●i-modeはいよいよ頭打ちに
2007年7月24日に出た「モバイルコンテンツ関連市場は1兆円に」という記事があった。
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20353325,00.htm
私もモバイルコンテンツ関連市場に身を置いている人間として、大変うれしくこのニュースを拝見していた。しかし、一方で非常に大きな危惧も感じている。
内容をよく見てみると、そのうち3661億円はモバイルコンテンツ市場であり前年比116%、モバイルコマースが5624億円で前年比138%である。ことモバイルコンテンツに関しては、数年前に年率30%?50%で成長していた時代から考えると頭打ちの感は否めない。
コンテンツは常に新しい出口(エンドユーザに伝達する媒体)を探している。伝統的にはそれが映画・テレビ・本などであるが、最近の最たる例としてはやはりPCインターネットとi-mode(モバイルインターネット)であろう。
特にi-modeは携帯電話という小さな画面においてもデジタルコンテンツを「しかも有料で」配信する画期的な媒体である。数年前から言われ続けてはいるものの、そもいよいよ市場が頭打ちに近づいていることを改めて実感した(もちろん、年率16%で伸びている市場は他に多くなく、十分成長しているとも取れるが)。
●デジタルコンテンツの次の出口は
デジタルコンテンツの次の出口として最も有力な媒体は、やはり「テレビ」と予想している。当然ながら他の有力な媒体(一部では自動販売機などとも言われている)も考えられるが、テレビはやはり本命と考えている。
実際、新しい動きが出てきた。PS3とWiiの所有者の約半数がネットに接続しているというニュースが2007年8月7日に流れた。
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20354327,00.htm
私は前回も書いたBLOGの中でテレビが次の出口になると主張してきたが、それがいよいよ本格化しそうである。累計販売台数を見るとWiiが276万4000台、PS3が97万270台、Xbox360が41万3032台(エンターブレイン社調べ)のため、ゲーム機を経由してインターネットに接続できるユーザが既に200万人以上もいる計算となる。
今後の販売台数の精確な予測はないが、07年度中に倍増したと想定すると今年度中に400万人がネットにつながることになる。これを市場規模に単純換算すると、200億円相当(モバイルインターネットの接続ユーザが7000万人で3561億円から単純計算)の潜在市場があることになる。
まだ200億円という小さな潜在市場ではあるが、これから多くのコンテンツプロバイダーが参画し、同時に接続ユーザも増えることは明確のため、2?3年後には1000億円程度の市場が形成されると予測している。
●テレビインターネットの課題
テレビからインターネットができる市場を敢えて「TV2.0」(2.0とどこかで言い古された言い方ではあることを重々承知の上で)と呼んでみたい。この市場がきちんと形成されるにはどんな課題があるか。
1.決済手段
i-modeの画期的な決済手段は「コンテンツ課金を月々の通話料金と同時に請求できる」点にあった。しかしテレビとなるとユーザから直接お金を徴収することは難しいため、決済手段についてはPCインターネットと同様の進化が歩まれると考えている。
しかし、セキュリティ標準がまだ確立されていないテレビインターネットにおいてクレジットカード情報を入力してくれるユーザがどれだけいるか、まだ未知数である。テレビにあった決済手段が求められる。
そのヒントとして、「携帯電話やPCで課金」し、テレビで情報を閲覧するという決済手段も考えられるのではないか。テレビの決済画面でQRコードを表示し、モバイルで決済、その際にでたセキュリティ番号をテレビに入力すると決済完了、という流れも不可能ではない。
2.媒体の規格
PCや携帯電話は閲覧する端末の規格(言語の書き方・仕様、共通サービス仕様、携帯電話では画面の大きさ等)がきちんと決められ、コンテンツプロバイダに公開されている。その多くは業界標準や業界団体が定めた規格が存在するため、その仕様に従って開発していけば大きな問題は発生しない。
テレビにおいては製造メーカー6社が設立した「アクトビラ」というサービスを開始しているが、まだユーザから多くの指示を得られていない。状況は流動的である。
「A社製のテレビでは見られるが、B社製のテレビでは見られない」という状況をなくすためにも、早急な規格整備が求められる。
上記のような問題がこの2?3年のうちに解決され、デジタルコンテンツの大きな潮流になることを期待している。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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