締め切り直前にTechCrunch 50のエントリーを無事済ませました。ギリギリでサンプル動画が間に合わなかったので、やむをえず日本語版のパワーポイントを追加したり、相当どたばたでしたがなんとか間に合いました。
ただ、ほとんどが概念説明に終始しておりこれを適正に評価してもらうのはかなり難しいと感じています。実際のプロダクトを幾らか触れる状態にないと、ある意味“言葉だけ”なら何だって言えますからね。
あと、この( TechCrunch にエントリーした)プロジェクトを開始した当初の今年の初旬時点では概要のはっきりしなかったiPhone 3Gおよびその周辺環境(e.x. iPhone 2.0 , SDK , AppStore など)もかなり輪郭がはっきりしてきました。
Nrme、独占プレビュー位置情報でノイズをシャットアウトしたTwitter
これなど、GPS搭載+3Gでパワーアップした(Wi-Fiのアクセスポイントは米国でさえまだまだ十分とはいえない)iPhone 3G および AppStore ローンチ当初非常に注目されるであろうサービスでしょう。位置限定CGMをノイズレスという捉え方で考えるというは非常にいい視点だなと思います。
日米のケータイ文化の違いという場合、iPhoneを巡る(よくある)議論としては「世界的にも先進的な日本のケータイ」対「まったく新しい生態系を構築しつつあるアップル」を対比して、いずれかに軍配を上げる・・的なエントリーを見かけます。
ただ、デベロッパーとしてはキャリアおよびプラットフォームの制約条件が比較的緩くコントロールされているとはいえ新規サービスを直接ワールドワイドに訴求できるアップルのインフラは魅力的なのではないでしょうか?
いずれにしろiPhoneプラットフォームの普及台数が100万台程度まで伸張すると面白いことになるでしょうね。
上記はいつも読んでいるisologueのエントリーなのですが、非常に納得できる指摘が多数ありました。
実際、日本のVCは(全てが..とは言いませんが)投資意欲の高さや事業評価の目利きなどの面で決して低いレベルにあるとは思えません。
また、企業系列的な行動パターンや担保主義的な保守志向に因循姑息になっているという印象も(そういう所もあるのでしょうが)感じません。
ただ、スタートアップそのものの希少性と投資資金量とのアンバランスはなかなか解消されない問題だと思いますし新興市場の不振も、それと対応したある意味当然の状況のように感じます(簡単に言うとタマが無い)。
自分自身もVC担当者と折衝していて感じるのは、「サービスの開発能力」および「マーケティング能力」がある程度備わっていたとしても(あくまで「ある程度」ですよ)、それをエグジットに向けてちゃんと血肉化するうえでの企業運営(組織開発とその運用)+資金調達(財務計画の策定と実施)を担うことが出来るコアメンバーの必要性の高さです。
特に、多産多死が原則のスタートアップに当初参加するCOO的パートナーおよびCFO的パートナーにとって、そのリスクアンドリターンを見極められるだけの妥当な事業計画を起業家個人が準備できるのかというと、現実には、なかなか困難だったりします。
逆に言うとエグジットまでの成長シナリオを(アイデアの良さや熱意とか誠意だけでなく)しっかり構築することができれば、そういった必要な人的コアは自ずと形成できますし、そうするとVCとしても「事業計画のコア」だけでなく「実施可能な人的コア」を両方見られるので、投資判断も当然前向きなものになるでしょう。
ベンチャーキャピタルと銀行
上記の isologue で取り上げられていた池田先生の記事での「新規スタートアップと共に融資を獲得しようとVCを訪問したが断られた」というエピソード(そして米国Supernovaで体験された米国VCのいい加減さ)から感じられるのは「前向きなスタートアップに“融資しない”国内VC」の閉塞性と「リスクマネー=ギャンブル的な投資行為にむらがる米国VC」という対比的構図なのですが、それはどうも現状認識としてはズレているような気がします。
企業オペレーション(COO)とファイナンス(CFO)を得意とするコアメンバーをどのように獲得するのか?を含めてのスタートアップの立ち上げという観点からすれば、(もちろんVCサイドも含めてですね)エグジット(IPOあるいは企業売却)を目指すというスタンスは欠かせません(ですから米国VCの行動には合理性があると思いますし、国内VCも行動指針としては大きく異なることは無いと考えます)。
そして、そのエグジット(を含めた市場の新陳代謝)が、全体としては社会生活にとってのイノベーション機会の創出になっているというようなベーシックな価値観が欠かせないように思います。
逆に言うと構造的なイノベートによって生まれる市場規模のスケールが一定以上見込めない場合はIPOし得るだけの経済効果が生まれません。起業の動機付けが私利私欲であるかどうかは別として、そういった社会生活的なリエンジニアリングが事業計画としては不可欠なのではないでしょうか?
ただ、それをただのお題目ではなく、リアルな経済行為として実質化していくためにどういう構造的アプローチがあるのだろうか?(国産スタートアップが常時多産多死的に生まれるような仕掛け作りを含めて)それは自分自身まるで確かな手掛かりがありません。なので、ひたすら事業計画を書くだけです。
「ベンチャー企業」のための資金調達入門にある磯崎さんと池田さんとの議論にある微妙な視点のズレは、ある意味日本におけるベンチャー投資に対しての誤解とか偏見を垣間見るという意味でも、価値のある議論のように思いました。
新興市場が登場する前は銀行による間接投資が主体だったこと。そもそも株式公開が企業の「あがり」だった頃の名残のようなものも感じます。
<以下は追記部分>
ベンチャーの食物連鎖?
以上のエントリーを書いた後、池田先生が磯崎さんへの反論への反論を受けたエントリーを書かれています。が、少しこれは見苦しいような・・。しかも、余計な結びでさらにダメージが増大しているような・・
いわゆるWeb2.0企業はIPOではなく買収によってexitする。その受け皿も、GoogleとYahoo!とMSのどれかに「イケてる」と思わせればOKだ。ところが日本では、このエンジンがないものだから、単体で収支を見られると、アクセスを集めるだけのサイトは収益の見通しが立たない。こうしたウェブの食物連鎖を阻害している大きな要因が、検索エンジンが違法になっているなどの過剰規制だ。ただ根本的な問題は、YouTubeのように訴訟リスクを踏み越えても起業しようというstartupが出てくるかどうかというリスク態度なので、
まず、米国のグーグルゾン的な食物連鎖構造を構築できない日本のスタートアップ事情をコンプライアンス等の過剰規制(検索エンジンの違法性などの点では確かにそういう面もありますね)のせいにされているのは、本当にそうなのかな?と思います。
そもそもグーグルが形成した検索連動型広告スキームに類似したビジネスモデル(成果報酬型広告オークション市場など)は早くから国内ベンチャーが試みた実績がある分野で(ほとんどは失敗していますが)、少なくともそれらのベンチャーが過剰規制によって命運尽きたというような事例は無い筈です。
ですから「検索市場を構築できなかった」ことを指して日本国内の過剰規制を攻撃するのは妙な感じがします。因果関係が無いものを批判しているように見受けられます。
それに加えて、検索エンジンの収益構造を巨大なネット生態系として考えた場合、それと近似のものを日本国内にもうひとつ構築すべき合理的な必然性も余り感じられません。
しかも、検索市場というのはインターネット広告という(国内だと広告全体10兆円規模のうちの約3千億前後の規模)限られた市場のパイの分け合いだったりします。
ですから、その構造変革だけで日本のスタートアップを論じるのにも無理を感じます(それに比して日本の小売市場規模=年間小売売上高は約135兆円ですから「楽天」の事業計画に於けるフォーカスは狙いとしていいですよね。構造的な変革余地はまだ無茶苦茶ある筈です..)。
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