プロフィールにも書いていますが、私は過去に9年ほど、火力発電プラントの予防保全という分野の営業を行っていたことがあります。
予防保全というのは、簡単に言うと、事故が起きてからの対応ではコスト負担が劇的に増大するため、機器の余寿命などをもとに計画的にリプレースや補修などの計画をしていこうというような考え方です。
私は、これの営業として、火力発電プラントの定期点検の結果や最新の事故事例、新技術などを、顧客である電力会社に提案し、受注するという業務を行っていました。
だから、発電に関わる事故があると興味深く見るのですが、ちょっと信じられないというかショックを受けたのが、志賀原発の臨界事故隠しでした。
あまり、大きく報道されていませんが、この志賀原発で発生した臨界事故というのは、商業用の軽水炉では世界初なんです。
(しかも東京電力でも発生していたと。。。)
品質管理とか安全とかで日本人は世界一だと自負している方が多い中で、この事実はちょっとショックです。
発電事業に携わる多くの人は、並々ならぬ責任感とプライドで、発電所の運用に携わっていました。
これは本当のことで、私自身、あれほど辛くてしんどい仕事はもう二度と無理です。
実際、事故の際には、すごい緊張感の中で仕事をすることを強いられますし、実際にあれ以上の緊張感を今の仕事で感じたことはありません。
(私は、担当先で死亡事故の経験はありませんので、事故と言っても機器の故障です。)
だから私にとっては、事故を隠すというのは、現場のあの人たちの努力そのものを冒涜するもので、そういう意味で、酷い話だと。
メーカーで行う事故後の原因究明や再発防止策の検討に費やすエネルギーってすごいんです。
ほんとうに。
それを隠してしまっては、どうにもならない。。。
業界には水平展開という用語があります。
ある発電所で不具合が発生すると類似するプラント全てに同様の対策を施すという意味なんですが、隠蔽をしてしまってはこれがスムーズに行われない。
必死で改善策を考えた人たちの努力が報われない。
ちなみに。
制御棒の脱落については報告を義務化するとのこと。
あれは、私的には無駄です。
だって、報告を受ける側が知識が無いんだもん。
知識が無い人に、高度に技術的な内容を報告しようとすると要約するしかない。
要約したらしたで伝わらない。
実は、大したことが無くてもそのこと自体の区別がつかない。
重要なことでも同じく。
結局、面倒くさくなって隠蔽をする。
報告を義務化するぐらいなら、政府の職員を安全担当として、現場に常駐させればいい。
そうすれば、給料の出元が違うから、電力会社に気を使う必要も無いし。。。
それぐらいの、無駄な人材は十分にいるだろうに。
事故の度にその人にボーナスでも出せば、大喜びでなんでもかんでも公表してくれるのでは?
できれば、質の高い再発防止策には、現場の人が均等に評価される仕組みがあればいい。
現在のような、事故の際のペナルティだけでは、現場は本来のやりがいを見失ってしまいます。
マスコミもいけない。
なんでもかんでもヒューマンエラーに持っていく。
ヒューマンエラーにするから、「次から気をつける」とか「誰それを解雇しました」とかで、お茶を濁されてしまう。
現場で努力している人たちが、もっと報われることを切に願います。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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実は、「制御棒が脱落する」事実自体がかなり衝撃的です。
原発の安全性の根幹なので。
実は、沸騰水型の原発が制御棒を挿入するのに、下から押し上げていることは知りませんでした。