先日、あるオープンソースを公開・開発している会社の代表と会食してきた。
今まで時間とお金をかけて開発し、さらに現在でも高いお金で販売可能なソフトウェアを無償公開するというのはかなりの「英断」だと思うけど、先を見据えた戦略をお聞きしてナットク。
開発したものを「オープンソース化する」というのは、モノを販売する時代では考えられなかった戦略であり、今後がどうなるのか楽しみだ。
さて、前回では SNS と Wiki を取り上げたので、今回はオープンソース第2弾としてCMSについて書いてみよう。
CMS とは何かというと、Content Management System、日本語でいえばコンテンツ管理システムである。
CMSというとたまに聞こえてくるのが
といった誤解だ。
営業マンが売り文句として使ってしまうのかもしれないが、CMSというのはあくまで「管理システム」であって、簡単にページが創れるわけではなく、またSEOの効果が上がって検索結果の上位に表示されることが保証されたりもしない。
当たり前だが見落としがちなのは、システムに入れていくコンテンツ(写真や文章など)は自分で用意しなければならない。
CMSの大きな特徴は「管理が格段にしやすくなる」ということだ。
管理が楽になった結果として、SEOの効果を高めやすくなったり、ページを更新する際の手間が軽減することはある。
この特徴を理解してCMSを導入すれば、非常に大きな効力を発揮するのがCMSの魅力である。
企業向けの大規模CMSではなく、オープンソースとして公開されている中小規模向けのCMSは大きくわけて2つのタイプがある。
ブログも広義に解釈すれば立派なCMSだ。ソースが公開されているブログ型の代表格が、MovableTypeである。
と、ここで補足説明しておくと、MovableTypeはGPLなどのライセンス形態で頒布されているオープンソースではない。
個人利用向けには無償で使うことが許可されていて、ソースが公開されているだけであり、「ソースが公開されている」という意味で、ここではMovableTypeを取り上げている。
オープンソースとしては WordPress が海外では非常に有名だ。
国内では、日本語での出版物やネットの情報が少ないため MovableType の方が有名だが、WordPressも完成度が高く、今でも日々進化している。
ブログ型に対して、ユーザ管理やフォーラムなど、コミュニケーション機能などが充実しているのがコミュニティ型のCMSだ。
こちらの代表格は、国内では XOOPS(ズープス)CUBE だろう。
ユーザのログイン機能など、コミュニティサイトに必要な機能はほぼ全て揃っており、さらに実に様々な機能が有志によって開発されている。
XOOPSを使えばインストール方法さえ理解できれば、プログラミングせずに高機能なサイトを立ち上げることが可能だ。
ただXOOPSの管理機能は少し複雑で、またレンタルサーバで運営していると反応の遅さにイライラすることもある。
「重さ」はXOOPSだけに起因するとは言えないが、簡単に機能追加できるために油断すると複雑化しすぎて速度の低下につながっている例も散見する。
XOOPSは XOOPS Cubeとして日本語ドキュメントや日本語サイトが充実しており、国内では人気のCMSだ。
海外に目を向けると、mamboやそこから派生した Joomla! といったCMSなどがある。
非常に秀逸かつ高機能なのだが、国内ではほとんど活用例がない。
やはり英語での情報が多いため、日本人には難しいのかもしれない。
これらのCMSが普及していくのに大きく影響しているのが、レンタルサーバ会社の存在だ。
近年レンタルサーバ業界は、サーバのスペックだけでは差別化が難しくなってきたため、プリインストールのアプリに力を入れ始めた。
そこで各社が目を付けたのが、ライセンス料金が発生しないオープンソースである。
現在 XOOPS や MovableType は、大半のレンタルサーバにプリインストールされているか、導入方法マニュアルが存在している。
対して WordPress や Joomla! の対応をうたっているレンタルサーバは非常に少なく、これらが国内で普及していない原因もこの辺りにあるのかもしれない。
さて、これら CMS は特徴を理解して導入すればとても有効なツールとなるのだが、使い方を間違えると期待値以下の効果しか発揮できない。
個人的なサイトならともかく、企業サイトやビジネス展開のためにいい加減な説明をされて XOOPS や Joomla! を導入してしまうと、思ったような効果が出ないだろう。
こうした点で (そんな説明でいいのかな?) と気になるサイトがけっこうある。
ツールは正しい知識で正しく使ってこそ最大の効果を発揮するものだ。
またこれらのCMSは初めからある程度の機能が整っているため、ゼロから開発する場合に比べてコストは下げることができるが、ちょっとしたカスタマイズや機能追加でも実はカンタンじゃなかったりする。
ご提案先のお客様と話をしていて、この辺りも誤解されてしまうことがある。
次回はこうした誤解を解消していこう、と思っているけど、久しぶりに SecondLife の話題を取り上げる、、、かも?
※Geeklogも近い内取り上げたいと思っております。。。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
tadashi on 2007/05/23
>>木下さん
コメントありがとうございます!
そうですね、Geeklogはもちろん存じ上げております。
実は、今回の記事の一番下に「※」マークを付けて注意書きをしたのですが気づきにくいですね^-^;
CNetのブログもいつも読んでいますし、取り上げたいと思います。
かみやひろゆき on 2007/04/25
>>tadashiさん
NetCommonsの情報ありがとうございます!
そうですね、オープンソースと言っても Linux と XOOPS とでは大分違います。
LinuxやApache、MySQLといった「下」のレイヤーはかなり成熟してきており、これからはその1つ「上」のアプリケーションが発達してくると思っています。
で、このブログ記事を書いている次第。
NetCommonsの名前は聞いたことがありましたが、詳しく見たことはありませんでした。
さっそくイロイロと試してみたいと思います!
かみや on 2007/04/25
木下です。
この読者ブログの中でも今駒さんが書かれていますが
http://rblog-ent.japan.cnet.com/geeklog/
管理が直感的で楽なCMSとして
Geeklogも頑張っています。
http://www.geeklog.jp/
kino on 2007/04/24
早速、XOOPS Cube とりあげていただきありがとうございます。
一点なんですが、オープンソースといっても、Linux のように、基礎的なレベルのものと、XOOPS のようにアプリケーションとしてすぐ使えるものまで幅広くあります。XOOPS のようなレベルのアプリケーションで、後発の場合にはオープンソース戦略をとるしかありません。XOOPSベースの教育ポータルを開発している国立情報学研究所の新井紀子先生と話す機会があるのですが、同じ意見でした。強力なオープンソースの競合が存在している状況で、有料の後発製品を出すことは不可能です。
次は、ぜひ netcommons の記事お願いします。開発のリーダーが女性数学者で、開発母体が国立情報学研究所という珍しい体制です。
http://www.cec.or.jp/e2e/symp/18tokyo.html#1
で、朝早くからの実習コースにもかかわらずNetCommons のブースは満員でした。関心の高さがうかがえます。
ただ、まだ知られていません。
http://q.hatena.ne.jp/1177163028
東京工業大学
http://www.coe21-lkr.titech.ac.jp/j/
東京大学
http://hope.iss.u-tokyo.ac.jp/
国際基督教大学
http://nc.icu.ac.jp/nca/
で使われています。
派手でないのであまりしられていませんが、
tadashi on 2007/04/23
ブログにコメントするにはCNET_IDにログインしてください。
メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。
Linux World に netcommons でますよ。
XOOPS Cube もでますので、よろしく。.org pavillion ですけど、geeklog さんもでますね。
なお、xoopscube.jp はおかげさまで、登録ユーザーが2万5000人を越えました。来年は、3万人を目指したいです。