ネットのクチコミを使って販促する試みは、パソコン通信が勃興すると共に始まっており、実は結構長い歴史がある。企業はいろいろなことを学んできたはずなのだが、1999年にDoCoMo埼玉広末掲示板の攻防戦を経験したDoCoMoがプッシュトークSNSで炎上で閉鎖と失敗を繰り返すなど、失敗の話は尽きない。また、炎上が怖くてクチコミ販促に踏み切れない企業も多い。
しかし、ネットを通したクチコミが購買を左右する上でとても大きな要素となっている今、直接コミュニティに関わるにしろ、間接的に勝手サイトに付き合うにしろ、ネットコミュニティを無視した販促は成り立たないジャンルが増えている。たとえば、携帯・PHSのような商品ではウィルコムの躍進、ボーダフォンの苦境の両方ともネットを中心としたクチコミの役割が大きかった。
そんな、ネットクチコミとの付き合いが避けられない時代において、その世論を味方にするための失敗・成功の法則を掲示板・コミュニティ管理人をやってきたという経験から紹介しよう。
1. うそは、致命的なものほどばれやすい。
ネットコミュニティを盛り立てるために、さくらになって書くというのは実はよくやられてきたことなのだが、主婦を使って主婦の知恵的なことを書く(断っておくと、私の昔の勤め先ではやっていない。)とかいう範囲では問題となることは少なかった。しかし、ウォークマンAブログ炎上事件のように、プロが素人の振りをするとかいう致命的なものはばれやすい。
そもそも企業人たるもの誠実でうそはつかないように教えられ体に見についているので仕事でそういう役割を演じるというのはなかなか上手にやるのは難しいのだ。
2. プロデューサーは情熱を持つ当事者で。雇われ管理人ではこじれやすい
当事者が情熱を持ってあたっていればそれほどひどいことにはなりにくい。投稿削除とかもそうすべきと確信を持ってやったはずであり、その余波を受けても腹をくくれるのだ。これが雇われ管理人だと、依頼主から規約違反は削除とかの指示に従うことになるが、場の状況から見て違う対処を取るべきと思われても臨機応変に対処できないとか、いろいろ難しいのだ。
3. ネットコミュニティはまちまち。
DoCoMo埼玉広末掲示板の管理責任者はNIFTY-Serveで当時最大のコミュニティの管理責任者だった人であり、ネットでの経験はいろいろもたれていた。それが結果として、あめぞう/2ちゃんねる の人々と戦ってネガティブな結果となったのは場によって違う常識や正義があるのだということなのだろう。
成功するためには?
では、成功するためにはどうすれば、どうあればいいのだろう?
まずそのコミュニティに対して十分な権限、責任、そして自信をもち、なおかつ情熱をもって当たれることが必要だ。真摯な批判、面白半分の誹謗中傷、いろいろ来うるのだが、言動に自信と確信をもてればそうは場が荒れるものではない。
また、誠実さや真摯さも必要だ。参加者を欺こうとか思っていては勤まらない。
そして、コミュニティ参加者は何をモチベーションとし、どうすれば喜ぶかを常に意識して億個とも重要だ。
たとえば、ウィルコムのW-ZERO-3と[es]が支持されているのは、ユーザーの声が届いて製品に反映されているということが分かりやすく伝わっているからだろう。ここまでくると、ネットクチコミから支持されるかどうかは、単なるネット対策という工作班がやるような仕事ではなく、企業経営・製品戦略そのものであることが分かる。
ネットクチコミでの成功の鍵は、優れた担当者とその担当者の行動を許す優れた組織の両方が必要だ。従来、自分で責任が取れる社長のブログが目だっていたが組織が対応していけば、現場の担当者が前面に出るネットコミュニティが広がることだろう。そして、自前でネットコミュニティに関わるにしろ、関わらないにしろ、うまく付き合っていく能力は企業経営に欠かせない資源の一つになりつつあるという今の現実を思い知るときなのだ。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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