jailbreakされたiPhoneを購入してから数週間が経ったのですが、このデバイスが単に斬新なインターネット・アクセス・デバイスであるという以上にモバイル・コンピューティングのための革新的なプラットフォームであることがよく分かります。
ですから、いわゆるケータイ経済圏との比較だけでこのプロダクトを比較云々することには非常に限界があるように思います。
それはiPodがiTMS、iTunesを含めたトータルなサービスおよびマーケットによって成立する生態系そのものであることと同様で、デバイス単体の性能・機能だけを見ていてはコトの本質を見逃してしまいそうです。
ただ、自分自身、当初のiPhoneアプリケーションがウェブアプリに限定されていたこと。SDKの公開時点でも配布経路がApple管理下にあることや大幅な機能的制約(バックグラウンド・プロセスが許されない等 ただし、この制約はある程度緩和された)など含めて「オープンではないしイノベーティブでもない」と拒絶反応を起こしていました。
ところが、実際に操作し、既に大量に存在しているiPhoneアプリを試用してみると、そのネガティブな印象はまるきり書き換わっていました。jailbreakされたiPhoneで利用可能なアプリケーションの量と質はちょっと信じがたいモノだと思います(例:iPhone/iPodTouchラボ)。
そして、当然そのアプリ群の裏には開発者を喚起するプラットフォームだけでなく、ラピッドプロトタイピングを可能にするツール群が控えている訳です(オフィシャルSDKも相当使い易くこなれてきたようですが)。このことはiPhone / AppStore生態系の増殖的な伸張を感じさせる兆しではないかと思います。
Softbank孫さんがiPhoneの導入に向けて積極策を打ったことは時代的判断としては非常に妥当だと感じますし、これからiPhoneが先駆することで「モバイル・インターネット・デバイス(MID)」が切り拓いていくであろう生活スタイルの変化、消費行動の変容を先取していくための大きな布石になることが予想できます。
ですから、Appleが単なるケータイ端末メーカーたり得ないのと同様にSoftbankもケータイキャリアの立場に甘んじることは無いと思います。
ドコモが市場ポジション的には圧倒的に有利であった筈のiPhone争奪戦で敗れてしまったことの背景には、自らのビジネス・スタンスをどのように捉え将来に投影していくのか?の見立ての(とても大きな)違いがあったような気がします。
もちろん、アップルとしては端末をより多く売ってくれるキャリアであればそれで十分なのですが、プラダ・ケータイやブラックベリーなどと同等の扱いでしかないドコモの場合、その協業が生み出す波及効果を自ずと低く見積もらざるを得なかったのでは?などと推察するのです。
Apple はjailbreakを許容していません。どころか、breakされたiPhoneへの扱いは相当苛烈で厳しいものです(何回か文鎮化したiPodTouchに呆然としました)。
ただ、その一方でアップルが凄かったのは、その“不測の事態”、“予想外の開発チーム到来”を好機に転化したことです。そのようなフラクタルな行動指針は元来官僚的色合いの強いナショナルキャリアにとっては余りに異質過ぎたのではないでしょうか?そもそも(SDK以外の環境下では)開発推奨されていないプラットフォームでロック解除の“死闘”を繰り返しながら優れたアプリケーションが続々配布されるモバイルデバイスなど、他に存在するのでしょうか?(※僕が知らないだけかもしれません..)
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アップルのiPhone戦略の片鱗が覗ける良記事がありましたので一部転載します(「ゴールドマン・サックスのテクノロジー投資シンポジウムでの、Apple COOティム・クック氏プレゼンテーションの内容」|ねこのききみみ)。
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