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BLOGを毎日書くという実験

2003/03/12 17:58
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プロフィール

umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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BLOGを毎日書くという実験をしばらく続けてきた結果報告をしよう。むろん一般的BLOG論ではなく、僕にとってBLOGというメディア(手法)は何なのか、という個人的総括である。

昨年10月23日にスタートして以来、書いた本数はだいたい200本くらいだろうか。テーマは思いつくまま、分量も思いつくまま、ただできるだけ欠かさずに毎日何かを書いてみる、という程度の制約しか自分に課さなかったので、内容は雑多なものとなった。

僕は「どこかの誰かによって簡単に代替可能なことや、やっても意味が生まれそうにないことは、できるだけしない」という基本方針で生きている。だから、自分が書いたBLOGをそんな観点からいつも批判的に眺めては、BLOGを書くことの意味を考えていた。結果として、「書かないテーマ」つまり「書いてもしようがない」「書くべきではない」テーマというのが自分でだんだんとわかってきた。

たとえば、

(1) 自分の生活の一部を綴る日記のようなことは、まぁ書いても仕方ないし、あまり意味がないと思った。いくつかトライアルに書いてはみたものの、継続的に書き続ける理由を見出すことができなかった。

(2) 「趣味は読書。」と言えるほど本はたくさん読んでいて、読後面白かった本の感想を書きたいという衝動には何度もかられたが、BLOG的反射神経で書く文章は、感想文程度のクオリティにしかならないこともよくわかった。書評を書くと決めるなら、それなりの準備をしたうえできちんと書くべきだろう。

(3) メジャーリーグやら将棋やら、自分の趣味の世界については、ここで書いても仕方がないということもよくわかった。読者層の大半が興味を持っていないテーマについて書くのはただの自己満足に過ぎない。どうしても書きたければ、「将棋タイトル戦の観戦記」や「ワールドシリーズ観戦記」が書けるくらいの心構えで準備して、正しい媒体で書くのを目指すのが本筋だろう。

(4) 日本語コンテンツの紹介・引用・参照については、日本でもBLOGが流行ってくるときっと多くの人がやることになるだろうから、あえて僕がやらなくてもいいだろう。

というようなこと。

個人の興味の広がりそのままに、テーマを選ばずに思いつくままに書けば、その個人が発散する臭気を避けることができない。よって、「その個人に対して強い興味を持つ読者(家族とか同僚とか知り合いとか)」以外にとっては、迷惑な夾雑物を含むコンテンツとなってしまいがちだ。

「別にそれで何が悪いんだ? BLOGとはそういうものだよ」という考え方はもちろんある。読み手にとって不要なところは、読み手の方で勝手にどんどんすっ飛ばして、たまに見つかる価値ある情報だけを選択的に読めばいい、と割り切る考え方は確かにある。その考え方の延長線上に、「膨大な数のBLOGGERによる書き込みの中から価値ある情報を抽出して読者に差し出すポータル機能」の提供という、読み手側に立ったビジネスの考えが出てくるのも自然だ。

ただ、だとすれば、BLOGは一つ一つの書き込み内容に分解され読み手によって荒々しく消費される「限りなく匿名に近い無数の書き込みの一つ」に位置づけられるか、「自己満足に堕しがちな、ものすごく小さなコミュニティの中で完結する営み」という域を脱することはできないだろう。

仮にBLOGを、書き手として「あるまとまりのあるリアルタイム・コンテンツ」として某か意味のある塊に仕上げてみよう、と試みるのであれば、こうした課題を意識的にどう解決するかが重要になる。

ではBLOGの良いところは何か。

(1) 玉石混淆にはなりやすいが、反射神経的にカジュアルにモノを書いて発信することができる。単独ではコラムやエッセイには仕立て上げられないような断片的なネタ(肩肘張っていると捨ててしまう情報)も、それなりに意味があれば紹介することができる。毎日書くと決めれば、しばらくすると、発信情報がたまって、かなりの分量になる。質より量、という考え方も、ときには大切だ。

(2) 紙メディアでは表現できない内容を表現できる場合がある。特にリンクを張りながら、そのリンクをたどった先と行ったり来たりしながら読むと、相乗効果的な意味を持つような文章は、BLOGにマッチしている。

(3) 行数の制約がないのは、紙メディアの制約と違う大きな利点である。行数を気にしないで文章を書くというのは、ずいぶんモノを書くハードルを下げてくれる。

(4) リアルタイム性の高いテーマや自分がずっと抱えているテーマについて、時系列で追いかけながら、過去に書いたものや誰か別の人が書いた内容にリンクを張ったりしながら、包括的に書き続けることができる。

(5) 自分が持つ「専門性の高い情報」、自分の専門に照らして「質が高いと判断できるコンテンツへのリンク」をリアルタイムで公開していくという習慣は、ネット全体での「知の創造」にプラスに作用するだろう。

とりあえずそんなところだろうか。

こうして四ヵ月半にわたるBLOG実験を総括してみると、おのずから、これから模索するべき方向性が垣間見えてくる。それについては次回に。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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