先週、検索エンジン業界のクリック詐欺(Click Fraud)問題を巡って大きな動きがあった。集団訴訟をおこされていた米Googleが原告団に対して9,000万ドルの和解金を支払うことで合意に達したのだ。
この最大9,000万ドルという金額はリファンド(返金)ではなくクレジットなので、今後の掲載に対して充てられるものであり広告主に返されるものではない。またGoogleの過去4年間の売上高全体で見れば9,000万ドルはほんの僅かなものだ。こうした事情から大半のアナリストは「Googleの勝利」と見ている。
このクリック詐欺問題、日本ではあまり取り上げられていないし、感覚的にもこの問題に対する日本の広告主の意識が高いとは思わない。しかし日本はこの問題と無縁というわけではない。今回はこの問題を見ていこう。
クリック詐欺って何?
最初にクリック詐欺について簡単に説明しよう。Yahoo! JAPANやGoogleなど大半の検索エンジンは検索結果画面の中に検索に連動して掲載される広告を表示している。こうした広告を、次の(1)(2)の目的でクリックを行うことにより、広告主が無駄な広告費用を支払わされていることが近年問題になってきている。
(1) 競合他社によるクリック:競合となる企業の広告をクリックして妨害する。
(2) 収入狙いによるクリック:アフィリエイターなどが検索エンジンと契約、自サイトに広告を掲載し、収入目的でクリックする。
割合としては(2)が多く、広告費全体の20%程度がこうした不適当なクリックが占めるといわれる。いずれにせよこの問題がもっともっと深刻化すれば、検索エンジンのビジネスモデル自体が崩壊しかねない。
検索エンジンの対応と限界
GoogleやYahoo!(日本でいうオーバーチュア)など広告配信プロバイダーはこうした問題を認識して対策を実施している。例えばGoogleを例にとると、サポートサイトには「無効なクリック」という項目で不正なクリックに対するGoogleの取扱いについて詳細な情報を掲載している。
Googleは様々な技術を導入して不正なクリックを自動的に検出・排除するシステムを持っており、もし検出できなかった場合でも後で判明した場合はクレジットを適用するようにしている。既にアドワーズ広告を利用しているのであれば、レポート欄に「調整 - クリックの品質管理」という項目を見たことがあるだろう。このように広告主保護のための対応はあれこれと考えられているのだ。
それでも米国の広告主からのクリック詐欺問題に対する不満は絶えない。例えば米検索エンジンマーケティング業界団体SEMPOが発表した調査では、40%超の広告主が過去にクリック詐欺の被害にあったと回答をしているし、検索エンジン会社に無効なクリックの申し立てをしたにもかかわらず却下されたという声も少なくないのだ。
この問題について広告主が満足するためには、クリック詐欺の発生そのものの問題と、不正なクリックにより請求が行われた際の対応・手続きに関連する問題を解決する必要がある。しかし検索エンジンはそのどちらも - 特に後者について - 適切な対応をとっていないことに問題があるように思われる。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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