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「検索結果から外されて損害を被った」とGoogleを提訴

2006/03/22 17:57
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渡辺隆広

日本でSEOを始めた第一人者として知られるアイレップサーチエンジンマーケティング総合研究所 所長の渡辺隆広氏が、競争の激化する検索市場をビジネス、マーケティング、テクノロジーの各方面から掘り下げます。
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米国の子どもを持つ親向けのサイトKinderStartが、Google検索ランキングから外されて多大な損害を被ったとして、米カリフォルニア州サンノゼの連邦地裁にGoogleを提訴した、というニュースが先週末流れました(SiliconValley.com)。訴状によると、(1) 2005年3月以降、トラフィック及びPVが70%減となりその後1年間の月間平均PVは前年までのわずか30%に、(2) アドセンスによる広告収入が80%減少などの被害を被ったそうです。

KinderStart alleges Google has engaged in anticompetitive behavior and misled the public by positioning its search engine as an objective source for finding Internet content. The suit seeks unspecified financial damages and a court order that would require Google to change its ways. (SiliconValley.comより)

Googleで site:www.kinderstart.com と検索すると一応 29,800件と表示されますが「補足結果」を多く含んでいること、PageRankが0になっていること、kinderstart と検索しても同サイトが1位に表示されないことから、何らかの理由でGoogleからペナルティを受けているようです。訴状を見ると「私たちは外部のSEO会社に頼んだことはないし、ウェブマスターのためのガイドラインに違反するようなことは見当たらない」とは主張していますが・・・。

また、同社はGoogleが何の警告もなくインデックスから削除したこと、その理由を通知しないこと、復帰方法を伝えないこと、検索結果に人為的な操作はされていないというならKinderStart.comがPageRank 0になるはずはない、こうした検索結果になったWeb検索結果の評価方法を教えろなどとも主張しています(訴状の全文(PDF))。

Googleの検索結果を巡る訴訟は珍しいものではありません。過去にもSearchKingの事例や、訴訟の準備を発表したChamberland Enterprises / IC Advertising社の事例があります。リンクつきのテキスト広告を販売してリンク評価を歪める行為を商売としていたSearchKingについては連邦地裁が提訴を却下しており、PageRankは言論の自由を保障した米国憲法修正第1条により保証された意見を構成するものだとしました。こうしたことを裁判所に訴えるのは米国社会らしいですが、検索市場を支配するGoogleの影響力を物語っているともいえますね。

さて、こうしたランキングに関連してよく指摘されるのが検索結果の客観性という問題です。例えばGoogleは次のように検索結果の完全性・客観性を謳っています。

Googleの複雑で自動化された検索方法には人為的な介入がありません。 PageRankTMを販売したり、商業的に検索結果を操作するということは一切ありません。Google検索は高品質なウェブサイトを手軽に探すための、正確で客観的な手段です。(Googleの人気の秘密より

検索結果にまったく人の手が加わらないことが、有料広告などに左右されない客観的な情報源としてユーザーの皆様から信頼を受けている理由です。(Google のテクノロジー)

しかしGoogle検索結果から外されたり大きく順位が下げられたことで不満を持つ人々(大半はスパムを行っている人ですが)は、Googleはウソをいってると反論をする。検索結果から私たちのサイトを不当に(理由もなく)削除しているではないかと。

こういう主張を聞くと、私はいつも「この人たちは本当に全世界の検索ユーザーのことを考えているんだろうか?結局、自分のサイトの順位が落ちて売上が減ったから文句を言っているだけでは」と正直、感じずにはいられません。それは次のような理由からです。

電子メールに次いでよく利用されるサービスへと成長した検索エンジンはいまや私たちのビジネスや社会生活に大きな影響を及ぼす存在となっています。この市場の中で世界的に大きなシェアを持つGoogleが最も強い影響力を持ちます。Googleの検索結果の上位に表示されれば多くのトラフィックや顧客を獲得し、下位に沈んだサイトはネットに存在しないといっても過言ではありません。しかし同時に、これだけ大きな影響力を持つサービスは当然、悪意のある人々の標的にもなります。

Googleが好むリンクを購入する、他人のコンテンツを盗んで自分のサイトのコンテンツを増やす、かつて他人が所有していたドメインを取得して手軽にSEOをする、安く取得できるドメインを数千単位で大量購入してスクラップ同然のコンテンツを持つサイトを大量に立ち上げる、etc... などの手段を講じてとにかくGoogleの検索アルゴリズムを騙して不正に検索結果を操作しようとする輩が後を絶ちません。

『世界中の情報を整理して、世界中の人がアクセスできて、使えるようにすること』をミッションとするGoogleがこれらスクラップ同然のウェブサイトや不正に操作した数々のテクニックを排除せずに、彼らがいう"objective""manipulateされていない"検索結果を表示したら、一体誰がそんな検索エンジンを利用しようとするでしょうか?

ブログの世界ではスプログというが問題となっていますが、ブログ検索エンジンの中にはこうしたスパムコンテンツを適切に排除できないために、延々と同一人物によると思われる意味のないコンテンツが検索結果を占めることがあります。こうした事態が最も利用者が多いWeb検索で起きたらもっと大きな問題ですね。

検索エンジン会社がいう”客観性”というのはあくまで、特定企業のサイトの順位を人為的に上げたり下げたりしていませんよといっているのであり、検索品質を低下させるサイトやテクニック、ユーザーの検索体験を損なう行為も除外しませんといっているわけではありません。「特定サイトを優遇したりはしないけれども、”ゴミ”は取り除きますよ」といっているわけです。

中国の検閲の問題や著作権侵害・誹謗中傷サイトの取扱いについてはまた別の問題をはらんでいますが、こうした問題とスパムで削除されたサイトを一緒くたに扱うのもどうかと思います。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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