『「ユビキタス社会」という言葉は誤用』と中島聡氏が主張されている。本稿の末尾に引用したように"ubiquitous
society"でググられるとどれもが日本人であり、恥ずかしい誤用だというのだ。
確かに、2006/9/30時点で 39,000 件ヒットし、日本人のエントリーが目立つのだが、"ubiquitous society" -jp -japanese -Japan -nec -Fujitsu という日本関係のエントリーを減らすパラメータを付けても13,300件ヒットする。39,000件ほどある検索結果のどの程度チェックされたか分からないが、日本でしか通じない表現とはいえなさそうなことが分かる。
実は、更に韓国系を減らすパラメータ -kr -koreaを付けると、一気にヒット件数が743件に減り、日本発なのかもしれないがすでに韓国でも使われている表現だと確認できた。日韓以外でこの表現はかなり少ないが、東欧とかあちこちのサイトや言語で書かれていることは確認できた。
さて、これが英語として「誤用」なのか?「Inoformation Age」とか造語的な概念が新たに生まれて、いくつかは定着し、いくつかは忘れ去られていく。「情報化時代の次にユビキタス時代が来る」という表現を誤用と言い切れるのか?逆に日本発の言葉として世界に定着する可能性もあると思うのだが、英語圏でどう言うのか、別の表現があるとご存知の方はコメントいただけるとありがたい。
「情報の読解力が重要となるWeb 2.0時代」と書いたように、今、情報の正しさを見極めることが常に求められている。ネットコミュニティ内で誤用論議も時々出るのだが、折りしも、SurveyMLというメーリングリストでのネットレイティングス社長萩原さんのエントリーで以下のように、CGMという言葉が和製英語で、英語圏では主に、User Generated Contentと呼ばれていると指摘があった。
いまさらな話なんですけど、海外の CGM事情について調べ物をしているうち、CGM という言葉自体が英語文書ではあまり出てこないことに気付きました。どうやら、我々が CGMという言葉を使っている場面や文脈において英語圏の人
たちは UGCと言っているケースが多いようなのです。この点、Google のフレーズ検索でも明らか。
ウェブ全体検索 日本語ページ検索
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Consumer Genareted Media 386,000件 53,300件 (13%)
Consumer Generated Content 166,000件 96件 (0.06%)
Consumer Generated Contents(誤用) 133件 90件 (68%)
--------------------------------------------------------
User Generated Media 56,000件 217件 (0.4%)
User Generated Content 5,730,000件 24,200件 (0.4%)
User Generated Contents(誤用) 861件 8,400件 (n/a)
--------------------------------------------------------
ここで「誤用」とされているのは、Content Management Systemといった用法でContentをContentsと複数形にしてしまうのは、英語的に誤用だということを指す。a table of contents で目次と訳すのしか学生時代習わないからか、contentsと言う方が収まりがいい気が私もするが、 Wikipedia の http://en.wikipedia.org/wiki/Content_management_system のページでcontentが散々でるのに一度も複数系にならないように、どうも英語的にここは単数形が正しい表現のようなのだ。
だから、
ユビキタス・コンテンツなどの応用もきく。
という中島氏の表現は英語的には誤用なのだが、ここは、日本語としての閉じた世界があって日本語としては2006年の9月現在間違った表現とはされていない。結局のところ、言葉が正しいか正しくないかは用例的に多いかと通じやすいかという相対的な要素が大きいのだ。誤用は誤用として理解しつつ、消化していくことがWeb 2.0的な情報の対処法ではなかろうか?
引用:中島氏のエントリー 9月30日時点
「『ユビキタス』と言えば『ユビキタス・コンピュータ』のことに決まっているじゃないか」という声も聞こえてきそうだが、そんな誤解をしているのは、一部
の日本人だけ。百歩譲って、「それは和製英語」とわりきるのも手だが、そんな誤用を普段からしていると、英語の文章を書く時に、"ubiquitous
society"などとついうっかり書いてしまって恥を書くことになるから気をつけた方が良い。実際、"ubiquitous
society"でググって見ると、わんさかと英語の論文が出てくるが、どれもこれもが日本人の書いたもの(参照)。アチャー、指摘するのが遅すぎたのかも知れない…
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