最終更新時刻:2009年7月11日(土) 10時00分
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【メモ】 iPhoneはSDKリリース以前に大量のアプリを獲得している。

公開日時:
2008/06/21 10:32
著者:
尊仁

jailbreakされたiPhoneを購入してから数週間が経ったのですが、このデバイスが単に斬新なインターネット・アクセス・デバイスであるという以上にモバイル・コンピューティングのための革新的なプラットフォームであることがよく分かります。

ですから、いわゆるケータイ経済圏との比較だけでこのプロダクトを比較云々することには非常に限界があるように思います。

それはiPodがiTMS、iTunesを含めたトータルなサービスおよびマーケットによって成立する生態系そのものであることと同様で、デバイス単体の性能・機能だけを見ていてはコトの本質を見逃してしまいそうです。

ただ、自分自身、当初のiPhoneアプリケーションがウェブアプリに限定されていたこと。SDKの公開時点でも配布経路がApple管理下にあることや大幅な機能的制約(バックグラウンド・プロセスが許されない等 ただし、この制約はある程度緩和された)など含めて「オープンではないしイノベーティブでもない」と拒絶反応を起こしていました。

ところが、実際に操作し、既に大量に存在しているiPhoneアプリを試用してみると、そのネガティブな印象はまるきり書き換わっていました。jailbreakされたiPhoneで利用可能なアプリケーションの量と質はちょっと信じがたいモノだと思います(例:iPhone/iPodTouchラボ)。

そして、当然そのアプリ群の裏には開発者を喚起するプラットフォームだけでなく、ラピッドプロトタイピングを可能にするツール群が控えている訳です(オフィシャルSDKも相当使い易くこなれてきたようですが)。このことはiPhone / AppStore生態系の増殖的な伸張を感じさせる兆しではないかと思います。

Softbank孫さんがiPhoneの導入に向けて積極策を打ったことは時代的判断としては非常に妥当だと感じますし、これからiPhoneが先駆することで「モバイル・インターネット・デバイス(MID)」が切り拓いていくであろう生活スタイルの変化、消費行動の変容を先取していくための大きな布石になることが予想できます。

ですから、Appleが単なるケータイ端末メーカーたり得ないのと同様にSoftbankもケータイキャリアの立場に甘んじることは無いと思います。

ドコモが市場ポジション的には圧倒的に有利であった筈のiPhone争奪戦で敗れてしまったことの背景には、自らのビジネス・スタンスをどのように捉え将来に投影していくのか?の見立ての(とても大きな)違いがあったような気がします。

もちろん、アップルとしては端末をより多く売ってくれるキャリアであればそれで十分なのですが、プラダ・ケータイやブラックベリーなどと同等の扱いでしかないドコモの場合、その協業が生み出す波及効果を自ずと低く見積もらざるを得なかったのでは?などと推察するのです。

Apple はjailbreakを許容していません。どころか、breakされたiPhoneへの扱いは相当苛烈で厳しいものです(何回か文鎮化したiPodTouchに呆然としました)。

ただ、その一方でアップルが凄かったのは、その“不測の事態”、“予想外の開発チーム到来”を好機に転化したことです。そのようなフラクタルな行動指針は元来官僚的色合いの強いナショナルキャリアにとっては余りに異質過ぎたのではないでしょうか?そもそも(SDK以外の環境下では)開発推奨されていないプラットフォームでロック解除の“死闘”を繰り返しながら優れたアプリケーションが続々配布されるモバイルデバイスなど、他に存在するのでしょうか?(※僕が知らないだけかもしれません..)

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アップルのiPhone戦略の片鱗が覗ける良記事がありましたので一部転載します(「ゴールドマン・サックスのテクノロジー投資シンポジウムでの、Apple COOティム・クック氏プレゼンテーションの内容」|ねこのききみみ)。

  • われわれは「何をしたか」と同様に「何をしなかったか」をも誇りに思っている。
  • Appleは「卓越」(他のどこにもないもの)に傾注する会社である。
  • OS XをiPhone・iPod touch・Macに展開できたことは、素晴らしいシナジーの好例だ。
  • iPodは飽和状態に陥っているか?出荷台数は前年比で+5%、売上は同じく+17%(これは1年間では最高の成長率)だ。これはiPod touchによるもの。iPodブランドを初の定番モバイルWi-Fiプラットフォームにすることを戦略的目標とし、成功したのだ。一方で、エントリーレベルのiPod shuffleは低迷してしまった。全世界的に見ると前四半期は-17%という結果に終わった。そこで容量を増加し、価格を引き下げたわけだ。
  • iPod touchは初の定番モバイルWi-Fiプラットフォームである:メールやWebブラウズが可能というだけでなく、今後登場するSDKによってアプリケーションが増えれば、デベロッパのイマジネーション次第でデバイスの可能性はさらに広がる。
  • iPod touchとiPhoneは共食いしているか?touchは電話ではない。多少の食い合いはあるかもしれないが、それは決してAppleと他社が食い合っているのではなく、むしろApple製品どうしで共食い状態にあるのだ。
  • iPhone:単なるApple製品のひとつではなく、ひとつのプラットフォームである。iPhoneにはすでに1,000を超えるWeb2.0アプリケーションがある。今後登場するSDKにより、iPhoneはさらに魅力的なものになるだろう。iPhoneの顧客満足度はApple製品史上で最高であり、Macをも超えている。
  • iPhoneの在庫管理:在庫管理はAppleが得意とする分野だ。iPhoneはまだ4カ国の市場でしか販売されていないが、これは意図的なものだ。こうすることで学習でき、またその成果を次に参入する国に活かすことができる。初動200日間で400万台が売れた。繰り返しになるが、販売目標(2008年内に1,000万台)は達成可能であると確信している。
  • ロック解除されたiPhoneが出回っていることに関しては、世界的な需要の鬱積を示すものととらえている。新たな市場への参入の前触れとなるものだ。ある程度のハッキングは常に存在するものだ。iPhoneをロック解除する人たちの大半は、まだiPhoneの公式キャリアが存在しない国の人たちだ。アメリカではiPhoneの大半はAT&Tで使われている。かつてないほど顧客満足度の高いiPhoneには、相応の需要があるということだ。
  • ではなぜロック解除したiPhoneを販売しないのか?アメリカで2種類のiPhoneを販売することもできたが、学習プロセスを単純化するために1種類に絞ったのだ。Appleは特定キャリア独占販売モデルを貫き通したいわけではない。ユーザにとって最良の製品を作りたいだけだ。キャリアにとってのiPhoneとは、皆が欲しがり、また皆が大容量のデータをやり取りしてくれる端末だ。今後iPhoneを新たな国で販売していくが、これによりロック解除率は最小化されるだろう。
  • ※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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