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    Yahoo!JAPANがGoogle検索エンジンを採用、ユーザへの影響は?

    2010-07-28 22:14:12

    プロフィール

    渡辺隆広

    日本でSEOを始めた第一人者として知られるアイレップサーチエンジンマーケティング総合研究所 所長の渡辺隆広氏が、競争の激化する検索市場をビジネス、マーケティング、テクノロジーの各方面から掘り下げます。
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    2010年7月27日に、Yahoo!JAPANがGoogleの検索エンジンと広告配信システムを採用する[SEMリサーチ]が発表されました。業界にとって大きな変更ですが、今回は「ユーザへの影響」の観点で考えてみたいと思います。まず第1に、大多数のユーザは検索サービスが何の技術を利用しているかは知りませんし、関心がありません。Yahoo!JAPANが2001年4月1日にgooからGoogleに切り替えたときも、2004年6月にGoogleからYST (Yahoo! Search Technology)に切り替えたときも、ユーザは騒いでいませんし、気がついていない人も多かったですね。よって、今回も一般ユーザに影響はないでしょう。ただ、業界関係者として、今回の変更で検索利用者に変化はあるのか?という点に関心があります。この点について、ウェブを見ていると「GoogleユーザがYahoo!に流れる」という意見と「いや、変わらない」という意見があるようです。

    GoogleユーザがYahoo!に流れることはない

    私は当初、「Google検索ユーザがYahoo!JAPANに流れるのかな」と考えたものの、提携内容や検索技術の実装方法などさまざまな点を考慮していくと、実はほとんど影響がない、つまりGoogle検索ユーザがYahoo!JAPANに流れるようなことはないのではないかと考えられます。Google検索ユーザがYahoo!JAPANに流れるのでは、という意見は、「両社の検索結果は(ほとんど)ほぼ同一になる」という前提があります。しかし、この前提が成り立たないのです。理由は次の通りです。

    (1) 同じ検索技術を利用しても、同じ検索体験ができるわけではない

    BIGLOBEサーチやgooは、Googleの検索エンジンを利用しています。では、BIGLOBEサーチで検索して、Googleと同じ信頼感、関連性、体験ができるかというと、NO です。おなじみのロゴがなく、レイアウトも、文字も、形式も異なる検索エンジンは、やはりGoogleと同一のはずですが、Googleではないのです。今回のYahoo!とGoogleの提携内容は、Yahoo!が独自コンテンツをGoogle自然検索に差し込む、検索体験にかかわるUIはYahoo!がコントロールするということですので、バックエンド技術は同じでも、ブランドも画面もまったく違うのです。今日、Googleを気に入って利用しているユーザが、異なるブランドで検索をして、今までどおりの体験を得られるかというと、そうはいえないのではないでしょうか。

    たとえば(gooさん申し訳ない)「明日から1ヶ月、Googleのかわりにgooを使い続けて」といわれたら、ちょっと無理です。実際、半年ほど前に自宅のブラウザのホームページをgooに変えて検索を使い続けていたのですが、1週間ほどで戻してしまいました。そういう人は少なくないのではないかと、特にGoogle使っている人は。

    時折、海外で行われている検索エンジンのブラインド・テスト(検索ロゴを隠して自然検索結果だけを見せて検索品質や満足度を問う調査)が示しているように、検索結果が気に入るのは、そのブランドが表示された検索結果画面であるから、関連性とはきわめて主観的な評価である、という点が多分に影響しています。よって、ブランド・サイトが異なる以上、Googleユーザはそのまま"Google"を使い続けるのではないでしょうか。

     GoogleロゴがでないGoogleは、Googleではないのです。

    私が所属するアイレップで昨年秋に実施した、ユーザの満足度調査でも、Googleの方が(UIの面などにおいて)満足度が高いという結果が出ていました。以上、自然検索結果が(ほとんど)同一であることと、ユーザが同じ経験をするかは別の話です。

    (2) 同じ検索技術を利用しながらも、自然検索結果は異なる(可能性が高い)

    Googleの検索パートナーの検索結果は、Google本家のサイトと検索結果が実は違う、という事実を知らない方が少なくありません。たとえば、米国であればGoogleとAOL Search は、微妙に検索結果が異なります。特にユニバーサル検索や、QDFによる検索結果のフレッシュネスの調整が行われていないため、話題性のあるキーワードでは検索結果が顕著に異なる場合もあります。同様に、日本の検索パートナーである、BIGLOBEサーチやgooの検索結果と、Gooogle本家(google.co.jp)は異なります。米国同様に、ユニバーサル検索がないために複合表示が行われない(パートナーサイトが独自に持つコンテンツを差し込む)、QDFが反映されない、サイトリンクが表示されない、リッチスニペットが反映されないなど、数々の機能の違いにより、自然検索結果は同一ではないのです。

    一例を挙げると、28日午前に報道された、桑田佳祐さんの食道がんで手術のニュース。この時点でキーワード「桑田佳祐」と検索しても、BIGLOBEサーチやgooでは最新ニュースは表示されませんでしたが、Google本家では(話題のキーワードなので)最新ウェブページやニュースが検索上位に掲載されていました。

    さて、問題は今回のYahoo!JAPANへのGoogle検索エンジン提供が、Googleのどこまでの検索結果セットを含むかが問題。これは公式発表資料を見ても、インタビューを見てもまったく言及されていないのでわかりません。しかし、過去のGoogleの検索事業提携の事例を見る限り、Googleとまったく同一の検索結果がセットが提供されたことはないという事実を考えると、今回も「ウェブ、画像、動画の自然検索データ」が供給された上で、Yahoo!JAPANの数々のカスタマイズが施される結果、Googleとは実質的に異なる検索結果のセットが表示される可能性は否定できません。

    また、パーソナライズ検索やソーシャル検索など、Googleがアカウントと連携して展開している各種検索サービスもYahoo!JAPANでは導入されないことを考えると、GoogleとYahoo!JAPANは同じ技術をベースにしながらも、独自性の強い、異なる検索サービスが並存することになります。

    このように、機能的にも異なるのであれば、(Yahoo!JAPAN検索ユーザがGoogleに流れないことはおいておいて)Google検索ユーザがYahoo!にこれを契機として流れる、というのも、うん、その可能性はあまりないんじゃないでしょうか。結局、冒頭で触れたとおり、大多数のユーザにとって影響がないという結論になりそうな気がします。

     

     (いろいろな見方があると思いますので、ご意見お待ちしております)

    ※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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