最終更新時刻:2009年11月27日(金) 19時32分
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ソフトバンクのMNP障害: Windows 95式販促の功罪

公開日時:
2006/10/30 01:35
著者:
坂本多聞

¥0(注釈多数)で予想外を打ち出した、孫正義氏率いるソフトバンクモバイル。10月27日と28日のMNP(携帯番号引継ぎ制)処理でのシステム障害が起きたが、その根本には、サプライズで奇襲をかける通信業界からしたら「常識はずれ」な経営手法があると疑われても仕方ないだろう。日本の通信業界は、予定外停止や障害の拡大を嫌う体質があり、慎重にサービスを設計する。それが設備過剰とか料金の高止まりにつながると批判されることも多いが、インフラとして止まらないことを求められるがゆえの身に付いた性だろう。

売り切れが通じない情報・通信産業という宿命

情報・通信産業は因果な商売だ。需要が多すぎてシステムが止まると非難を浴びる。これがもし、食品とかゲーム機器とかで目に見える在庫が必要な財であれば、品切れでものが無いことが目に見えるのでそれほどは非難を浴びない。一昔前の国産米不足騒動とかあったが、冷害で出来が悪かった農家はもちろん、冷害に強いよりも味覚を優先させた品種選びをした農協とかもあまり
非難されたりはしなかった。

しかし、情報システムにおいて、過負荷によるシステムダウンは理解してもらうのが難しい。直接的には目に見えない、処理能力が実は限りがあり、需要が多すぎたら売り切れるのだということは、なかなか理解してもらえない。

店頭販売で育ったソフトバンクが持つ違うDNA

ソフトバンクはその名前の通り、パッケージソフトの流通から事業を始めた会社であり、出版事業との両輪で需要創造と販売の両方を手がけてきた。パッケージソフトウェアはその価格に比べて製造コストがかなり低いという特性を持つ。出版も多数刷っておいて、余ったら捨てるほうが、ごく少量刷るよりも割安だという特性がある。このため、多めに在庫を用意しておいて、ニュースで需要を喚起していくという発想につながりやすい。Windows 95/98の深夜販売の熱狂を覚えている人も多いだろう。あのような盛り上げで「嬉しい悲鳴」状態を作ると余計に欲しい人が波状的に増えるのだ。

このシステム障害がそれだけ人気があるという証拠の一つとして需要を煽るのか、はたまた、そんな不安定な携帯電話など使っていられないと信頼ともに人気が落ちるのかに私は注目している。いずれにしろ、異分子が携帯電話業界に入ったことで業界が活性化されていることは間違いないし、まだ、肝心の電話サービスへの障害までは波及していない。

Yahoo! BBにおいても初期トラブルは多かったが、ブロードバンドを安くして広く普及させるという理念は現実化させることができた。携帯電話という成熟市場でも大きな成果を出せるのか?それとも、失敗に終わるのか?いずれにしろまだまだソフトバンクモバイルから目が離せないし、他の会社が刺激を受けてよい方向へ変化してくれることを期待したい。

 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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