NBCユニバーサル、かつての仇敵YouTubeと提携 - CNET Japan とか、YouTubeついに訴えられる(by 弁理士でBIに強いITアナリストの栗原潔氏)とか、そこで言及されているUS CNETの記事に逆の立場の見出しをつけたCNET Japanの記事とかこのところYouTubeの名前がニュースにならない日は無い感じだ。
そのYouTubeにアップされたテレビ番組映像に対してCNET Japan Blogの中島聡氏は
YouTubeを使ったテレビ番組の『引用』の合法性に関する一考察の中で以下のような一石を投じられた。
この第32条に照らして言えば、新聞の記事全文をそのままコピーしたものをブログのエントリーにしてしまうことは違法であるが、ブログで自分の意見を表明するために新聞記事の一部を『引用』するのであればなんら問題はない。
それとまったく同じことがYouTubeにも言えないだろうか。テレビ番組や映画を細切れにしてアップロードし、全編を見れるようにしてしまこと
は違法だが、番組の一部をYouTubeにアップロードして、それに関する自分の意見をブログで表明することは、著作権法でも認められている『引用』に相
当するのではないだろうか。
「専門家の意見をぜひとも聞いてみたい。」とも後続でおっしゃって自分は専門家では無いという予防線を張られているようではあるが、ネットに文章を書く人が自分は不勉強であると自白されるのも不見識だと思うのでその問題点を指摘しておこう。
まず、上記「新聞記事の一部を『引用』するのであればなんら問題はない。」という表現は不正確であり、むしろ、日本の著作権法の解釈を間違えているといえる。著作権法で認められた引用というのは、自身の弁論のために合理性、必要性がある範囲で出典を明示してなおかつ、引用が従で主張が主という関係であることが求められている。つまり、全体か部分かというところは本質的な問題ではないのだ。
また、ブログで論評するためにYouTubeに番組の一部をアップする行為が引用として認められるかは、必然性や合理性が無いと難しい。私の旧友であり、尊敬するライターでもある佐藤信正氏が書かれたうたのおねえさんのアートがネットに与えた衝撃!!では「画伯」の絵を模写を使って引用されていた。これだけでは絵にあわせて描かれる様子がないからYouTubeの動画を見たくなるのは道理なのではある。しかし、佐藤氏のこの鋭い論述が模写を使った引用で済んでいることを考えると、ブログでちょこっと感想を書くことに付随して番組の一部をアップし、閲覧する行為を合法的なものとして今の法律で説明するのはやはり難しいと考えるのだ。
いずれにしろ、栗原潔氏が書かれたように、ナップスターがあってこそのiTunes Music Storeであり、古代ローマを震撼させたフン族の王アッティラのようなYouTubeはきっと何らかの形でユーザーのニーズに応える、カール大帝(シャルルマーニュ)のような新時代の王者を生む先駆けとなることだろう。また、「オンエアー」されたら消えて無くなってしまうという今の日本の放送のあり方に不満を持ち番組を共有しようという草の根の動きも止むことはなかなか無いだろう。
ほとんどの人が法律を守らず、そしてコンテンツを作った元もとの著作者があまり報われないという今の現状は憂慮すべき状態であり、法律や著作権者が歩み寄ってでも折り合いをつけて進化して言って欲しいと私も願っている。しかし、『引用』という法律用語を恣意的に使ってこじつける中島氏の記事は無理があると思うのだ。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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さすが、2006年のネット業界の主人公YouTubeということで某SurveyMLでもこの話題が出ています。
そこで、大阪市大の中野潔さんから著書「サイバージャーナリズム論―インターネットによって変容する報道」からの
2003年春に、批評のための引用として動画を無許諾複製する問題について
論じられた著書からの部分転載を紹介いただきました。
http://www.media.osaka-cu.ac.jp/~kiyoshi/papers/movie_quatation.html
評論されているように、「共同による正当な行為」という概念を作って考えてなおかつその論評が有意で、動画の引用が必然性を持てば... とか二つ事実と違う仮定を積み重ねないといけないので、「YouTube」を引用と今の法律で主張するのは、裁判で勝てる確立が低かろうと思います。