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    「PageRank購入」の標的となったW3Cとその結末

    2006-10-06 13:55:02

    プロフィール

    渡辺隆広

    日本でSEOを始めた第一人者として知られるアイレップサーチエンジンマーケティング総合研究所 所長の渡辺隆広氏が、競争の激化する検索市場をビジネス、マーケティング、テクノロジーの各方面から掘り下げます。
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    まず、W3C Supporters Programその詳細ページをご覧下さい。これはウェブで利用される技術の標準化をすすめる団体・W3Cのサポーター紹介ページですが、よく見ると何やら企業名や団体名ではなさそうなキーワードが並んでいます。例えばRSS FeedsやOnline Casino Newsなどなど。実はこれ、W3Cを支援する目的で掲載されているのではなく、SEOの外部リンク獲得目的で掲載されているのです。

    今回はSEOの標的となったW3Cサポータープログラムのページを巡るPageRank購入とその顛末についてお話をしたいと思います。

    さて、W3CのトップページはGoogleツールバーで「10」、先述した2つのページはそれぞれPageRank 9、6を示しています。Googleから重要度が高いと評価されているページですから、検索エンジンで上位表示したいマーケッターは優良なリンクを獲得するために、これらPageRankが高いページに自分のサイトへのリンクを掲載したいと考えるのは当然です(なお、PageRankの高低によって外部リンク獲得先を決めるというその判断基準そのものが時代遅れであり、それに囚われること自体がナンセンスですがその話題は別の機会に)。

    ところでW3Cサポータープログラムにリンクとともに掲載するには、日本円にして年間11万円程度の寄付金をW3Cに支払うだけでOKです。月額換算にして約1万円です。外部リンク対策はもともと時間・金銭コストが多大に発生する作業であり、思い通りに”優良な”(この文脈では、PageRankが高い)ページからリンクを獲得することは困難であり、こうした観点から価値判断すれば PageRank 9 のページに対して1万円は決して高くはありません。

    そこで多くのSEOマーケッターがW3Cに”寄付金”を支払って、SEO的に好都合なキーワードをアンカーテキストにしてリンクを掲載してもらい、その結果、色々なキーワードが並んだ、冒頭に紹介したようなページになってしまったわけです。

    しかし、Googleをはじめとする検索各社はこうしたSEO目的のみを考えたリンク購入を許容しているわけではありません。

    ページからページへのリンクを支持投票とみなし、そのリンクの接続性によって各々のページの重要度や価値を測る手法を採用している検索エンジンにとって、そのリンクが金銭による売買によって不正に構築されてしまえば、結果として不正に歪められた検索結果が生成されることになり、真に参考になる情報を探したいユーザー、そうしたユーザーのニーズにこたえたい検索会社双方にとってメリットはありません。

    確かにナビゲーション手段としての検索エンジンの重要性が高まり、検索におけるWebサイトのファインダビリティがネットで事業展開する企業にとってクリティカルな課題となる今日において、マーケッターは検索エンジンで上位に表示するためにあらゆる手段を講じたいでしょうし、もっとも検索順位に影響を与えるリンクを操作したいと考えるのは当然です。しかし、それの行き過ぎは検索エンジンスパムであり、W3CのようにSEO目的”のみ”でリンク購入をするのは、少なくとも適正な方法とはいえないのです。PageRank技術の登場によって、”リンク”というWebページ間のつながりを持たせる要素に金銭的価値が付与され、それが人々の間で売買されるのは当然の成り行きであるとはいえ、少なくとも検索会社にとってそうした行為に対して何もせず、放置しておくわけにはいかないわけです。

    Googleはこうした対抗策の1つとして、明らかにPageRank販売を行っているサイトからのリンクを評価しない、インデックスから外すなどの対策をしているのですが、今回のW3Cに対して、どんな結果になったのでしょうか。

    それは、W3Cが該当のページのMETAタグで、リンクをクロールさせない nofollow をつけることで決着がつきました。GoogleがW3Cに対して命令などできませんから、W3Cが自主的につけたものと思われますが、その結果として、無関係な(寄付金はくれるけれども支援する気がまったくない人々)が申請することもなくなりますし、検索エンジンの順位に影響力が及ばなくなるなどの貢献ができると考えたのでしょうか。

    ただし、現実にこうした nofollow タグをわざわざつけてくれるサイトというのは少数派であり、むしろ新たな収益源を獲得するために積極的に(検索エンジン対策用に)リンクを販売しているサイトのほうが増加傾向にあります。先述したとおり検索エンジン対策上の問題からリンクに金銭的価値が生まれた以上、それを売買したい個人・企業が現れるのはこの世界で生活する以上は当然ですし、Googleはあくまでみんなに、お願いという要請しか出来ません。けれども売買されるリンクが増加すればするほど検索結果の適合性が脅かされるリスクは増すわけです。そこでGoogleは現在のリンク分析アルゴリズムを一歩進化させようとしているわけで、それが "Trusted Link" や "Authority" の概念といわれています。その話は次回への続きとします。

    ※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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