今週立て続けにケータイ小説関連のニュースや取材記事が新聞に掲載されています。例えば、
「ケータイ小説」大流行と紹介=紫式部の国でジャンル確立?−米紙 時事通信社 - 01月20日 23:02
【ニューヨーク20日時事】「紫式部の国でケータイ小説が一つのジャンルに」−。20日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、「恋空」など携帯電話で作成された小説の書籍化作品がベストセラーを記録した日本の出版・文学界の現状を伝えた。
という感じですね。
Asahi.comのコラムで取り上げられている凛さん「もしも君が。」がリリースされたのが2006年12月。現在のムーブメントに繋がる数々の作品が発表された時期から足掛け2年。
CGMベースで発生したトレンドも本というクラシカルな商品として認知されるには相当時間がかかるということでしょうか?
ただ、これだけ認知された現在でも、
・CGMマネタイズ手法としてのケータイ小説
・CGM企業と既存出版社との関係性
・電子書籍出版との関連性、既存の再販制+取次制度に与える影響
などは余り省みられていないように感じます。そこで、過去にエントリーしたケータイ小説関連の記事をまとめてみました。
「ケータイ小説を責めないでください!」の増田さんにシビレル 【はてな匿名ダイアリー】
実際にその「文芸環境」で人気を博しているのは、「行動小説」的な現在的私小説だけではありません。それと同程度、あるいはそれ以上に普及しているのが「物語」文学、つまりラノベ的な“フィクション”を追求したカテゴリーです。
そして、そのカテゴリーの動向が指し示している“書き手と読み手の「ビジュアル体験」と「ストーリー体験」の変遷”(その変遷=過去体験の「束」が、特有のケータイ的活字文化を形成していること)にひどく興味を感じるのです。
初音ミクとケータイ小説で考える『時間争奪のアーキテクチャー間競争(後編)』 【プロアマ論争】
「プロアマ競争」議論以前に、「メディア=アーキテクチャー間の競争」があるのだという議論の土台に立つ場合、そのアーキテクチャー間(この場合はプロ=パッケージ流通中心のプレイヤーと定義可能かも知れませんね)で何を争奪しているのか?という問いかけが可能になります。そして、突き詰めていくとそれは「時間」の争奪だと言えはしないでしょうか?
初音ミクとケータイ小説で考える『時間争奪のアーキテクチャー間競争(前編)』 【プロアマ論争】
作品投入がマーケティングであるという感覚はケータイ世代にとってはごく自然な感覚です。ケータイで小説を書くというアクセス経路が開かれているかどうか?は“インタラクティブな読者体験とどう付き合っていくのか?”と表裏一体で、その感覚を皮膚感覚的に持っているかどうかはケータイ小説作家の生命線ではないかと感じます。
分かる人にしか分からないとても高飛車なケータイ小説マーケティング概論(補完編)
従来の作家主体の考え方は巨大戦艦の建造を主眼とする考え方。これは艦隊トータルのトン数=搭載する大砲の威力を重視します。つまり売れ筋のベストセラー作家(戦艦)をどれだけ抱えているのか?が主要ファクターになります。
一方、機動部隊運用方式の場合は大量の戦闘機や爆撃機を投入することによって総量としての打撃力を増す訳です。これは、コミュニティ・ユーザーの大量投稿を対象に商品化を進めていく方法論に近いと思います。
分かる人にしか分からないとても高飛車なケータイ小説マーケティング概論(選択編)
どのような出版社がこういった「ネットコミュニティのマーケティングを軸に出版を手掛けていく」アプローチに適しているのか?自分なりにコンピテシーを考えてみたのですが、案外難しい。なので、「こういった出版社は相乗効果を挙げにくい..」的なネガティブ要素から考えてみました。
分かる人にしか分からないとても高飛車なケータイ小説マーケティング概論(数字編)
“雑誌=セグメンテーション”という考え方に則るとすればケータイコミュニティをターゲティング・メディアとして捉えることと、そこからの書籍化を仕掛けていくことは、この“雑誌→単行本モデル”に限りなく近いアプローチでもあることが分かる(※特定顧客層へのリーチを広告と書籍化によってマネタイズするということ)。
分かる人にしか分からないとても高飛車なケータイ小説マーケティング概論(初級編の後編)
まず、たいていのコミュニティ・メディアは“セグメンテーション”という概念を非常に嫌う傾向にある。で、軽くインタビューしてみると、どうやらユニバーサルな“縛りのないメディア”。つまりポータルサイト的な“規模の追求”に相反するアプローチのように見えてしまうらしい。
でも、雑誌の特性とは即ちターゲティング・メディア。つまり適切にセグメントされていることが非常に重要なので(生命線と言っても言い過ぎではない)、本当は「区切って」「集めて」「提案する」戦術こそが好ましいのだ。
分かる人にしか分からないとても高飛車なケータイ小説マーケティング概論(初級編の前編)
結果、コンテンツを軸足にエンド・ユーザーのターゲティングができる(ユーザー間のコミュニケーション=参加性を燃料にして)上に、その広告の訴求効果を拡張できる「祭り」スパイラルを持ち込める訳だから、やり方次第では「広告メニューの充実 and / or 付加価値の向上」が実現出来る+「出版コンテンツの獲得」という一挙両得を目論むことができるのだ。
分かる人にしか分からないとても高飛車なケータイ小説マーケティング概論(上級編)
ケータイ小説マーケティングをぐっと突き詰めると、結局「本とはいったい何物なのか?」という問いかけを避けられないように思う。つまり、本であることの本質とは何なのか?少なくともデータ化された書籍と、ただのデータとの間には物理的な違いは無い。で、そこを突き詰めれば、本という商品が一般的な日用品とは相当異なる流通システム上を循環しているのだということに気づく。
分かる人にしか分からないとても高飛車なケータイ小説マーケティング概論(中級編)
ページ・ビューとユニーク・ユーザーがかなりの精度で売れる書籍作品のヒット指標になっているのだという現状を捉えるならば、定量的根拠を欠いた不確実な商品化に賭けがちな過去の方法論よりはよほど手堅いように思う。
それに、たとえその方法論に問題があったとしても数多くのケース・スタディを通じてノウハウを蓄積・更新できることの強みはあると思うのだ。
分かる人にしか分からないとても高飛車なケータイ小説マーケティング概論(入門編)
ケータイ小説の特性を一言で言うと、携帯電話というライフメディア(そのなかでも特にコミュニティ)でのマーケティングに基づいた文学だと言える。なにしろストックされた作品数は数百万タイトルというスケールであってジャンル(属性)やスタイル(表現形式)ともに非常にバラエティに富んでいる。
そのなかでごく一部の作品が世の中に出て書籍商品として流通するのは、その作品がネットコミュニティで評価をされたというゲートウェイを通過しているからであって、作品に対する純粋な文芸的評価が最初にあった訳ではない。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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