ベータ 対 VHS戦争はアダルトビデオ業界が支持したことが決め手で雌雄が決したという伝説がある。
ならば、BD 対 HD DVDはどうだったのか? 昨年、「CES 2007で米国のアダルトビデオ業界はHD DVDを支持」 と書いた。日経BPでも同じ内容の報道があったようにアメリカのアダルトビデオ業界はHD DVDを支持し、この構図は1年後も変わっていなかった。つまり、アダルトビデオ業界に支持されたにもかかわらずHD DVDは規格競争に敗れたということになる。なぜだろう?
まず、前回のビデオテープ戦争の時のポイントがアダルトビデオ業界の支持という仮説が間違っていたことだろう。むしろ、麻倉氏が指摘するように家庭録画で1時間録りが基本のベータに対し、基本2時間、長時間モードで6時間というVHSの方が容量が大きかったことが重要だと考えられる。今回も容量が大きいBDの方が勝つことになった。家庭録画でVHSが優位に立ったためレンタルビデオでもVHSが多数派となり、その結果最終的な決着を決めるポイントとなった。しかし、レンタルビデオの前の家庭録画という市場段階で差が開いていたのだ。
また、アダルトビデオに関して言うとそもそも高解像度ビデオパッケージよりもネットでのダウンロード販売や、リッピングが日常化しているDVDの方への関心が高く、市場として成熟するに至っていないという状況が大きかった。次世代ディスクでないと駄目な決定的な要因がでず、人が集まる段階にまで至らなかったという状況だろう。
ベータ対VHSの時はそれに代わる媒体が無いに等しく、Uマチックとかはマニア向けもいいところだった。代替手段は映画館ぐらいという状況でアダルトビデオ業界の支持は確かに規格争いの決定要因のひとつだったろう。
一方、2007年、2008年において、ネットダウンロードにDVDとあるなか、次世代ディスクメディアへと向かわせる要因は乏しい。
本格的な普及期を前にハリウッドが規格争いに終止符を打ったのは結局のところ戦いを続けさせて媒体費を安くさせるよりも、媒体を絞ってネットやハードディスクとうい競合に勝たせようという意欲が高かったためだろう。
BD市場がこれからどれだけ育ち、どれだけの寿命を持つのか予想は難しい。しかし、今のDVDでは画質的に無料のデジタル放送に負けていて、かつ意図せざるコピーというリスクもあるなか、コンテンツホルダー側が世代交代を強いたいじょう、パッケージ販売されるビデオの世代交代は案外早いだろう。
追記
企画 ⇒ 規格と誤変換を修正しました。ご指摘ありがとうございました。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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VHS対βは、スーパーボールの録画時間で決まったという伝説もありますね。確かに日本の場合はレンタルのアダルトビデオが勝敗を分けたという伝説も私は知っています。
それはともかく、マニア以外は画質云々より、どのくらい長時間録画出来るか?がポイントなんだと思います。
ビデオが出始めのころはテープ自体も高価でした。
今のBlu-rayの録画媒体も、マニア以外はおいそれと購入できる価格ではありません。
(レコーダーがプレーヤーより売れているのは日本だけですが)
結局のところ、一般の人はDVDで十分で(リッピングしたもの含めて)、
無料で見れるならP2Pで流れているものでも十分なのだと思います。
これは世界的な傾向だと思います。
一方、大手の映画会社はBlu-rayに早く移行したいと考えますが、中小のコンテンツホルダーやアダルト業界はBlu-rayにシフトするのに高いハードルがあります。
それは、AACSコピーガード代の高さです。これは必須で、アダルト業界は500本販売出来れば売れた方という状況において、ただでさえ、オ−サリング代、スタンパー作成代、が高価であるのに、販売本数で割るととても商売しようと思う金額ではなくなります。
これは、中小のコンテンツホルダーも同様で、DVDみたいにどうせリッピングされるからと言って、アナログのコピーガードを契約しないでプレスするという状況にはいきません。なにしろ、必須項目なのですから。
すなわち、アダルト業界はネット配信やDVDで商売していく。
中小のコンテンツホルダーはDVDで商売していくという構図は、現在のBlu-rayのプレスをとりまく状況が改善されない限り崩れないと思います。
消費者にしてみれば、DVDプレーヤーの前例があり、近い将来10,000円を切るプレーヤーが販売される事を期待し、無理に"今"購入する必然性を感じていないと考えます。