT企業

米国IT企業の強さは、こうした才能豊かな若者たちのエネルギーを徹底的に活用していること。高齢者が若者を搾取するのではなく、若者をきちんと処遇し責任を与える代わりにものすごく働かせるのである。

「中年期を迎えたマイクロソフト」も例外ではない。組織の若さは保たれている。

そしてそれはそうしなければ競争に勝つことができないからだ。Chris Jonesは、米国IT産業が、既にプロスポーツに近い世界になってしまっていることを象徴しているのである。

日本のIT産業は若さを失っている

IT産業の日本企業がなぜこれほどまでに凋落してしまったのか。それは「若さ」を失ったからだ。

80年代前半、日本企業が世界を席捲しようとしていた頃、その牽引者たちは、30代後半から40代前半であった。あるクライアント企業(一部上場エレクトロニクス企業)の1980年当時の経営企画担当役員は、39歳で新任された取締役だったそうだ。しかし今、その会社では、55歳以下が「若手」と呼ばれている。日本企業が「若さ」を取り戻さない限り、プロスポーツに近くなった世界を行き抜くための再生は難しいのである。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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