デジタルコンテンツビジネスの経営に突然携わることになったら? 私の経験を少しご紹介したい。
●どんな人が運営しているのか
私は前職でいろいろな企業様に対してコンサルティングをしてきた経験から見ると、デジタルコンテンツの運営は極めて「現場主導」のビジネスだと感じている。業種にもよるので一概には言えないかもしれないが、一般的な企業においては新しいビジネスの立上げ、今のビジネスにおける特別企画や改善等、については経営や事業部責任者の判断が必要となるケースが多い。
しかし面白いことに、私が経験した、または話を聞いた多くのデジタルコンテンツ運営会社(ゲーム・音楽・携帯など、またはWEBサービス会社)においては、現場社員がそのほとんどを判断していることが多い。その人のことを多くは「プロデューサー」と呼んでいる。(そうでない会社の方、ごめんなさい)
プロデューサーは通常数名のチームを率いて担当のビジネスを統括している。「高い」収益責任を一手に背負い、あの手この手を駆使して担当ビジネスを伸ばそうとする。その収益責任の高さは並ではなく、ビジネスにもよるが、前年対比20%増から時には200%増というのもある。(ゼロから立ち上げる際にも初年度で数億円というのもざら)
そのため、プロデューサーが持つ権限はとても広く、一定金額の決裁、取引先、人事権、戦略など、基本的なことは全て自由に決めていける。時には経営への報告を求められるが、うまくやり過ごすというのが共通の考え方である。
●そんな事業を経営する大変さ
そんなプロデューサを束ねた事業部や会社を経営するというのは、実に難しい。私はこの数年間、まさにこの立場にいるが、日々頭を悩ませている。
第一に、「なかなか言うことを聞いてもらえない」 企業経営に対しては無関心な方が多いため、組織としてとても成立しづらい。まず話を聞いてもらうようになるまで大変で、さらに自分の意見を納得して動いてもらうまで更に大変である。
第二に、「隣のチームとの連携が薄い」 隣のチームは違うビジネスだからあまり参考にならない(自分のチームやビジネスは特殊)という考えの方が多く、あまり他のチームと連携を取らない人が多い。普段は友達なのに、仕事のことになると一切口出しをしない様子を何度も目の当たりにし、逆にとても興味深い。
最後に、「人間的に魅力的な人が多い」 良い意味でもあるが、下手をするとこちらもそのペースにはまってしまうことがある。私もいつしか中立的な立場を忘れてしまうことがある。いつも俯瞰的な立場に立って考えるには、その人に引き込まれる前に引き込む努力が必要となる。
●どうしたらよりよい会社になるか
これは会社によって大きく異なるだろうが、参考までに私が実施した内容をご紹介したい。
「人間としてぶつかる」
プロデューサーは体を張ってビジネスを作っているので、手前味噌な知識や経験で話をしても逆にひねられてしまうことが多い。逆に人間として真剣に何度も話をしていくことが必要。言葉では簡単ですが、いざ実施してみると血のにじむ努力が必要である。
「人材のローテーション」
プロデューサーをローテーションすることは困難だが、メンバークラスのローテーションを定期的に行うことで、組織間の壁を大きく超えることができた。(むやみやたらにやるのは危険。コツが必要!)
「会社で働いているからこそできるシナジーを生み出す」
担当ビジネスがうまくいくと、そのままお客様やビジネスを持って独立する人が多いことも特徴の一つである。やはり会社で働いているからこそできることを常にコミュニケーションしていくこと、さらにシナジーを生んでいる実感を持ってもらうことが必要だろう。例えば、担当ビジネス以外に横串プロジェクトの責任者を張ってもらう、担当ビジネスがある程度成功したプロデューサーにはすかさず大きなビジネスを任せていく、など様々ある。まさに経営によるマネジメントを発揮する場面である。
絶対にやってはいけないことは、毎年のように組織を変えたり、経営から強烈な指示を与えてしまうことである。これをやると、面白いように急速にやる気をなくして会社を去っていったり、ビジネスも縮小してしまう。よい距離感を保つことが必要のようだ。
上記はたくさん実施した施策の一例に過ぎないが、一つだけ明確に言えることがある。コンテンツビジネスはビジネス間のシナジーが非常に発揮されやすい性質があるため(例えば相互にリンクしたりプロモーションしたりすることが簡単にできる)、組織として機能し始めると、売上や利益が急速に改善していくことである。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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