最終更新時刻:2009年11月25日(水) 21時17分
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会社組織の文化を変える難しさ(その1)

公開日時:
2007/09/10 13:13
著者:
内山英俊

仕事柄、いろいろな経営者の方から相談いただくことがあるが、最近特に多い相談事は、「会社の文化を良くしたい」という相談である。特に業種を問うわけではないが、やはりITなどの新興企業で顕著のようである。何が起こっているのか。

●組織の文化についてよく聞くこと

そんな企業の中に入ってヒアリングしてみると、結論はこうである。

 経営者から聞くと・・・

  ・会社の方針が現場まで浸透していない
  ・部門間で衝突し、スムーズに戦略が実行されない
  ・本当に必要な情報(良い情報も悪い情報も)が入ってこない

 中間管理職から聞くと・・・

  ・部下から建設的な意見が上がってこない
  ・経営陣と部下の間での意見調整に終始している
  ・達成不可能な目標を毎年与えられて疲弊気味

 現場から聞くと・・・

  ・経営方針やビジョンが全く見えず、この会社で働く必要性を感じない
  ・経営陣や管理職からは理不尽な指示を受けることが多い
  ・会社に提案すると実行させられるのは自分なのであまりしない

●原因は「信用」を失ったこと

なぜこうなってしまうのであろうか。いくつかの会社を分析した経験から、大きくは下記のような原因があると思われる。

 ・縦(上下間): 上司と部下がお互いに信頼する努力をしていない
 ・横(部門間): 主に人事評価制度が原因で自部門の利益を優先せざるを得ない
 ・人(従業員): 会社よりも自分のキャリアやプライベートを優先する傾向が強まっている

一言で言えば、組織全体が縦も横も個人も「信用」を失っていることが全ての原因である。

●ありがちな間違い

このような組織では経営がうまくいかず、新しい経営者や上級管理職が入ってくることもある。その際によく起こる「ありがちな」間違いをいくつかご紹介する。

 ?まず組織変更を行う

 たいていの場合は時間がなかったり、人材が限られていることからよく起こりがちであるが、新経営体制になると大幅な組織変更を行うことが常である。しかし、問題や経営課題の所在が明確になっていないままに行う組織改変は逆効果になることが多い。

 ?力強さを示すために恐怖政治になる

 新しい方針や組織が発表されると、ほとんどの従業員は反発、もしくは表立って意見は言わないが心の中で反発しているかのどちらかである(賛成する人は10%もいないのが普通)。こうした意見は建設的なもの、純粋に批判のみのものに分かれるが、建設的な意見も排除してしまい、場合によっては制裁人事にいたるケースも多い。

 ?情報公開をしない

 経営がうまくいっていない時、厳しい経営状況などを従業員に公開することは躊躇される。しかし従業員側から見ると、「どこまでがんばればいいのか」がわからず、大幅なモチベーションの低下につながる。

●答えは「自立型組織」にある

 「現場力」という言葉が一時期流行したが、ローランドベルガーの遠藤氏の著書「現場力を鍛える」は非常に参考になる。

 最終的に会社の品質を決定するのは「現場の品質」であって、経営陣が直接、会社の品質を高められるわけではない。従って、現場が動かなければ何をやっても全く意味を成さないのである。

 目指す答えは「自立型組織」であろう。従業員一人一人が「この会社で」働く意味や役割を自分で考え、会社に宣言(コミット)し、最後までやりぬくことで評価してもらうという目線の組織である。

 経営的視点から見ると、「答えは現場にある」という考えの下、情報公開をしながら経営課題の議論に従業員を巻き込み、一緒になって解決策を探していく。その解決策を実行するのは従業員と経営が一体になって推進していくという姿勢をきちんと見せることである。

 具体的なアイデアについては次回にご紹介したい。

このエントリーへのコメント

1

企業推進の原動力として「信用」は、とても重要(ともすれば、最も重要)と直感的に理解しています。
経済環境が異なる中での比較にどれほど意味があるかは横に置くことになるが、
昔は企業文化がよかったのでしょうか?
言葉を選ばずに言えば、以前は企業文化を考える「余地」がなく、従業員は経営者にいわば「洗脳」されている状態で、
経営者≒神と見ていた感があるのではなかろうか?
新世紀に入り、自我だったり、自己幸せを追求する考え方が浸透してきた結果、
既存の考え方に意を唱え始めたことが多く、「信用を失った」ではなく、「信用がないことに気が付いた」という表現の方がピンと来る感じがしました。

  堀井俊介 on 2007/09/18

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